ピアスホールを復活させたい!ピアスが入らなくなったらどうするの?
神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
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前回の『ピアスの化膿』でも少し触れた内容ではあるのですが、
今回は『ピアスホールの復活』について深掘りしたいと思います。
・ピアスが閉じてしまったけれどどうしても同じ場所にまたピアスを開けたい!
・復活させたい!
と思っている方も少なくないと思います。
その方法とリスク、費用についても詳しく説明します。
ぜひ最後までご覧いただき、お友達やご家族とも共有していただけると嬉しく思います。
【目次】
1.ピアスが閉じた状態とは?
ピアスが化膿したり、長くつけずに放置したりするとピアスホールが塞がってしまい、ピアスが入らなくなることがあります。
こうしたピアストラブルについては、以下動画で説明していますので併せてご覧下さい。
一口にピアスが塞がったと言っても、程度によっていくつかの段階があります。
症状の重い順にいうと…
1.ピアスの痕跡さえない
2.凹みはあるがピアスはまったく入らない
3.ピアスが少しだけ入るが、途中で行き止まって進まない
4.ピアスが入るが、最後の部分が膜状に閉じていて進まない
このような状態で、病院で相談すると、
どの重症度であっても医師からはピアス孔のすぐ近く、
別の場所にピアスの開け直しを提案されることが多いでしょう。
なぜなら
同じ場所にピアス復活させると将来的にトラブルを引き起こすリスクがあるからです。
h2 id=”2″>2.ピアス復活のリスクピアスが閉じてしまった後に、同じ場所にピアスホールを復活させることには次のようなリスクがあります。
■1.粉瘤発生のリスク

将来、ピアスホールから粉瘤という“おでき”ができることがあります。
粉瘤は徐々に大きくなり、化膿して腫れることもあります。
これは上皮組織、つまり以前開けていたピアルホールの壁が
皮下に残っていることが原因です。
このリスクはピアスを復活させる・させないに関わらず存在するのですが、
ピアス復活がトラブル発生の引き金になることがあります。
■2.トラブルのぶり返しのリスク

ピアスホールが塞がる原因となったトラブルというのは、
復活後にぶり返すことがあります。
残念なことに、このリスクはピアスホール復活だけではなく、
別の場所に開け直した時にも同じくらいあります。
ピアストラブルの主な原因の一つは、
金属アレルギーであることが多いからです。
ホールが塞がると、ピアスをつけなくなるため、症状は自然と落ち着きます。
しかし、ホールを復活させて再びピアスの金属に触れると、トラブルがぶり返してしまうのです。
最悪の場合、再びホールが塞がってしまうこともあります。
■3.Y字型のピアストンネルのリスク

以前のピアス跡の凹みにピアッサーでホールを復活させる際、
慎重に狙いさえすれば、表側は元と同じ場所に開けられるかもしれません。
しかし、出口となる耳タブの裏側を正確に合わせることができないため
少しだけズレてしまい、耳たぶの裏側に二つの孔ができることがあります。
その結果、トンネルがY字型になって全長が長くなるため、
トラブルが起きやすくなります。
ピアッサーでピアスホールを復活させる場合は
このリスクを完全に避けるのは難しく、
実際にピアストラブルで受診される患者さんの中には
Y字型のトンネルになってしまっているケースがよく見られます。
ここに挙げたようなリスクを避けるために、
医師はピアスを諦めることを勧めたり、
ピアスを続ける場合でも、別の場所へのピアッシングを提案するというわけです。
でも患者さんとしては、やはり同じ場所にあけたい、
ピアス孔を増やしたくない、というご要望も多いです。
その場合には、先のリスクを良く理解した上で
そのコントロールにつとめることが何よりも大切です。
3.リスクをコントロールしながらピアスを復活させる方法
では、ピアスを復活させるにはどのような方法があるのでしょうか。
今回は、3つの方法をご紹介したいと思います。
リスクをゼロにすることはできなくても、
やり方によってリスクをコントロールすることはできます。

■1.ピアッサーによる復活
ピアッサーによる復活は、最もシンプルかつ簡単な方法です。
費用も安く、多くの医療機関で受けることができるのもポイントです。
ただし先ほど説明したように、Y字型ピアストンネルになるリスクがあります。
このリスクをコントロールするためには
熟練した医師にピアスホール復活を依頼することが重要です。
それでも完全に前のピアスホールをトレースすることは困難です。
正確にピアッシングしたい場合は、
次に説明するニードルによる復活をおすすめします。

■2.ニードルピアッシングによる復活
18G(ゲージ)という太い注射針を使ってピアッシングする方法です。
耳タブ裏側のピアス跡を確認しながら正確にピアッシングできるので
ピアスホール跡をトレースすることができ、Y字型になることがありません。
ただし痛みが強いので、耳たぶに局所麻酔注射をする必要があります。
また、手術に準じた方法なので費用が高く、扱う医療機関は限られます。

■3.ブジーによる復活
ピアスホールが狭くなって入りにくい、
あるいはピアスホールが残っていて途中までピアスが入る場合に復活させる方法です。
涙小管ブジーという、涙のくだの詰まりを取るための細い金属製スティックをピアスホールにいれ、出口を探りながら再開通させます。
最後が膜状に閉じていて、ブジーが進められない時は
一番薄い皮膚に極少量の局所麻酔注射をして、膜をメスで切開して開孔させます。
これらの方法により、最小限のリスクでピアスホールを復活させることができます。
4.復活したピアスホールの確保
『ブジー』または『ニードルピアッシング』でピアス孔を復活させたあと、
ピアスホールを安全かつ確実に確保するためには次のような方法があります。

■1.ファーストピアスによる確保
最も手軽で費用も安く、多くの医療機関で受けることができます。
ピアッサーだけでなく、ニードルやブジーの後にファーストピアスを入れることもできます。

■2.シリコン製のレスキューピアスによる確保
ピアスが化膿しやすい方に適した方法です。
なぜなら、シリコンは金属と比べても身体への刺激が少ない素材だからです。
形は一般的な『ボール型ピアスタイプ』と『コスパ重視のスレッドタイプ』があります。
シリコン製レスキューピアスによる確保は当院ではよく行う方法ですが
扱う医療機関が少ないのでネットなどで探してみて下さい。
ピアスホールの安定には約2ヶ月かかり、その後に通常のピアスへ付け替えます。
せっかくピアスホールを復活させても
再度同じトラブルで塞がってしまう方もいらっしゃいます。
ピアス孔が安定するまではトラブルを避ける為にも
こちらの動画を参考にケアをして下さい。
5.まとめ
本日はピアスホールの復活についてご紹介しました。
ピアスが塞がってしまったらリスク回避のために
別の場所に開け直すのが標準的な対応です。
もし「どうしても同じ場所に開け直したい」とお考えの方は
神楽坂肌と爪のクリニックへご相談下さい。
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【記事監修・執筆】
医師 医学博士 院長 野田 弘二郎
- 日本形成外科学会専門医
- 皮膚腫瘍外科指導専門医
- プロネイリスト
- ミラドライ公式認定医
- オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
- パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
- 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員