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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ
カテゴリ:巻き爪

【専門医のまとめ第4回】巻き爪やさしく解説:根治手術編【元から絶つ・保険適応】

  • 2024.07.17

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

巻き爪シリーズの第3回『簡易手術編』で、即効性と確実性が特徴の簡易手術について解説しました。

巻き爪シリーズ・第4回となる今回は『根治手術』について詳しく説明します。

「根治」とは再発しないように根本から徹底的に治すという意味です。

その名の通り、根治手術は一度受ければ再発することはありません。痛くて辛いだけでなく、再発が多いことでも知られる巻き爪・陥入爪でそんなことが可能なのか・・・

じつは可能なのです。

今回はそんなスゴイ根治手術について、実際の施術動画を交えながら詳しくご説明いたします。ぜひ最後までご覧いただき、ご家族やお友達とも共有していただければ嬉しく思います。

【目次】

1.治療の選択肢

2.根治手術の種類

3.神楽坂肌と爪のクリニックの根治術

4.根治手術の実際を解説

5.手術後の経過

6.根治手術のリスク

7.まとめ


1.治療の選択肢

神楽坂肌と爪のクリニックでは毎日たくさんの患者さんが受診されますが、その内のじつに6割以上が巻き爪の患者さんです。

重症・軽症に関わらず、患者さんが積極的治療をご希望の場合は根治手術かワイヤー矯正を提案し、患者さん自身で選んでいただきます。

■根治手術とは

食い込んでいる爪とその爪母を除去する方法です。特徴は、“再発がほぼゼロ”という根治性と確実性。再発をどうしても避けたいという方やI型陥入爪で簡易手術を何度やっても再発を繰り返してしまう方におすすめします。欠点は術後3日間もの自宅安静が必要なことで速効性に欠ける治療です。

安静と再発率については術式や医師によって異なりますので直接主治医にご確認下さい。健康保険が使えるので費用は8000円程。効果は一生持つため経済的な治療と言えます。

■ワイヤー矯正とは

器具を使って爪の形を整える方法で麻酔や切除は不要です。特徴は、無痛であることと速効性。「痛い手術は絶対いやだ」「3日間の安静はムリ」とおっしゃる方に人気があります。ワイヤー矯正の欠点としては、根治手術と比べて再発が多いことと、保険が効かないので費用が高額なことが挙げられます。

ワイヤー矯正については以下の動画で説明していますが、

次回の『巻き爪シリーズ第5回』であらためて詳しく説明する予定です。

2.根治手術の種類

根治手術には主な術式として「鬼塚法」「児島法」「フェノール法」があります。

■鬼塚法

鬼塚法

鬼塚法は私の恩師でもある鬼塚卓弥博士が考案した術式で、最も一般的な方法です。

シンプルな手術ですが、爪母以外に『側爪郭』という爪の横の皮膚も同時に処理することで再発リスクを下げています。組織損傷がやや大きいことが欠点として挙げられます。

■児島法

児島法

児島法は小さな切開から爪母のみを切除する方法で、鬼塚法同様広く行われています。

組織損傷の少ないため術後の痛みや合併症リスクが軽減されます。欠点は医師にある程度のスキルを要求し、視野が狭く切除が不十分になりやすいところです。

■フェノール法

フェノール法

フェノール法は爪母を切り取る代わりにフェノールという腐食性薬剤で変性させます。

メスを使わないので手術スキルが不要で、当日から歩行できるメリットがあります。欠点は、爪母処理を薬剤の接触時間でコントロールするので不確実になりやすいところです。

なお、これらの術式は医師の責任で選択されるものであって患者さん自身で選ぶことはできません。

患者さんが選べるのは術式ではなく、医師や病院ですので術式が気になる方は事前にホームページなどで調べてから受診するようにしてください。

3.神楽坂肌と爪のクリニックの根治術

実は神楽坂肌と爪のクリニックで行っているのは、先ほどの3つの代表術式とは違う方法です。

部分的Zadik法

部分的Zadik法という独自の方法で、根治性つまり再発しないことを追求した術式です。広い視野から責任爪母を直接、目で確認し、確実に切除します。

手術前
手術後

このため再発がほとんどなく、私は患者さんに再発率は1%以下、ほぼゼロと説明しています。25年前からやっているのですが、10数年前に学会発表しただけで論文にしなかったのでまったく普及していないというのが現状です。

ご覧になっている医師の方でこの術式に興味をお持ちの先生がいらっしゃいましたら、私の著書である最強巻き爪矯正テクニックに詳しい記載がございますのでぜひご一読下さい。

独自の方法ではありますが、私だけで25年以上・2000件以上の実績があります。

現在も、年間に80〜100件ほど行っていますが、ここ10年再発は経験していません。この数字から、再発率のかなり少ない術式と言えると思います。

4.根治手術の実際を解説

実際の施術を動画でご覧いただきます。
※実際の手術の様子は、動画の5:14からご覧ください。

まず、局所麻酔の注射をします。
根治手術では指全体が痛みを感じなくなる指神経ブロックを行います。指には時計でいう2時、4時、8時、10時の方向に神経が走っていますので、根本付近に針を刺したら順番にこれら神経を麻酔していきます。10分経つと手術が可能でそのまま2時間ほど効果がつづきます。その間、指は正座後の足の裏のような痺れた感覚になり、痛みはまったく感じません。

よく「以前の手術で麻酔が効かなかった」とか「医師から麻酔が効きにくい体質と言われた」とおっしゃる患者さんもいますが、じつはそのほとんどは医師の麻酔テクニックに起因するものなのです。経験のある医師が行えば、手術中はまったくの無痛ですのでご安心を。

手術はまず食い込んだ爪を食い込む幅だけ切り取ります。ここは前回の動画で紹介した簡易手術とまったく同じです。

部分的Zadik法では爪の切り取り線の延長線を、指の付け根に向かって皮膚切開します。関節の手前で90度折れてL字型にします。このL字型に後爪郭稜線の切開を繋げて扉の様な形にします。この扉を『皮弁(ひべん)』と言います。

次に皮弁を爪母の深さで剥がして扉を開くように持ち上げると「角(horn)」と呼ばれる爪母の一番奥と側縁が確認できます。ここで爪母を最初に切り取った爪の幅で、一番奥から半月まで骨の深さで切開します。この切開は半月の先で90度折れて、皮弁に連続させます。

次に完全に見えるようになった責任爪母を指先の方から付け根に向かって骨の深さ剥がします。先ほどの爪母の「角」部分は靱帯で骨にくっついているのでしっかり剥がします。「角」はケースによってはかなり深いことがあり、どの術式でも取り残しのリスクが一番高い部分なので特に慎重に行います。最後に残った爪母の一番奥を切り落とせば爪母全体が一塊として完全に取り除かれます。取れた爪母をよく観察し、取り残しが無いことを確認します。

皮膚を縫合して終わりです。時間は一箇所5分位、指の両側だと10分です。ご覧いただいたように出血はほとんどありません。最後に包帯を巻いたら手術した脚を心臓より高くしてベッドで30分休んでいただきます。

5.手術後の経過

フェノール法以外の根治手術は、痛みと出血対策のため術後の安静が非常に重要です。神楽坂肌と爪のクリニックの術後の安静について説明します。

手術後はタクシーか、ご家族が運転する車で帰宅していただきます。
激しい出血や強い痛みの懸念があるため、歩いたり電車で帰ったりすることはできません。

手術当日を含めて、3日間はご自宅で原則横になって過ごしていただきます。その際、手術をした足を心臓より高く保つことが大切です。

基本的に3日間は歩くことはできませんが、トイレなど最低限の移動は可能です。ただし、用が済んだら直ぐにまた足を心臓より高くしなければ出血や痛みが酷くなります。

とうぜん部屋を掃除したり、買い物に出たりはできません。高熱で寝込んでいる状態をイメージして下さい。

ただし、ベッドでなくても、ソファでも床の上で安静にしてもOKです。

手術後3日目の朝からシャワー浴が可能で、キズも洗い流していただきます。

また3日目からはゆっくりですが、キズのある足を庇いながら歩いていただけます。このため、両足同時に手術はいたしません。

7日目には、かなり普通の歩けるようになり、14日目に抜糸します。運動は2週後以降、様子を見ながらゆっくり再開していただきます。

2ヶ月後に再度受診していただき、処理した部分に爪が生えないことを確認したら治療終了。

おめでとうございます。もう二度と、巻き爪に悩まされることもありません。

6.根治手術のリスク

根治手術の効果について説明してきましたが、次にリスクについてご説明します。

「巻き爪・陥入爪の手術はリスクが高いので受けない方が良い」とか「慎重に考えるべき」という記事をネットで読んだことがある方も多いのではないでしょうか?実際に、皮膚科医にはそのように書いている先生が多いですし、日本皮膚科学会の公式ホームページにもそのような記載があります。手術をしても良くならないし、術後にひどく変形することがあるというのが理由です。

一方で私も所属している日本形成外科学会は治療ガイドラインで手術を推奨していますし、整形外科などでも積極的に手術をする先生が多いようです。それは困っている患者さんの症状を、手術以外の方法で改善するのは難しいと考えるからです。

巻き爪の治療が標準化されていないため、ある医師からは手術はリスクが高いので絶対やめた方が良いと説明され、別の医師には手術を勧められる、といったことがしばしば起きて、患者さんは混乱されるだろうと思います。

では、多くの医師が口にする『手術後のリスク』とはどのようなものなのでしょうか?

ここで、そのリスクについて

説明します。

■リスクその1【再発のリスク】

他院で手術を受けた症例

たとえ根治手術であっても、手術が不完全であれば再発することがあります。ほかの病院で、児島法やフェノール法で手術を受けた後に再発してしまい、私が部分的Zadik法で再手術をしたケースはたくさんあります。

私個人の考えでは、再発率の差は術式の選択よりも医師の技術的な差のほうがはるかに大きいと考えています。充分な経験のある医師が行えば、どの術式であっても再発はほとんどしないものです。

つまり、病院を選ぶことである程度コントロールできるリスクとも言えます。

再手術を避けるためには慎重に病院を選び、手術の前に主治医の話を良く聞いてから決断することが大切です。

■リスクその2【爪の見た目が悪くなるリスク】

他院で手術を受けた症例

根治手術は爪の幅を狭くする手術ですが、内側外側の両方の手術や、トランペットネイルでもともと爪幅の狭い方の場合、手術後に爪がとても小さくなって、見た目が気になることがあります。

手術後に気になったとしても、元に戻すことは決してできません。

このリスクは、医師が正しく適応症例を選ぶことでコントロールできます。

予防的手術はしない、カーブが強い場合はワイヤー矯正を検討するなどです。

患者さん側としては手術と矯正など、複数の治療に対応できる病院を選べるかが大切になります。

■リスクその3【爪変形のリスク】

他院で手術を受けた症例

根治手術は比較的組織損傷の大きいので、それが原因で爪が変形してしまうことがあります。一度変形した爪は元に戻すことは出来ません。

私達は他院の巻き爪手術後に酷く変形した爪に対して、冒頭に説明した無爪術、Zadik手術で対応することがあります。

他院手術後変形手術計画
術後半年後

写真の症例は他の病院でフェノール法手術を受けた後に爪が変形した方です。この爪変形は治療が出来ないため、患者さんの希望によりZadik法で爪を生えなくしました。

他院手術後変形
人工爪施術後

別の症例ですが他の病院で児島法手術を受けて爪が変形した方です。治療は出来ませんが、患者さんの見た目を改善して欲しいというご要望により人工爪を付けました

手術後の爪変形は手術による過度の組織損傷や、手術前からあった靴等による爪のダメージが手術で悪化することが原因です。

リスクを小さくするために医師が丁寧な手術を心がけること、手術前から爪の厚みや伸びの遅さがある場合は手術ではなくワイヤー矯正など別の治療を検討する等があります。

また私は15才未満の成長期では変形リスクが高まると考えています。

そのため当院では15才未満の患者さんには根治手術ではなく日常的なケアによる改善や簡易手術をお勧めしています。

根治手術に伴うリスクについて説明しました。

医師はリスクの説明はできますが、代わりにとってあげることは決してできません。リスクを受け入れるか、受け入れないかの判断は患者さん自身の責任でもあります。

ご自身の症状の改善とリスクを天秤にかけてじっくり慎重に検討して下さい。

7.まとめ

今回の動画では巻き爪の根治手術について説明しました。再発に強いという大きなメリットをお分かりいただけたかと思います。

一方で、もう一つの選択肢ワイヤー矯正についてもっと知りたいという方も多いのではないでしょうか。

次回の巻き爪シリーズ第5回では巻き爪の『ワイヤー矯正治療』について取り上げますのでぜひご覧下さい。

尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

ご相談、お待ちしています。

お電話でのご予約・お問い合わせ

電話なら当日予約可能。突然の痛みや手術希望にも可能な限り対応いたします。

5日以内で来院希望の方は電話でお申し込み下さい。

03-3513-8212

【平 日】10:00~13:00/14:00~19:00 【土曜日】9:30~12:30/13:30~18:30

ご予約・お問い合わせ

【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

【専門医のまとめ第3回】巻き爪やさしく解説:簡易手術編【肉芽に確実&即効】

  • 2024.06.07

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

巻き爪シリーズの第2回『治療総合編』で、巻き爪手術について簡単に触れました。

そこで今回は、手術治療の中で一番シンプルな簡易手術について詳しく説明したいと思います。

手術というとなんだか怖い感じがするかもしれませんが、肉芽がある場合でも手術の翌日から痛みなく歩けるようになり、旅行もできます。何年も悩みつづけた肉芽がわずか数日で消えてなくなります。

今回はそんなスゴイ簡易手術について、詳しく説明いたします。ぜひ最後まで読んでいただき、「そうなの?」「知らなかった!」という気づき・発見がありましたら、ご家族やお友達とも共有していただければ嬉しく思います。

【目次】

1.巻き爪手術 二つの方法

2.各手術の特徴

3.肉芽とは何か?

4.簡易手術と手術以外の肉芽治療との比較

5.簡易手術が向いている患者さんとは

6.簡易手術の実際を解説

7.簡易手術後の経過

8.まとめ


1.巻き爪手術 二つの方法

上記のとおり、巻き爪の手術には【簡易手術】と【根治手術】の二つがあります。イラストにあるように簡易手術では食い込んでいる爪のみを除去し、根治手術は食い込んでいる爪とその爪を作っている爪母を除去します。

<簡易手術について>

簡易手術は、速やかに痛みを取ることを目的とします。
速効性と確実性が特徴で一般的には部分抜爪とか陥入爪手術(簡単なもの)と呼ばれます。

<根治手術について>

根治手術は、再発させないことを目的とします。
根治性が特徴で、『鬼塚法』や『児島法』などの術式があります。

2.各手術の特徴

患者さん目線での、二つの手術の違いについて説明します。
ここでの数字データは施術する医師によって大きく異なりますので参考までにご覧下さい。神楽坂肌と爪のクリニックでは赤字の数字で患者さんに説明しています。

典型症例簡易手術

簡易手術は30秒しかかからず、安静期間は当日のみ。翌日から痛みなく歩くことができます。もっと言えば、走ることさえできます。この速効性と確実性こそが簡易手術における最大のメリットと言えるでしょう。
一方でデメリットは再発に弱いこと。爪を作る爪母を除去しないため、爪は1年程で元通り生えるからです。約半数で再発し、もっとも早いケースでは半年で痛みがでることがあります。このため、応急的処置とも言えますが、そのまま治ってしまうケースもあります。

典型症例根治手術

根治術は、簡易手術とは逆に再発がほぼゼロですが、術後3日間の自宅安静が必要で速効性という面で劣ります。病院によっては、入院でおこなうこともあります。スケジュール調整など事前の準備も必要なため、気軽に受けられる治療ではありませんが、簡易手術をやっても半年など短い期間で再発を繰り返すような場合には根治手術への切り替えをおすすめしています。

状態に応じて手術を使い分けることがとても大切ですので、複数の手術を行っている医療機関で治療を受けられることをおすすめします。

ちなみに、ずっと昔におこなわれていた爪をすべて取り除く「抜爪術」は、現在ではほとんどおこなわれません。

3.肉芽とは何か?

肉芽

巻き爪・陥入爪でできる、あの痛い「肉芽」とはいったい何でしょうか?

肉芽とは、赤いゼリーのようなもろく柔らかい肉の塊で、『不良肉芽』や『血管拡張性肉芽腫』などとも呼ばれます。

深爪や靴の圧迫により、爪が皮膚に刺さってできた小さなキズが、肉芽発生のきっかけになります。そこに爪の刺激がつづいたり、手当が悪くてキズの治癒が邪魔されたりすると肉芽が盛り上がってきます。歩くたびに爪が刺さる痛みがあり、いつまでも汁や出血がつづくなど、たいへん不快なものです。

あまりに痛みがひどくなると、まともに歩けなかったり、靴が履けなくなったりすることもあります。

4.簡易手術と手術以外の肉芽治療との比較

肉芽があって医療機関を受診した場合、先ほど説明した手術より、むしろ以下のような治療を提案されることが多いと思います。

◎内服薬、外用薬
◎テーピング
◎液体窒素による冷凍凝固
◎ガター法
◎人工爪

内服薬・外用薬やテーピングは、軽症例を除いて単独で肉芽を治療することは困難です。

冷凍凝固は痛みが強く効果が不安定で、繰り返し施術が必要なことが多いです。

ガタ―法(左)・人工爪(右)

ガター法や人工爪は、手術同様に麻酔が必要なわりに信頼性に欠け、効果も限定的です。

いずれの方法においても、たとえ肉芽が治ったとしても治癒まで数週間もの間痛みが続きます。そうなると治療で治ったのか、自然治癒力で治ったのかもわかりません。

これら手術以外の治療は、爪には触れずに肉芽自体をなんとかしようとしているのですが、肉芽の原因になっている爪の刺激がなくならないのでなかなか改善しないのです。肉芽治療の大原則はキズへの刺激を取り除くことと、治癒環境を整えることです。

そのために簡易手術をして術後正しく処置をすれば、肉芽は10日程で自然に縮んでなくなります。速効性・確実性から肉芽治療においては、簡易手術に圧倒的なアドバンテージがあると考えています。

5.簡易手術が向いている患者さんとは

先ほどから繰り返している速効性・確実性ですが、なぜそんなに大事なのでしょう?

それは、肉芽のある患者さんのなかには、何ヶ月も自分で、あるいは他の病院で治療をしていながら一向に良くならず、大切なイベント直前になって『神楽坂肌と爪のクリニック』に飛び込んでこられた方が非常に多いからです。以下は、私が実際に経験した患者さんの例です。

[CASE.01]翌日にディズニーランドを子供連れで、一日中歩き回るというお母さん

[CASE.02]翌日から修学旅行で沖縄へ出発するという高校生

[CASE.03]明後日に海外出張が迫っているというビジネスマン

[CASE.04]3日後の運動会のリレーで、アンカーを走るという中学生

[CASE.05]翌週に自身の結婚式でハイヒールを履くという女医さん

など。

このような患者さんでは、速やか、かつ確実に治療して差し上げないと、大切な予定を台なしにしてしまうかもしれません。治療する側の責任も、たいへん重いものです。今回の記事をご覧いただいている方なかに医師の方がいたら、ぜひ考えてみてください……。このような患者さんのために、我々医師はなにができるでしょうか。先生だったら、どうしますか?

私がこれらすべての患者さんにおこなったのは、簡易手術でした。そして幸いにも、全員が無事に痛みもなく大切な予定を終えることができました。もちろん、大切な予定がなかったとしても辛い肉芽というのは一日でも早く治したいものです。

悩んでいる方は、あまり我慢せずに早めに医療機関で相談して下さい。すでに治療中で経過が芳しくないという方は、他の医療機関でも相談されることをおすすめします。1ヶ月通って肉芽が良くならなければ、そのまま続けてもあまり期待できないと思います。

6.簡易手術の実際を解説

※実際の手術の様子は、動画の7:25からご覧ください。

まず局所麻酔の注射をします。
指先に直接針を刺したりすると激痛なので、我々は『ウイングブロック』という方法をおこなっています。この方法は、爪の付け根と関節の中間地点あたりの感覚が鈍い部分から針を刺します。針先を足の裏に向けて、指の裏側を走っている指神経と血管の束周辺、そこから爪側に伸びている細い神経の枝の周囲に麻酔薬を注入していきます。熟練した医師がおこなえば爪の半分が完全に無痛となりますので、その後の施術で痛みを感じることは全くありません。

次に爪が皮膚に食い込んだ部分を5~8ミリの幅で皮膚から剥がします。

この時に使う器具がとても重要で、私たちは刃が薄く、刃先剛性の高い特殊なハサミを使っています。見た感じは痛そうに見えますが、先ほども書いたように施術中の痛みはゼロ、軽い圧迫感を感じるだけです。次にハサミを使って、剥がした部分で爪に切れ目を入れます。この時に、爪の下にある爪床・爪母と呼ばれるところを傷つけないことがとても大切です。傷つけてしまうと術後の出血が多くなったり、将来的に爪に亀裂が生じる原因となったりするからです。

最後に、切れ目を入れた爪を先の細い道具で掴んで指の中心に向かって捻り、そっと引き抜きます。間違ってもまっすぐ強引に引き抜いてはいけません。抜き方が悪いと爪周辺の組織を損傷し、術後の出血と痛みが激しくなります。手術は一分もかからず終わり、この後5分ほどキズを抑えて止血します。

抜いた爪を見ると、表面から見えていたよりもかなり深く刺さっていたことがわかります。

7.簡易手術後の経過

手術後2時間程度は麻酔が効いた状態なので、歩いても痛みはまったく感じませんが、出血することがあるので寄り道せずにまっすぐご帰宅していただき、

当日は自宅で安静していただきます。

当日からシャワーを浴びることができ、患部を洗い流すこともできます。清潔なタオルで水分を取ったら、軟膏をつけたバンドエイドでそっと保護します。

翌日から痛みをほとんど感じることなく普通に歩くことができます。手術の前のように、歩くたびに爪が肉芽をチクチク刺激することがなくなるからです。

一週間後に再度診察していただき、痛みがなくなっていることを確認します。

当院では簡易手術を年間180件ほどおこなっていますが、一週間後の時点で痛みが取れていないケースはゼロであり、過去数千例で直後に手術をやり直した経験はありません。

この確実性と即効性は、医師にとっても患者さんにとってもたいへん大きな魅力です。実際に一度、簡易手術を受けた患者さんが再発時に再度施術を希望されるケースは非常に多いです。

8.まとめ

巻き爪シリーズ第3回の今回は『簡易手術』について説明させていただきました。

簡易手術のメリットがご理解いただけたかと思います。次回は、一度受ければ再発することのない『根治手術』について詳しくお話しさせていただきますので、どうぞご期待ください。

尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

ご相談、お待ちしています。

お電話でのご予約・お問い合わせ

電話なら当日予約可能。突然の痛みや手術希望にも可能な限り対応いたします。

5日以内で来院希望の方は電話でお申し込み下さい。

03-3513-8212

【平 日】10:00~13:00/14:00~19:00 【土曜日】9:30~12:30/13:30~18:30

ご予約・お問い合わせ

【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

【専門医のまとめ第2回】巻き爪やさしく解説:治療総合編【病院選びと治療法】

  • 2024.04.26

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

さて、前回は巻き爪シリーズの第1回として「巻き爪とは何か?」について説明しました。

そこで、第2回では『治療総合編』として病院の選び方と巻き爪治療の全体像についてお話しさせていただきます。ぜひ最後までご覧いただき、共感いただけましたらご家族やお友達との会話に話題として取り上げていただき、また共有していただければ嬉しく思います。

【目次】

1.巻き爪はどの科を受診すれば良いか?

2.巻き爪治療の矛盾

3.巻き爪治療を受ける病院の選び方

4.病院選びの注意点

5.巻き爪の治療法にはどのような方法があるか?

6.補助的治療法の種類

7.積極的治療法の種類

8.まとめ


1.巻き爪はどの科を受診すれば良いか?

さて、皆さんは巻き爪で病院に相談するとしたら何科を受診しますか?

皮膚科でしょうか?整形外科?あるいは形成外科?

皮膚科でしょうか?整形外科?あるいは形成外科?

はい、どれも正解です。

■皮膚科:皮膚・毛・爪病変を扱う科
■整形外科:指先の再建を扱う科
■形成外科:皮膚・毛・爪の手術、指先の再建を扱う科

爪の病気は、皮膚科医が治療にあたるのが一般的です。
なぜなら、爪は毛とおなじで皮膚の角質が変化したもの、つまり皮膚の一部だからです。また、指先の怪我というのは整形外科医や一般外科医で治療しますので、巻き爪治療も行うことがあります。
そして医師数としては少ないのですが、私のような形成外科医も巻き爪の治療をします。

大勢の医者

このように巻き爪はいろいろな科で治療をしてもらうことができます。

「ということは、巻き爪は治療環境に恵まれた治しやすい病気なのでは?」

いえ、治療環境に恵まれているどころか、なかなか良くならずに困っている方が沢山いらっしゃるのが巻き爪なのです。

YouTubeやブログなど、ネット上には巻き爪治療に関する情報が溢れかえっていることが、その証と言えるでしょう。この記事をご覧の方もそうしたお一人かもしれません。

2.巻き爪治療の矛盾

ではなぜ、このような矛盾が起きるのでしょう?

大空を飛ぶ鳥

その最大の理由は「爪医療」が医学の世界では非常にマイナーな分野であるということです。そのため巻き爪には標準治療というものが存在せず、私のような専門とする医師もほとんどいません。各医師がそれぞれの考えと経験で治療にあたり、その熱意の温度差も大きいのが現状です。

また、巻き爪治療で良い結果をだすためには

医師スキル

解剖学的知識や診断能力など爪自体への深い理解だけでなく、創傷治療の知識や麻酔・手術といった外科的スキルが欠かせません。これらをすべてカバーする医師はあまり多くないため、治療レベルに差がでてしまします。

もうひとつの理由として、指先は痛みを強く感じるので

不安な女性

治療への恐怖から“患者さんが病院受診を敬遠しがち”ということもあります。過去に適切な痛み対策をされずに処置を受け、それでも改善しなかったというような辛い経験がトラウマになっているケースも多く、受診の遅れが症状の悪化、慢性化に繋がっているのです。

このように巻き爪は安定的に良い治療結果をだすのが意外と難しい病気なのです。では、どうすればいいのか。そこで大切になるのが『病院選び』ということになります。

3.巻き爪治療を受ける病院の選び方

最短で最善の結果に到達するには、いきなり手近の病院を受診するのではなく、事前にしっかりと情報収集をして病院を選ぶことがなにより大切です。ほとんどの医療機関がホームページで診療情報を公開していますので、

グーグル検索

「地域名+巻き爪+治療」といったキーワードでネット検索して候補を5つくらいに絞ります。候補が見つからない場合は地域をお住まいの都道府県全域などに拡大して再度検索しましょう。

次にホームページの内容をチェックして、

ホームページ
https://www.hadatotsume.com/wire/ より

巻き爪の治療内容や症例写真を積極的に公開している病院を有力候補にすると良いでしょう。その情報量は医師の巻き爪への取り組みかたと直結しているからです。ここから先は実際に受診してみないと分かりません。まずは一番の有力候補の病院で相談してみましょう。

自信のある医師

巻き爪治療に熱意を持っている医師であれば、辛い痛みに真剣に向き合ってくれるはずです。もし、そこで提案された治療が「希望とは違うな」と感じたら他の医師の説明も聞いてみましょう。

医師への遠慮は無用です。

自信を持って治療に取り組む医師であれば、他と比較されることをむしろ歓迎するはずですからね。治療中でも、経過が思わしくないと感じたら早めに他の医師へ相談しましょう。それが、治癒への早道であることも多いからです。-

4.病院選びの注意点

病院選びの基準についてはお分かりいただけたと思いますが、ひとつ気をつけていただきたいことがあります。ネットで「巻き爪を治療してくれる医療機関」を検索しているつもりでも、検索上位に接骨院・治療院やフットケアサロンなどが表示されることがあるということ。

ニセ医者

これらは医療機関ではないのにも関わらず、店名が○○院とか○○クリニックであるとか、医師のような白衣を着た「院長」「ドクター」が登場するので、たいへん紛らわしいです。

医療機関のホームページには院長の経歴が載っていますので医学部卒業した医師であることを念のため確認して下さい。
医療機関では患者さんの体験談を掲載することは禁止とされています。(医療法における病院等の広告規制)
そのため、もし体験談が掲載されている場合は治療院やお店であると判断できます。あとは、ネットクチコミ。不自然なくらい5つ☆ばかりなのも特徴なので注意が必要です。

5.巻き爪の治療法にはどのような方法があるか?

医療機関では軟膏から手術まで幅広い治療が行われています。

これらを整理すると大きく『補助的治療法』と『積極的治療法』に別けることが出来ます。

■補助的治療法とは

爪周辺の皮膚や皮下組織に直接的、間接的に働きかけることにより局所の安静を図り、痛みを軽減する方法です。薬、テーピング、肉芽焼灼など多数の方法があり、一部を除けば患者さん自身でおこなうことができます。あくまでも補助的に用いられる方法ですが、軽症例であればこれだけで改善することもあります。

■積極的治療法とは

爪そのものに働きかけることにより炎症をコントロールして痛みを取り除く方法です。具体的には手術法と矯正法があり、一部を除き医師が行います。補助的治療では十分な効果が期待できない場合に選択される、より確実性の高い方法です。

※これらを複数組み合わせておこなうこともあります。

6.補助的治療法の種類

■自宅でおこなうもの(自分でできること)

・安静:靴やストッキングによる圧迫を避ける、散歩や運動を控える
・清潔:石鹸と湯で日に1-2回洗う
・テーピング:食い込んだ皮膚を引っ張って爪の刺激を和らげる
・コットンパッキング:コットンを詰めて隙間を作り爪の刺激を和らげる
・薬:化膿や炎症をコントロールして腫れを抑える

先ほど説明したように、補助的治療法とは爪周辺組織に働きかける方法です。そのなかで主に自宅でおこなうものとして、安静、清潔、テーピング、コットンパッキング、内服薬服用、外用薬塗布などがあります。具体的なやり方については過去の記事・動画「爪の専門医が教える、陥入爪のホームケア7選!」で詳しく取り上げていますのでぜひご覧下さい。

■医師がおこなうもの

・肉芽焼灼:-200度の液体窒素で肉芽を繰り返し凍らせて小さくする

液体窒素

・ガター法:爪の側縁をカバーで覆って皮膚への刺激を和らげる

ガタ―法
他院の施術例

・人工爪:深爪を樹脂製で延長しての爪を皮膚への刺激を和らげる

人工爪
他院の施術例

補助的治療法には医師が行うものがあり、肉芽焼灼、ガター法、人工爪があります。炎症が高度で肉芽という赤い肉の塊が生じているような重症例に行わることがあります。

<肉芽焼灼>

マイナス200度の液体窒素を染みこませたコットンを肉芽に押し当てる治療です。冷凍凝固により肉芽表面が壊死するので、これを繰り返して肉芽を小さくしていきます。設備やスキルを必要とせず広く普及していますが、施術の痛みや結果の不安定さが欠点です。

<ガター法>

爪の縁に樹脂のカバーを縫い付けることで皮膚への食い込みをやわらげる方法です。補助的治療法に分類しましたが麻酔が必要なので手術に準じた方法といえます。

<人工爪>

深爪を樹脂で延長することで皮膚への刺激を和らげる方法です。
条件の悪い部位でうまく硬化させるのは難しく、またHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)という刺激性の強い薬剤を傷口に使うことには安全性に疑問が残るなど問題もあります。

なお神楽坂肌と爪のクリニックでは、これらの3つの治療は行っていません。

これは私個人の考えですが、これらは施術の痛みが強く時間もかかるわりには効果が不安定かつ限定的であり、即効性と確実性において手術のほうが優れているからです。

7.積極的治療法の種類

積極的治療法は爪自体に働きかけて皮膚への刺激を和らげる方法で、手術法と矯正法があり、手術法には根治的手術と簡易手術、矯正法にはワイヤー矯正やクリップ矯正等があります。

<手術法>

爪の一部を切り取り、矯正法は器具を使って爪のカーブを整える方法です。

根治手術前
根治手術前
根治手術後
根治手術後

手術法は古くからおこなわれており、健康保険が使えるため現在でも主力の治療として全国の医療機関で受けることができます。

<矯正法>

ワイヤー矯正前
ワイヤー矯正前
ワイヤー矯正後
ワイヤー矯正後
クリップ矯正
クリップ矯正

爪の一部を切り取り、矯正法は器具を使って爪のカーブを整える方法です。

矯正法は25年ほど前に登場した比較的新しい方法。健康保険が使えないため、都市部を中心とした一部医療機関でおこなわれています。普及はこれからで、お住まいの地域によっては近くで見つけられないかもしれません。ただ通院は1~2ヶ月に一度なので、私達の神楽坂肌と爪のクリニックには新幹線や飛行機で通院されている患者さんもいらっしゃいます。

あとこれはよくある誤解ですが、重症だから手術、軽症だから矯正と言うことではありません。重症でも矯正が向いているケースもありますし、軽症でも患者さんの希望があれば手術を選択することもあるからです。

8.まとめ

巻き爪シリーズ第2回では、治療全体についてザックリとお話しさせていただきました。

ご紹介した治療法はすべての医療機関で行われている訳ではありませんが、可能であれば複数の治療法から選択できるような体制を整えている病院で相談されることをお勧めします。

次回からは『各治療法』について更に詳しく説明していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回もお楽しみに!

尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

ご相談、お待ちしています。

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電話なら当日予約可能。突然の痛みや手術希望にも可能な限り対応いたします。

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【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

【専門医のまとめ第1回】巻き爪やさしく解説:基礎編【原因と種類、似ている病気】

  • 2024.04.04

先生こと『神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

さて本日は、当院で一番ご相談の多い『巻き爪』についてお話しします。

巻き爪に関してはお話ししたいことが非常にたくさんあり、
とても一回では伝えきれません。
そこで数回に分けてシリーズでやっていきたいと思います。

第一弾となる今回は
「巻き爪とはどんな病気か?」
というテーマでお話しします。

現在、巻き爪で悩まれている方に、まずはご自身の巻き爪がどういうものなのかを知っていただきたい。ぜひ最後までご覧いただき、共感いただけましたらご家族やお友達との会話に話題として取り上げていただき、また共有していただければ嬉しく思います。

【目次】

1.巻き爪・陥入爪とは

2.巻き爪の原因

3.巻き爪の種類

4.巻き爪に間違われやすい病気

5.まとめ


1.巻き爪・陥入爪とは

巻き爪とは

“爪が食い込んで痛みがでる病気”

であることは皆さんご存じかと思います。これとは別に『陥入爪』という呼び方を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
爪が食い込んで痛い状態を指す病名が二つある。これが混乱の元となっていますので、まずは『巻き爪』と『陥入爪』の違いを説明します。

実は二つは定義の異なる別の病名なのです。

実は一部を院長が執筆

世界的に有名な形成外科医で私の恩師でもある鬼塚卓彌博士が書かれた「形成外科手術書」という国内でもっとも権威のある専門書で調べてみると、

「陥入爪は爪が彎曲(わんきょく)して皮膚にめり込んだもの」

と定義されています。英語病名のingrown nailを鬼塚先生自身が日本語訳されたものです。
一方で巻き爪は別の病気として陥入爪とは違うページで紹介されており

「巻き爪とは陥入爪の中で爪の端が垂直を超えて巻いたもの」

と書かれています。

いかがですか?なんだかほとんど同じようにも思えますよね。同業医師のなかにはこの二つの病気は厳密に区別しなくてはならないと主張される先生もいらっしゃいますが、実際に患者さんを診察してみると、陥入爪の患者さんの多くで爪が巻いています。つまり巻き爪であることが多いのです。また、巻き爪の患者さんの多くで爪がめり込んでいます。つまり陥入爪の状態でもあるのです。

ということは二つの言葉は概ね同じ病像を指していると言えるのです。さらには陥入爪と巻き爪の治療法は、ほとんどが重複しています。こうしたことから私は、皆さんにも馴染みのある「巻き爪」という病名で統一した方が良いと考えています。実際に患者さんへの説明は、巻き爪という言葉を使うようにしています。

実はこの件、私自身の著書の中で陥入爪の名付け親である鬼塚先生から
「巻き爪で統一して良い」というお墨付きをいただいております。
今後、私のブログでは巻き爪で統一したいと思います。
ひとつ問題なのは、健康保険の診療報酬点数表にはいまだに「巻き爪」という用語がなく「陥入爪」という病名だけが使われていること。そのため私の説明の中に一部に陥入爪と言う言葉が入ってしまうことがありますが、巻き爪と同じ意味だとご理解ください。

2.巻き爪の原因

毎日多くの巻き爪患者さんを診察していますと「巻き爪になった原因が知りたい」というご質問をよくいただきます。靴の圧迫が原因になりやすいことはご存じかと思いますが、なかには思い当たる節がないという方もいらっしゃいます。そう、巻き爪は圧迫以外にもさまざまな原因で生じる可能性があるのです。いくつかグループに分けて説明したいと思います。

こちらの動画も、ご参考ください。

【圧迫のグループ】

■履物による圧迫:パンプス、タイツ、ストッキング、五本指靴下、足袋

■隣接組織による圧迫:大きすぎる靴で足が横ブレ、脇の肉(側爪郭)の盛り上がりが

大きい、外反母趾で隣の指がのしかかる、太鼓バチ指、爪周辺の腫瘍

はじめに圧迫のグループ。履物による圧迫はもっとも多い原因ですが、パンプスだけではなくストッキングやタイツも多いです。意外かもしれませんが逆に大きすぎる靴にもリスクがあります。靴の中で足が横ブレし、爪の横の肉によって繰り返し圧迫されるので要注意です。やはり、足にフィットした靴選びを心掛けることが何よりの予防策となるでしょう。

【関節や加重の問題のあるグループ

■関節の異常:外反母趾、関節リウマチ、先天性内反足、下肢麻痺

■荷重の異常:外反母趾で母趾が垂直に着地できず加重が偏る、浮き指、寝たきり

関節や荷重の問題のあるグループ。アライメント異常(アライメントとは骨・関節の配列のこと)とも言います。特に外反母趾で母趾が垂直に加重できなくなっている方は多いです。

≪先天的に巻き爪リスクの高いグループ≫

■爪や指の形:幅広い爪、末節骨が短い又は長い、中足骨が短い、クロウトゥ

先天的に巻き爪リスクの高いグループ。中でも爪の横幅が広いというケースは多いです。

≪その他のグループ≫

■爪甲剥離:外傷、爪白癬、抗がん剤

■その他:深爪や爪むしり、血管病変(慢性動脈硬化症、糖尿病性末梢血流障害)

■不明

他にこのようなことも原因になります。爪甲剥離といって爪が肉から浮き上がること、深爪や爪をむしる癖、慢性的な血管の病気でも生じることもあります。また、二つ以上の原因が同時に巻き爪を起こしていることもありますし、原因がはっきり分からない方もいらっしゃいます。このように巻き爪というのは、爪以外のさまざまなことが原因になっていることが多く、それこそが巻き爪が再発しやすい理由にもなっています。

3.巻き爪の種類

では、巻き爪にはどのような種類があるのでしょうか。巻き爪の分類法はさまざまあるのですが、私たちは指先の方向から見たときの爪の形によって主に3つの種類に分けています。それがC型、ステイプル型、I型です。ぜひ、ご自身の爪と見比べながらご覧ください。

■C型について

C型はアルファベットのCの形で、一番多いタイプです。とくに20代~40代の女性に多く、ハイヒールやストッキングの圧迫が原因になりやすいのが特徴です。治療法としてはワイヤー矯正が向くケースが多いです。

■ステイプル型について

2番目に多いタイプがステイプル型。見た目はカタカナの「コの字型」で中央部分に変形がありません。変形が内側か外側どちらかだけのハーフステイプル型もあります。こちらは比較的男性に多く見られます。治療法はワイヤー矯正・手術のどちらにも向いています。

■I型について

I型はアルファベットのIの形で変形がほとんどないのが特徴。もともと爪の幅の広い人に見られ、爪の刺激による肉芽や出血といった激しい症状であることが多いです。また、私たちのクリニックへ来る前にさまざまな治療を試したけれどダメだった、という方が多く、難治性・治療抵抗性も特徴のひとつとなっています。そのため治療としては手術が向いています。私の経験上、足の多汗のある患者さんが多いです。

■その他

そのほかの特殊な形としては、トランペットといってC型から変形が進んで1周巻いたり、さらに巻いて「のの字」になった形、デルタ型といって指先から見た時にアルファベットの逆V字の形、折り返し型といってステイプル型から変形が進んで折りたたまれたようになった形もあります。治療法は、トランペット型とデルタ型はワイヤー矯正、折り返し型は手術が向いていることが多いです。

4.巻き爪に間違われやすい病気

巻き爪は足の指先が痛いのが特徴ですが、ほかの病気でも似た症状になることがあります。当院には「ほかの医療機関で治療を受けているが、まったく良くならない」という方もたくさん受診されます。なかにはそもそも巻き爪ではなく、まったく別の病気が見つかる方もいらっしゃいます。巻き爪に間違われやすい病気とはなにか?次のようなものがあります。

■爪白癬(つめはくせん)

爪が白癬菌に感染して厚くなり、その厚みで痛みがでることがあります。巻き爪に合併することも良くあります。

■爪の生え替わりに伴う痛み

怪我で爪の下に広範囲の内出血を起こすと、爪が剥がれて新しい爪が伸びてきます。新しい爪が先端到達するまでには1年ほどかかりますが、その爪が先端に届くあたりで痛みがでることがあります。巻き爪と違って繰り返さないのが特徴です。

■グロームス腫瘍

爪の下にできるおできで強い痛みがでることがあります。手指に多いのですが、足の親指にでたことで巻き爪と間違って治療されているケースがあります。爪の中央、半月近くを押すと痛くなることが多いです。

■爪下外骨腫(そうかがいこつしゅ)

爪の下の末節骨から骨が伸びて爪を押し上げる病気です。痛みがでたり、肉芽が出来たりして巻き爪と区別が難しいことも。爪を上から押すと爪の裏に痛みを感じるが多いです。

■後爪郭爪刺し(こうそうかくぶつめさし)

靴の圧迫で血液循環が悪くなることで爪の成長が遅くなり、爪の付け根、後爪郭というところに痛みがでます。爪が痛いので巻き爪として治療を受けているケースがあります。

■爪甲鉤弯症(そうこうこうわんしょう)

怪我や慢性的な圧迫の後で爪の伸びが遅くなり厚くなります。痛みはないことがほとんどですが、たまに親指の爪、付け根の小指側が靴で押されて痛くなることがあります。治療が極めて難しく、確立された治療法がまだ見つかっていないのが現状です。

■ひょう疽(ひょうそ)

爪の周辺にバイ菌が入って化膿した状態のこと。爪が食い込んで痛むわけではないのですが、症状が紛らわしいことがあります。

このような病気を診断するのは、専門的な医師でなければと難しいことがあります。皆さんは「巻き爪」と思っていても、そうではない病気の可能性があることを知っておいて欲しいと思います。

5.まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。巻き爪シリーズ第一回。いかがだったでしょうか?次回以降は「巻き爪の治療について」詳しく説明していきたいと思います。ちょっとした空き時間などで、ブログをチェックしていただけると幸いです。次回のブログも、乞うご期待を!

尚、神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の方は、当院ホームページの問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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テレビ朝日『中居正広の土曜な会』出演♪

  • 2024.02.01

先日テレビ朝日の『中居正広の土曜な会』という番組に出演依頼をいただき、スタジオに行ってきました。テーマは 【爪トラブル】乾燥する冬にトラブル増加 爪の悩みを解消 とのことで、爪の切り方などについてお話しさせていただきました! 

 我々の病院で一番多い爪の悩みは巻き爪、陥入爪なのですが、深爪など間違った爪切りをしてしまうと、より症状が悪化することがあるので、受診される患者さんにも日々お伝えしています。

 スタジオに行くのは初めてだったのでとっても緊張しました💦が、スタッフの皆さんが丁寧に流れを説明したり一緒に練習したりしてくださって、また本番直前、中居さんが入られると魔法のトークで緊張も和らぎ、気がついたら収録が終了していました。普段テレビで見る方々が目の前にいて、突然皆さんとご一緒に爪の先までハンドクリームで保湿をすることになるとは思いませんでした😆

最後はとても楽しく終えることができました!ありがとうございました。

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教えて肌爪先生!自宅でできる陥入爪セルフケア7選

  • 2023.05.29

こんにちは。肌爪先生こと神楽坂肌と爪のクリニック院長の野田です。陥入爪の痛み、ジクジクに悩みながらも「病院にいく時間がない」「痛くされるのが恐い」という方も少なくないと思います。「セルフケアでしのげないか?」「病院に行くのを先延ばしたい」その気持ちよくわかります。

セルフで手当するにしてもどうすれば良いでしょう?俗説や民間療法、間違ったネット情報で処置をしてしまい、結果何年も長引いたり、病院受診の時に重症化していたりすることも珍しくありません。我々医師としては、受診が遅れてしまったのは仕方ないにしても、せめて正しいセルフケアをされていたなら外科処置は避けられたのに・・・そう思うこともしばしばです。そこで今回は「自宅でできる陥入爪セルフケア7選」と題して正しいケアについて深掘りしてみます。

※今回のブログの内容は、こちらの動画もあわせてご覧ください。

【目次】

セルフケアで一番大切なこと?

<安静にする/清潔にする>

<塗り薬/飲み薬>

<テーピング/コットンパッキング/市販矯正器具>

騙しだまし痛みを隠し続けるか。積極的に痛みを取り除くか。

セルフケアで一番大切なこと

ところで、皆さんは『wound healing(ウーンドヒーリング)』という言葉をご存じでしょうか。これは、医学用語で創傷治癒、つまり傷の治りのことで、傷を正しく管理することで治癒を早めようという考え方です。

傷の手当について
「傷口は乾燥させた方が良い」
「傷は濡らしてはいけない」
「毎日、消毒しない化膿する」
と思い込んでいませんか?以前は医師でもそう考えるのが普通でした。しかし、専門医の間では「むしろそんなことはしてはいけない」という風に傷に対する考え方も大きく変わってきています。医師による治療はもちろん、皆さんのセルフケアにおいても「ウーンドヒーリング」の考えに基づいた正しい傷の管理が大切。それによりもともと持っている自然治癒能力を最大限引き出すことができ、速く傷を治したり重症化を防ぐことができるのです。うまく管理でできれば病院には行かずに済むこともあるかも知れません。

<安静にする/清潔にする>

安静にする

ここでは身体の安静だけではなく“傷の安静”も含みます。足をむくませないためにお散歩やお買い物などでの歩き過ぎを控える、長時間立った姿勢を避ける、ストッキングやハイヒールによる圧迫をしないなどです。配達や立ち仕事や通勤でパンプスを履く方などから「数日仕事を休むと傷の状態がよくなる」という話をよく伺います。ウーンドヒーリングのためにむくませないこと、圧迫しないことが大切。とくに足の負担の大きい仕事をされている方や靴の圧迫に心当たりのある方は安静の実践により状態は確実に改善するはずです。

清潔にする

「清潔にする」と聞いて何をイメージしますか?毎日しっかり消毒する?傷は濡らさない?実はどちらも間違い。良く聞く「濡らさないようにビニール袋に包んで入浴し、その後しっかり消毒する」というありがちな方法は実はNGなのです。

「風呂に入れると湯のバイ菌が傷は入るから不潔」と思っている人が多いですが、菌の数から言えば実は風呂の湯より化膿した傷の方がずっとずっと汚いのです。また驚く方も多いと思いますが消毒液は細胞毒でもあり傷の治癒を遅らせるので消毒はむしろしてはいけないことです

ではどうすれば清潔になるのか?簡単です。毎日傷の汚れ(浸出液やこびり付いた軟膏など)を泡立てた石鹸とたっぷりのぬるま湯で洗い流せばいいのです。傷を石鹸の泡で包み3分待ったらよくすすぎます。シャワーを傷に直接ではなく膝のあたりにあて、湯を指先まで湯を流します。その後は風呂の湯に浸けてもいいし、抵抗があるのなら足浴もおすすめ。

洗う湯の中に消毒液を入れる・塩を入れると書いてある本もありますが、難しく考える必要は一切ありません。お風呂の蛇口やシャワーから出てくる“ぬるま湯”で十分。石鹸も薬用ではなく家にある普通のやつやフォームタイプのボディソープで大丈夫。より良くなどとは考えず、まずは家にあるもので今晩からさっそく実践して下さい。

<塗り薬/飲み薬>

塗り薬

傷の塗り薬はたいてい抗生物質配合のワセリン軟膏が使われます。「軟膏が合ってなくて治りが悪い」とお考えの方も多いですが、軟膏だけ変えたからといってそれまで治らなかった傷が治るということは決してないと考えていただいて結構です。塗り薬はあくまで補助的な治療であって傷の治癒を決定づけるものではないからです。

また傷を「乾かす」というのは実は逆効果だってご存じでした?傷の修復に必要な細胞の移動を妨げるからです。速く治すには湿潤環境、つまり適度に湿った状態に保つことが理想。そのために大切なのは抗生物質の種類ではなく基剤であるワセリンなのです。抗生物質はあくまで脇役。いろいろ考えず以前に病院で処方された、あるいは近所の薬局で普通に売っている「●●マイシン」と書いてあるワセリン基剤軟膏を使えばOKです。

付け薬といえば消毒液が傷にとって大切だと思っている人が多いです。
よく「アルコールがいいんですか?」「オキシドールがいいんですか?」と聞かれますが、
実はぜんぶダメ。傷を速く治したいなら消毒液はやめましょう。
先ほども書いたように消毒液は細胞毒でもあり、傷を治そうとする細胞の邪魔してしまいます。また刺激が強いため傷に塗れば拷問のような激痛です。さらに消毒液は長期間使うことでかぶれを起こしやすいという問題もあります。「何年ものあいだ毎日消毒を欠かさないのに傷が治らない」とおっしゃる患者さんではカブレにより皮膚がひどく赤剥けしている方がほとんどで、洗っていないため不潔で酷い臭いが漂っていることもしばしば。カブレにより状況がさらに複雑化し、こじらせた状態になているので経験を積んだ医師でなければ問題を正確に把握出来ません。患者さんは傷に良いはずの消毒液が問題を起こしているとは想像もできず、バイ菌によって化膿しているためと信じきっています。そこでますます熱心に消毒することになり、自身でこの状況から抜け出すのが困難になっているのです。

消毒液の触れる範囲に赤み、腫れ、皮むけ、痒みなどカブレの症状が見られる。親指に接した隣の指も同じ症状。

傷を速く治すためにはとにかくぬるま湯と石鹸が一番。ウーンドヒーリングの考えでは清潔を保つためには殺菌をするのではなく菌を物理的に洗い流すのが正しい。それ以上に傷をキレイにする方法はないからです。

傷の外用治療で重要なのは、消毒はしない。軟膏はその辺の薬局で買えるものでOK。このふたつを頭にいれておきましょう。

飲み薬

陥入爪の内服療法で大切なのは、抗生物質よりも消炎鎮痛剤です。有名な『ロキソニン』(ロキソプロフェン)は当院でもよく処方しますし薬局でも買えます。局所の赤み、腫れ、痛みを抑える強力な抗炎症作用があります。よく「ロキソニンは痛み止めですよね?我慢できれば飲まなくて大丈夫ですよね?」と言われますが、これは半分間違い。なぜなら、傷に対して消炎鎮痛剤を使う目的は痛み止めだけでなく、むくみや腫れを抑えること。傷の安静に繋がり、結果として治療を早めることができます。これもウーンドヒーリングの考え方に一致します。飲み薬は抗生物質より消炎鎮痛剤が主役ということを覚えておきましょう。

※(注)ただし市販薬を使用される際は、用法・容量を守って正しくお使いください。

ここまでご紹介した①~④を試しても改善しなければ早めに医療機関を受診しましょう。

それでも何かしら試してみしたい場合は、ちょっと難しいかもしれませんが最後の手段として以下をご紹介します。

<テーピング/コットンパッキング/市販矯正器具>

テーピング

爪の脇の皮膚を伸縮性テープで引っ張りって爪の刺激を和らげる方法です。いくつか方法がありますが当院でお勧めしているのはアンカーテーピング法です。軟膏や汗が付いているとすぐ剥がれるので貼る前に消毒用エタノールで皮膚(傷の無いところ)を拭きます。25mm幅のテーピングテープを用意し、コレを10mmと10cmの長さに切ります。

10mmのテープを爪の脇の皮膚に貼り、指で軽く押さえて体温で馴染ませます。

次に10cmテープの端を最初のテープに重ねて貼り、同様に馴染ませます。長いテープを軽く引っ張りながら指の付け根に向かってらせん状に巻き上げるように貼ります。

このケースは巻き爪ではなく、怪我のあとの爪の生え替わりに伴う陥入爪。

テープを貼るだけでは効果は無く、軽く引っ張って貼るのがポイント。テープが伸縮する時に皮膚が引っ張られて爪と皮膚の間にわずかな隙間ができます。この隙間が傷の安静に役立ち痛みを和らげ傷の治りを速めます。

テーピングは歩いていると剥がれてくるので日中何度か張り替えが必要です。テーピングと軟膏は同時併用が難しいので日中はテーピング、夜は軟膏と使い分けるのがオススメです。

コットンパッキング

爪と皮膚の間に柔らかい綿を詰めることで爪の刺激を和らげる方法です。お手持ちの化粧用コットンをふたつに割り、フワフワなところをピンセットで引き出すと柔らかい繊維が取り出せます。それを爪と皮膚とが当たっているところ、その隙間に繊維をピンセットで優しく少しづつ入れていきます。徐々に隙間が大きくなり爪と皮膚の間の距離を稼ぐことができます。直接、爪の刺激を緩和できるほか、浸出液が多い時はそれを外に引きだして傷の治りを速めるドレナージ効果もあります。

コットンが不潔になりやすいので最低でも1日1回は取り換えが必要。炎症の初期であればとても効果的ですが、慣れないと難しいかも知れません。炎症が酷くなるとコットンを詰めること自体が難しくなります。それが病院受診のタイミングとも言えるでしょう。

市販矯正器具

病院に行く前にダメ元でもいいから市販器具を試してみたいという患者さんのニーズは通販サイト上に巨大な市場を形成するほど切実です。患者さんの中には診察の際に様々な市販矯正器具をお持ちになり「こんなものを試したが全くだめだった」「効果が無く期待外れだった」と不満を漏らす方もたくさんいらっしゃいます。私自身も職業的興味からこの手の商品を多数買い集めて片っ端から試しましたが、ほとんどは全く効果が無いか不十分なものばかり。中には拷問器具のような爪を剥がす危険な商品もあります。巻き爪矯正はじっくり時間をかけて形を整えなければならないですが、器具の開発者に経験と理解が不足しているためです。

そんななかで唯一勧められるのはフットケア用品で有名なDr. Scholl(ドクター・ショール)の『巻き爪用クリップ』です。簡単に付けられるし効果も高いので実は当院でも採用しています。ただ、この商品にも一つ問題が。それは爪が薄く、変形の軽い人しかつけられないこと。「爪を選ぶ器具」ですが爪が薄く変形の軽い方は試す価値があると思います。

騙しだまし痛みを隠し続けるか。積極的に痛みを取り除くか。

ここまで自宅でできるセルフケアについてご紹介させていただきましたが、これらはあくまで補助的な治療に過ぎず、症状の改善や悪化を防ぐ役にたっても軽症のものを除いて解決にはなりません。特に肉芽ができているようなケースでは辛い時期が長引くだけで、結局は爪専門病院を受診した方が早いし楽だということになります。

それでも「嫌だな」「不安だな」と思っている方にこそ、当クリニックを受診していただきたいと思います。陥入爪で日々辛い思いをされている方が、痛みに耐えかねて受診を決意され、数多くの医療機関から当院を選んでいただいたからにはいかに速く確実に痛みを取り除いてあげられるか、そのスピード感と確実性こそが一番大切だと考えています。私たちが患者さまと辛さと向き合う際の基本スタンスでもあります。

実際に来院された方からは「こんなにすぐ痛みが取れるなら、もっと早く来ればよかった」という喜びの声もたくさんいただいています。受診したからと言って必ずしも医師の勧める治療を受ける義務はありません。治療を受けるかどうかを決めるのはあくまでも患者さんご自身です。NOというのに医師に気を遣う必要は全くありません。まずは診察を受け、状態を評価してもらい、治療法の説明をじっくり聞いて、できればいくつか質問をしていただいて、ご納得いただいたらその上で治療を依頼していただけたらと思います。長年陥入爪に悩む方、「そこまで言うなら相談だけでもしてみようかな」くらいの気軽な気持ちでまずは受診をご検討下さい。


【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
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本当は痛くない!巻き爪治療の真実を教えます。

  • 2023.03.31

こんにちは。
肌爪先生こと、神楽坂肌と爪のクリニック院長の野田です。
当院に来院される患者様の多くが
「巻き爪の治療って痛そう…」
治療の痛みが怖くて受診を迷っていた…

など、治療の痛みに対して強い不安感をお持ちで、これにより受診が先延ばしになって悪化してしまっているケースも多く見受けられます。
巻き爪は痛みを放っておけば悪化してしまうことが多いので、正しい知識をもつことがとても大切です。

巻き爪ワイヤー矯正治療を正しく理解していただくことで、少しでも受診の不安を取り除けたらと考え、今回のブログでは矯正治療の実際をテーマとして取り上げました。数分もあれば読める内容となっております。ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです。

【目次】

そもそも巻き爪って、なにが原因でなってしまうの?

私たちは爪のスペシャリストとして、巻き爪で困っている人たちの一番の味方でありたい。

なぜ、ワイヤー矯正は「秒」で痛みがとれるの?

クリニックにはいつ相談に行けばいい?そして、どれくらいで治りますか?

そもそも巻き爪って、なにが原因でなってしまうの?

原因はたくさんありますが、当院にいらっしゃる患者様の約7割は、
パンプスやストッキングの圧迫によるもの。
パンプスはイメージできるとしてもストッキングは意外に思えるかもしれません。実は爪は伸び縮みする素材にとても弱く、持続的に圧迫されることで変形し巻いてきてしまうのです。ストッキングやフットカバー(パンプス用ソックス)などは足より小さく作られていて履く時にギュッと引っ張って履くことで足にフィットするわけですが、このようなタイプのものは、履いている間中ずっと元の形にもどろうとしてじわじわ爪をしめつけて逆矯正、つまり巻爪をつくっていることになるのです。実際ストッキングやフットカバーを穿く時だけ痛みを感じる方もいらっしゃるでしょう。これらは靴による直接的な圧迫よりむしろ大きな要因とも言えます。

私たちは爪のスペシャリストとして、
巻き爪で困っている人たちの一番の味方でありたい。

■予防する方法ってあるの?

自分に合った靴を履く、つま先にゆとりのある履物を選ぶなどがあります。あとはヒールの高さ。ヒールが高いと履いているうちにどんどん前のほうに詰まっていってしまい、指先がつま先の狭いスペースに押し込まれてしまうので想像以上の圧迫になってしまうのです。

経験上、履物が原因で巻爪になっているケースの多くは、履物を選ぶ女性の側の問題というより、職場において女性の靴はパンプスやストッキングがふさわしい、フォーマルであるといった社会の固定観念のほうが問題であると思っています。相談を受ける際には痛みを我慢しながら仕事をせざるを得ない女性の置かれた社会背景も理解しなくてはならないと考えています。

医師は患者様お一人お一人が抱える事情にできるかぎり寄り添い、経験と知識からベストな方法を提案し解決を目指すべきです。履物に関して言えば社会の固定観念は簡単には払拭出来ません。
しかし単にパンプスを禁止するのではなく、より取り組みやすい方法。例えば・・・

・通勤とオフォスで靴を履き変える
・ビジネス用と週末用を靴を履き分ける
・休足日をつくる
・季節によってはオープントゥを選ぶ
・インソールの滑り止めを使う


など、できることからやってみましょう。
私たち医師は常に患者さんの側に立つ味方でありたいと願っています。


■なぜ、あんなに痛いの?

指先というのは知覚神経が集中しており、非常に繊細な感覚を持っています。つまりそれは、怪我や圧迫などにより痛みを強く感じるということでもあります。また、巻き爪の多くは炎症(症状:赤み・痛み・腫れなど)を伴っています。炎症だけで痛いのに、それが感度の鋭い指先であったなら、なおさら痛いよね…ということです。この炎症がなくならないと痛みはとれないのですが、簡単では無いことも多くあります。

どうして治療をしても痛い…ということが起こるの?

巻き爪は皮膚科や整形外科・形成外科で治療が受けられます。
ただし、巻き爪への取り組み方は医師によって大きく異なります。受診先が巻き爪治療にを得意として積極的に取り組んでいる先生とは限らないのです。
「とりあえずこれつけといて…軟膏だけで終わった」
「爪がどんな状態か良く診てもくれなかった」

という話もよく聞きます。治療を受けても一向に痛みが取れない、時間がかかりすぎると感じた場合は別の医療機関の受診も検討すべきです。できればホームページなどで巻き爪治療について詳しく解説しているような、巻き爪治療に積極的なクリニックを選ぶと良いでしょう。

■巻き爪の治療は医療行為です。
あと、意外に知られていないのは、巻き爪の治療は医療行為ということ。

「病気を診断し治療する行為」を行うには医師の資格が必要です。つまり「巻き爪と診断し治療する」のは医療機関でしか許されていないのです。ネイルサロンやフットケアサロンで「巻き爪治療」「ドイツの資格があります」なんて広告をよく目にしませんか?医師は勤務していません。それなのに施術を行っている。医師法違反は重罪ですが、法的問題はおいておいたとしても、専門家ではない人がやる施術は場合によっては健康被害のリスクがあります。健康被害の訴えにより保健所の指導が入って突然閉店して治療が続けられなくなり困ってしまうこともあるかもしれません。

巻き爪治療を行うサロンがたくさんあるのはネイルサロンの乱立、競争の激化という背景もありますが、医療側が提供するサービスに満足していない方が沢山いらっしゃるため、そこニーズがあるからだと思います。これに関しては医療提供する側も大いに反省すべきだと思います。またこうしたサロンに勤務している方で、ご自身の仕事の法的根拠に不安を感じたらお近くの保健所で相談すれば明確になるでしょう。コンプライアンスが求められるのはネイルサロンであっても例外ではありません。

巻き爪の診察は慎重に行う必要があります。

診察の際に医師が「これ痛いですか?」と不用意に患部に触れて飛び上がるほど痛い思いをしてトラウマになったというようなお話も聞きます。このような診察の仕方はNG。それでなくても触れてほしくないのに、患者様からすればたまったものではありませんよね。

私たちは診察するときには、視て観察し直接患部に触れずに口頭で「こういう状況で痛みはありますか?」と確認あるいは指差しで「ここは痛いですか?」と確認します。どうしても触れなくてはいけない場合でも、予告した上で最小限、痛くないようにできるだけゆっくりソフトに触れる、あるいは患者様自身で触れていただくようにしています。治療の際にも痛みに最大限配慮して行っています。

■巻き爪の専門家に相談するのがベスト。

巻き爪治療には、さまざまな方法があります。状態や御希望によって生活指導やテーピング、お薬だけにとどめることもあるし、ワイヤーだけでなく巻き爪クリップのような簡単な矯正法をお勧めすることもあります。
医学的な必要があれば患者さんの同意を得た上で麻酔をして爪を切ることもあるし、根治的な手術を選択することもあります。このように複数の治療選択肢から最適な治療法を提案し御希望の方法を選んでいただけるのは、私たちが巻き爪を専門としてやっているからこそ。

積極的に巻き爪治療をに取り組んでいない医療機関の場合は選択肢は狭まりますし患者さんの希望と違っていたり、効果が不十分であることもあるかもしれません。そうしたことが治療を受けた後も痛みがつづいてしまうことがある一つの原因です。

<<当院の巻き爪矯正は速やかに痛みがとれます>>

なぜ、ワイヤー矯正は「秒」で痛みがとれるの?

施術した直後から遅くても数日以内に痛みは激減また消失します。なぜか?
そもそも巻き爪というのは、巻いているからすぐ痛いという訳ではありません。

「爪が強く当たって皮膚が傷がつく」ことをきっかけに突然強い痛みが出始めるのです。

ほんの1ミリの爪の当たり方違いが無痛を激痛に変えることがあります。そこが巻き爪の厄介なところでもあります。朝出掛けるときは気になる程度だったのに、夕方激痛ということも決して珍しい話ではありません。靴による圧迫や足のむくみなどで爪と皮膚との相対的位置関係がわずかに変化することが強い痛みに繋がる。ワイヤー矯正ではこれを逆手に取ってワイヤーで爪をほんのわずか、ミリ単位で動かすことで痛みが激減またはゼロにする。それこそが、「秒」で痛みがとれる理由です。

■施術方法はさまざまですが、目的はおなじです。

巻き爪で用いられる施術のすべては、この『爪と皮膚との位置関係の改善』を目的としています。コットンパッキング法という爪と皮膚との隙間に綿を詰める方法、テーピングで皮膚を引っ張るのもおなじ理屈です。飲み薬や軟膏も腫れを退かせて爪と皮膚の距離を稼ぎ、爪の皮膚への刺激を緩和することで局所の安静を図るのが目的です。ただこれらの方法はあくまでも補助的治療であって単独では十分な効果は期待はできません。

ワイヤー矯正はより積極的に爪に働きかけることで、確実かつ「秒」で効果を実感できるのが大きなメリットです。施術自体も痛みはありませんし手術のように術後に痛むこともありません。しいて言うなら違和感がある程度。とはいえ1日もすればなくなるのでご安心ください。

■えっ?もう終わったの?と驚かれる患者様ばかりです!

当院で施術を受けた方の多くは
「もう終わったんですか?」
「まったく痛くなかった」
「こんなにすぐ良くなるなら、もっと早くこのクリニックに来たかった」

と喜ばれます。私たちが巻き爪を専門にして良かったと嬉しくなる瞬間です。
ワイヤー矯正をされた方は、あまりにすぐに痛みがなくなるので「このワイヤーって痛み止めの成分が入っているんですか?」と聞く人もいるくらいです。巻き爪ワイヤー矯正を受けようかとで悩む方はたくさんいます。そんな方たちに「本当に痛くないからビクビクせず安心して受診して下さい」と言ってあげたいです。

クリニックにはいつ相談に行けばいい?そして、どれくらいで治りますか?

痛みを感じたら無理せず医師への相談を検討する、が正しいです。
爪が巻いているから即治療ということではありません。爪が一周するほど巻いていても痛みは全くないという患者様は珍しくありませんし、逆に爪がほとんど巻いていなくても激しく痛む患者様もいます。巻き爪の医学的分類には変形の程度を指標とする考えもありますが、痛みの有無で治療の必要性を判断しその除去を最優先するというのが私達の考えです。

■矯正期間は短いと戻りやすく、長ければ通院が続かなくなってしまうため、
当院では6ヶ月としています。もちろん希望により期間の変更も可能です。

巻き爪ワイヤー矯正により痛みがすぐに取れるのは説明したとおりですが、痛みが無くなったからといってすぐにワイヤーを外すと短期間で戻ってしまいます。かといって年単位だと通院が続かない患者さんも多くいらっしゃいます。そこで当院では通常半年を一つの区切りとして、そこで一旦ワイヤーを外します。その後はまた巻いてきた方だけ再開を検討していただきます。

治療するかどうかの判断の材料として変形の程度はあまり優先していません。では、なにを優先しているのか。それは、患者様が痛くて困ってらっしゃるかどうか。誤解があっては困りますが決して「痛くない人は治療しない」ということではありませんよ。
例えば痛みはまったくなくで「そのうち痛くなるって聞いて来ました」という方の場合。一回も痛みを感じたことがないのであれば、適切な爪切りの方法や履物を選ぶことでそのあともずっと痛くなることなく生活できる可能性は高いのです。その場合は

「こうすると痛くなく生活できることが多いので試してみては?」
「予防だけで様子を見るのもひとつの選択肢ですよ」


と生活指導のみを行うケースも多々あります。

もちろん患者様からの希望があればすぐに治療をはじめられますが、通院も必要ですし、矯正治療は保険が使えないので費用も決して安いわけではありませんからね。放っておけば悪化するなどと脅してして治療を開始といったことは決していたしません。患者様のおひとりおひとりの病状とニーズを把握したうえで、その時点でベストな方法を提案する。爪のプロフェッショナルである当院のポリシーです。

「痛くされるのが嫌だから病院に行くのがこわい」「どこに相談していいのかわからない」「色んなところを試したけど、まったく治らない」…そんなお悩みを抱えている方がいたら、当院へお越しください。みなさまが抱えてらっしゃる不安・悩みも、秒で解決いたします!


【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

医局勉強会

  • 2022.11.17

 先日、医局同門会の勉強会にzoomで参加しました。

 大変お世話になっている日本橋形成外科の網倉院長先生からは、普段はなかなか学ぶことの出来ない貴重なご講演があり、大変勉強になりました。

 また門松教授がお忙しい中勉強会を開いて下さり今回で4回目となりましたが、院長は前回演者として爪疾患についてお話しさせて頂き、今回は座長をさせて頂きました。門松教授は、いつも医局員や同門の先生のことを気にかけてくださり、私たちも特に開業前の私たち史上最強にピンチだった時にも助け舟を出してくださり本当に感謝しかありません。大好きな尊敬する先生です!

 というわけで(どういうわけ^・^!?)我ら肌爪クリニックも少しでも患者さんのお役に立てますよう、日々精進してまいりたいと思います!

院長と副院長が執筆した巻き爪矯正専門書が発売されました!

  • 2022.04.28

 今年で開院13年目を迎えた肌と爪のクリニックから、待望の巻き爪ワイヤー矯正専門書「最強巻き爪矯正テクニック」が発売となりました!本書は患者さん向けではなく、これから巻き爪治療に取り組もうとする医師用に書かれたプロ向けの専門書になります。

爪を専門に扱う医療機関が皆無に等しかった開院当初、クリニック名を頼りに巻き爪に悩む患者さんが少しずつ来院され、やがてクチコミで支持が広がってついには40,000件を超える巻き爪矯正を施術させていただきました。

痛みが取れて喜んでいただける時が、我々にとっても最も嬉しい瞬間です!当院のオニックスワイヤーは矯正開始直後から5日以内に痛みが取れる確率がなんと99%以上!毎日の診療が私たちの喜びそのものです。この喜びを全国の患者さんに届けたい。私たちはそんな思いで本書を執筆しました。

患者様向けの内容ではありませんが当院入り口ホールにも置いておりますので、来院の際はどうぞお手にお取りください(^^)

巻き爪治療 オニックスワイヤー

  • 2022.02.19

昨日は巻き爪治療webライブセミナーを拝聴し、とても勉強になりました。

現地開催ももちろん良いところはありますが、最近はほとんどがオンラインですよね。

子育て中などでも受けることができありがたいです。

当クリニックでは、オニックスワイヤー™️(超弾性ワイヤー法)を用いた矯正治療、手術療法などを中心に最適な治療法を提案させていただいております。

受診時

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ワイヤー治療後

 

上の写真、じつは第2趾も痛みがありワイヤーをかけています。

母趾とともに痛みは取れ、爪の根元まで広がってきており大変喜んでいただきました。

【治療】巻き爪ワイヤー矯正・・・爪に精密ドリルで穴を開け、ワイヤーを穴に通して短くカットした後、ワイヤーをジェルで固定します。1週間後のワイヤー確認、1.5ヶ月ごとのワイヤーを入れ替えを行いながら半年間過ごしていただきます。

【リスク】ワイヤーの脱落、爪割れ、巻き爪再発

【費用】半年間(6ヶ月間)治療を継続した場合の合計費用ー1趾につき35500円

神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
〒162-0825
東京都新宿区神楽坂2-12-15 さわやビル2F
予約制03-3513-8212
●終日診療 △午前の部のみ診療 -休診
【平日】10:00~13:00/14:00~19:00
【土曜日】9:30~12:30/13:30~18:30
初診の最終受付は平日18:15、土曜日17:45となりますのでご注意下さい。
  日祝
院長野田 弘二郎
副院長野田 真喜(女性)
Access
◆JR総武線
「飯田橋駅」西口より徒歩3分
◆東京メトロ有楽町線、東西線、南北線
◆都営大江戸線
「飯田橋駅」B3出口より徒歩3分

当院には駐車場はございません。お車の場合は飯田橋駅ラムラ地下駐車場が便利です。(30分:300円・駐車サービス券はございません)

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