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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

教えて肌爪先生!自宅でできる陥入爪セルフケア7選

こんにちは。肌爪先生こと神楽坂肌と爪のクリニック院長の野田です。陥入爪の痛み、ジクジクに悩みながらも「病院にいく時間がない」「痛くされるのが恐い」という方も少なくないと思います。「セルフケアでしのげないか?」「病院に行くのを先延ばしたい」その気持ちよくわかります。

セルフで手当するにしてもどうすれば良いでしょう?俗説や民間療法、間違ったネット情報で処置をしてしまい、結果何年も長引いたり、病院受診の時に重症化していたりすることも珍しくありません。我々医師としては、受診が遅れてしまったのは仕方ないにしても、せめて正しいセルフケアをされていたなら外科処置は避けられたのに・・・そう思うこともしばしばです。そこで今回は「自宅でできる陥入爪セルフケア7選」と題して正しいケアについて深掘りしてみます。

※今回のブログの内容は、こちらの動画もあわせてご覧ください。

【目次】

セルフケアで一番大切なこと?

<安静にする/清潔にする>

<塗り薬/飲み薬>

<テーピング/コットンパッキング/市販矯正器具>

騙しだまし痛みを隠し続けるか。積極的に痛みを取り除くか。

セルフケアで一番大切なこと

ところで、皆さんは『wound healing(ウーンドヒーリング)』という言葉をご存じでしょうか。これは、医学用語で創傷治癒、つまり傷の治りのことで、傷を正しく管理することで治癒を早めようという考え方です。

傷の手当について
「傷口は乾燥させた方が良い」
「傷は濡らしてはいけない」
「毎日、消毒しない化膿する」
と思い込んでいませんか?以前は医師でもそう考えるのが普通でした。しかし、専門医の間では「むしろそんなことはしてはいけない」という風に傷に対する考え方も大きく変わってきています。医師による治療はもちろん、皆さんのセルフケアにおいても「ウーンドヒーリング」の考えに基づいた正しい傷の管理が大切。それによりもともと持っている自然治癒能力を最大限引き出すことができ、速く傷を治したり重症化を防ぐことができるのです。うまく管理でできれば病院には行かずに済むこともあるかも知れません。

<安静にする/清潔にする>

安静にする

ここでは身体の安静だけではなく“傷の安静”も含みます。足をむくませないためにお散歩やお買い物などでの歩き過ぎを控える、長時間立った姿勢を避ける、ストッキングやハイヒールによる圧迫をしないなどです。配達や立ち仕事や通勤でパンプスを履く方などから「数日仕事を休むと傷の状態がよくなる」という話をよく伺います。ウーンドヒーリングのためにむくませないこと、圧迫しないことが大切。とくに足の負担の大きい仕事をされている方や靴の圧迫に心当たりのある方は安静の実践により状態は確実に改善するはずです。

清潔にする

「清潔にする」と聞いて何をイメージしますか?毎日しっかり消毒する?傷は濡らさない?実はどちらも間違い。良く聞く「濡らさないようにビニール袋に包んで入浴し、その後しっかり消毒する」というありがちな方法は実はNGなのです。

「風呂に入れると湯のバイ菌が傷は入るから不潔」と思っている人が多いですが、菌の数から言えば実は風呂の湯より化膿した傷の方がずっとずっと汚いのです。また驚く方も多いと思いますが消毒液は細胞毒でもあり傷の治癒を遅らせるので消毒はむしろしてはいけないことです

ではどうすれば清潔になるのか?簡単です。毎日傷の汚れ(浸出液やこびり付いた軟膏など)を泡立てた石鹸とたっぷりのぬるま湯で洗い流せばいいのです。傷を石鹸の泡で包み3分待ったらよくすすぎます。シャワーを傷に直接ではなく膝のあたりにあて、湯を指先まで湯を流します。その後は風呂の湯に浸けてもいいし、抵抗があるのなら足浴もおすすめ。

洗う湯の中に消毒液を入れる・塩を入れると書いてある本もありますが、難しく考える必要は一切ありません。お風呂の蛇口やシャワーから出てくる“ぬるま湯”で十分。石鹸も薬用ではなく家にある普通のやつやフォームタイプのボディソープで大丈夫。より良くなどとは考えず、まずは家にあるもので今晩からさっそく実践して下さい。

<塗り薬/飲み薬>

塗り薬

傷の塗り薬はたいてい抗生物質配合のワセリン軟膏が使われます。「軟膏が合ってなくて治りが悪い」とお考えの方も多いですが、軟膏だけ変えたからといってそれまで治らなかった傷が治るということは決してないと考えていただいて結構です。塗り薬はあくまで補助的な治療であって傷の治癒を決定づけるものではないからです。

また傷を「乾かす」というのは実は逆効果だってご存じでした?傷の修復に必要な細胞の移動を妨げるからです。速く治すには湿潤環境、つまり適度に湿った状態に保つことが理想。そのために大切なのは抗生物質の種類ではなく基剤であるワセリンなのです。抗生物質はあくまで脇役。いろいろ考えず以前に病院で処方された、あるいは近所の薬局で普通に売っている「●●マイシン」と書いてあるワセリン基剤軟膏を使えばOKです。

付け薬といえば消毒液が傷にとって大切だと思っている人が多いです。
よく「アルコールがいいんですか?」「オキシドールがいいんですか?」と聞かれますが、
実はぜんぶダメ。傷を速く治したいなら消毒液はやめましょう。
先ほども書いたように消毒液は細胞毒でもあり、傷を治そうとする細胞の邪魔してしまいます。また刺激が強いため傷に塗れば拷問のような激痛です。さらに消毒液は長期間使うことでかぶれを起こしやすいという問題もあります。「何年ものあいだ毎日消毒を欠かさないのに傷が治らない」とおっしゃる患者さんではカブレにより皮膚がひどく赤剥けしている方がほとんどで、洗っていないため不潔で酷い臭いが漂っていることもしばしば。カブレにより状況がさらに複雑化し、こじらせた状態になているので経験を積んだ医師でなければ問題を正確に把握出来ません。患者さんは傷に良いはずの消毒液が問題を起こしているとは想像もできず、バイ菌によって化膿しているためと信じきっています。そこでますます熱心に消毒することになり、自身でこの状況から抜け出すのが困難になっているのです。

消毒液の触れる範囲に赤み、腫れ、皮むけ、痒みなどカブレの症状が見られる。親指に接した隣の指も同じ症状。

傷を速く治すためにはとにかくぬるま湯と石鹸が一番。ウーンドヒーリングの考えでは清潔を保つためには殺菌をするのではなく菌を物理的に洗い流すのが正しい。それ以上に傷をキレイにする方法はないからです。

傷の外用治療で重要なのは、消毒はしない。軟膏はその辺の薬局で買えるものでOK。このふたつを頭にいれておきましょう。

飲み薬

陥入爪の内服療法で大切なのは、抗生物質よりも消炎鎮痛剤です。有名な『ロキソニン』(ロキソプロフェン)は当院でもよく処方しますし薬局でも買えます。局所の赤み、腫れ、痛みを抑える強力な抗炎症作用があります。よく「ロキソニンは痛み止めですよね?我慢できれば飲まなくて大丈夫ですよね?」と言われますが、これは半分間違い。なぜなら、傷に対して消炎鎮痛剤を使う目的は痛み止めだけでなく、むくみや腫れを抑えること。傷の安静に繋がり、結果として治療を早めることができます。これもウーンドヒーリングの考え方に一致します。飲み薬は抗生物質より消炎鎮痛剤が主役ということを覚えておきましょう。

※(注)ただし市販薬を使用される際は、用法・容量を守って正しくお使いください。

ここまでご紹介した①~④を試しても改善しなければ早めに医療機関を受診しましょう。

それでも何かしら試してみしたい場合は、ちょっと難しいかもしれませんが最後の手段として以下をご紹介します。

<テーピング/コットンパッキング/市販矯正器具>

テーピング

爪の脇の皮膚を伸縮性テープで引っ張りって爪の刺激を和らげる方法です。いくつか方法がありますが当院でお勧めしているのはアンカーテーピング法です。軟膏や汗が付いているとすぐ剥がれるので貼る前に消毒用エタノールで皮膚(傷の無いところ)を拭きます。25mm幅のテーピングテープを用意し、コレを10mmと10cmの長さに切ります。

10mmのテープを爪の脇の皮膚に貼り、指で軽く押さえて体温で馴染ませます。

次に10cmテープの端を最初のテープに重ねて貼り、同様に馴染ませます。長いテープを軽く引っ張りながら指の付け根に向かってらせん状に巻き上げるように貼ります。

このケースは巻き爪ではなく、怪我のあとの爪の生え替わりに伴う陥入爪。

テープを貼るだけでは効果は無く、軽く引っ張って貼るのがポイント。テープが伸縮する時に皮膚が引っ張られて爪と皮膚の間にわずかな隙間ができます。この隙間が傷の安静に役立ち痛みを和らげ傷の治りを速めます。

テーピングは歩いていると剥がれてくるので日中何度か張り替えが必要です。テーピングと軟膏は同時併用が難しいので日中はテーピング、夜は軟膏と使い分けるのがオススメです。

コットンパッキング

爪と皮膚の間に柔らかい綿を詰めることで爪の刺激を和らげる方法です。お手持ちの化粧用コットンをふたつに割り、フワフワなところをピンセットで引き出すと柔らかい繊維が取り出せます。それを爪と皮膚とが当たっているところ、その隙間に繊維をピンセットで優しく少しづつ入れていきます。徐々に隙間が大きくなり爪と皮膚の間の距離を稼ぐことができます。直接、爪の刺激を緩和できるほか、浸出液が多い時はそれを外に引きだして傷の治りを速めるドレナージ効果もあります。

コットンが不潔になりやすいので最低でも1日1回は取り換えが必要。炎症の初期であればとても効果的ですが、慣れないと難しいかも知れません。炎症が酷くなるとコットンを詰めること自体が難しくなります。それが病院受診のタイミングとも言えるでしょう。

市販矯正器具

病院に行く前にダメ元でもいいから市販器具を試してみたいという患者さんのニーズは通販サイト上に巨大な市場を形成するほど切実です。患者さんの中には診察の際に様々な市販矯正器具をお持ちになり「こんなものを試したが全くだめだった」「効果が無く期待外れだった」と不満を漏らす方もたくさんいらっしゃいます。私自身も職業的興味からこの手の商品を多数買い集めて片っ端から試しましたが、ほとんどは全く効果が無いか不十分なものばかり。中には拷問器具のような爪を剥がす危険な商品もあります。巻き爪矯正はじっくり時間をかけて形を整えなければならないですが、器具の開発者に経験と理解が不足しているためです。

そんななかで唯一勧められるのはフットケア用品で有名なDr. Scholl(ドクター・ショール)の『巻き爪用クリップ』です。簡単に付けられるし効果も高いので実は当院でも採用しています。ただ、この商品にも一つ問題が。それは爪が薄く、変形の軽い人しかつけられないこと。「爪を選ぶ器具」ですが爪が薄く変形の軽い方は試す価値があると思います。

騙しだまし痛みを隠し続けるか。積極的に痛みを取り除くか。

ここまで自宅でできるセルフケアについてご紹介させていただきましたが、これらはあくまで補助的な治療に過ぎず、症状の改善や悪化を防ぐ役にたっても軽症のものを除いて解決にはなりません。特に肉芽ができているようなケースでは辛い時期が長引くだけで、結局は爪専門病院を受診した方が早いし楽だということになります。

それでも「嫌だな」「不安だな」と思っている方にこそ、当クリニックを受診していただきたいと思います。陥入爪で日々辛い思いをされている方が、痛みに耐えかねて受診を決意され、数多くの医療機関から当院を選んでいただいたからにはいかに速く確実に痛みを取り除いてあげられるか、そのスピード感と確実性こそが一番大切だと考えています。私たちが患者さまと辛さと向き合う際の基本スタンスでもあります。

実際に来院された方からは「こんなにすぐ痛みが取れるなら、もっと早く来ればよかった」という喜びの声もたくさんいただいています。受診したからと言って必ずしも医師の勧める治療を受ける義務はありません。治療を受けるかどうかを決めるのはあくまでも患者さんご自身です。NOというのに医師に気を遣う必要は全くありません。まずは診察を受け、状態を評価してもらい、治療法の説明をじっくり聞いて、できればいくつか質問をしていただいて、ご納得いただいたらその上で治療を依頼していただけたらと思います。長年陥入爪に悩む方、「そこまで言うなら相談だけでもしてみようかな」くらいの気軽な気持ちでまずは受診をご検討下さい。


【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
〒162-0825
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