グリーンネイルに関するウソとホント その1 神楽坂肌と爪のクリニック 院長野田弘二郎
ネイリストや皮膚科専門医でも間違って理解していることが非常に多いグリーンネイル。今日は爪の専門医神楽坂肌と爪のクリニック院長野田弘二郎がその真実に迫ります!グリーンネイルについて良く言われる次の5つの噂。さて、このうち事実はどれでしょう?
爪の知識に自信のあるあなた!トップクラスのネイリスト?それともベテラン皮膚科専門医?是非次の5つの○×問題に挑戦してみて下さい。
1.グリーンネイルはカビの一種である
2.グリーンネイルは不潔なネイルサロンでうつることが多い
3.グリーンネイルは他の指にもうつりやすい
4.グリーンネイルには抗生物質の飲み薬で治療する
5.グリーンネイルは変色した爪を削り落とすと良い
ジェルネイルによるグリーンネイル。ジェルが浮いた形に色がついている。
色素の食い込んだ爪が伸びきって元に戻った爪。
答えは↓
答えは↓
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答えは↓
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全てウソ!!!!!!!なんと!!
では解説しましょう。
まず1。グリーンネイルはカビの一種である>ウソ!!グリーンネイルで見られる鮮やかな緑色、これはピオヴェルディン、あるいはピオシアニンという色素の色なのですが、皆さんお馴染みのパンにつく青カビの色によく似ていますね。このためグリーンネイルはカビだと思い込んでいる方が実に多い、というか、お医者さんやメディアの方も含めてなぜかほとんどがそう思いこんでらっしゃる。でもつくられる色素の色は似ていても実は全く違う物です。グリーンネイルの原因となる病原体はカビではなく、緑膿菌という細菌です。水虫菌とも違いますよ。実は水虫のほうこそカビの一種、これはまた別の機会に。
医療関係でない方には病原体となる細菌、真菌(カビ)、ウイルスなど微生物の違いはわかりにくいと思いますが、細菌と真菌(カビ)はテントウムシとでんでん虫くらい違います。ん・・・?余計わかりにくいか・・・。なんかイメージが似てるけど実は全然違うものなんだよということが言いたかったんです。赤くて黒い点のある小さな甲虫テントウムシと貝殻をしょったナメクジみたいなでんでん虫を間違える人なんていませんものね。
当院受診の前に他の皮フ科でグリーンネイルに水虫の薬(抗真菌薬)が処方されている患者さんを非常に多く診察します。緑膿菌には抗真菌薬は全く無効ですので効果はありません。まぁ、だから治らなくて困った患者さんが当院へいらっしゃるのだと思いますけどね。皮膚科専門医さえ正しい知識が無いのがグリーンネイルなんですよ。普通に人が誤解しても仕方ないですね。あ、たまに爪のカビである白癬菌と緑膿菌の混合感染はありますよ。つまり両方にかかっているというケースです。この場合は白癬菌に効く抗真菌薬を使うのが普通です。
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次に2。グリーンネイルは不潔なネイルサロンでうつることが多い>ウソ!そもそもネイルサロンでうつるという世の中の常識がウソなんです。私の所にいらっしゃる患者さんにはサロンでグリーンネイルになっちゃって散々もめた後という方も多くて、じっくりお話を伺った後で「実はサロンでうつったわけじゃありませんよ」と言うと皆さんメチャメチャ驚かれます。お店で「訴えてやるっ!てすごんじゃったのに・・ヤバッ!(実話)」まぁまぁ落ち着いて下さい。
んじゃ、その緑膿菌ってやつどこから来たの?ええ、それがね、意外なところなんですよ。それは皆さんの手の皮膚です。「うぇ〜〜〜!!あんなに洗ってるのに〜!」またまた驚かれます。実は緑膿菌は常在菌といって正常な状態で皮膚に上に普通に住んでいます。緑膿菌に限らずいろんな菌がいるんですよ、実は。細菌叢と呼ばれる集団を作って私たちの健康に役立ってるんです。「腸内細菌叢」って聞いたことありますよね?同じシステムが皮膚にもあります。ふだん個々の細菌は普段は少数しかおらず、イイ感じでバランスしているのでなにも症状はないのです。むしろ健康に役立っているのです。
でも何らかの理由でバランスが崩れると悪さをすることがあります。例えば緑膿菌は狭くて湿った隙間を見つけるとそこでわ〜っと増えて、独特の色素を作り出し爪を緑色に染めるんですね。狭くて湿った環境とは、例えばジェルの浮き上がって出来た爪との隙間みたいなところです。だからグリーンネイルをよく見ると隙間の形に色がついていますでしょ?他にジェルによるカブレやケガで爪が浮き上がってできた隙間でも増えますよ。同じように緑色になりますが、ジェルの浮き上がりで見られるグリーンネイルとは治療法や予後が全く違います。コレもまた別の機会に
グリーンネイル。浮き上がったジェルの隙間の形に色が付いている
さて、グリーンネイルは菌の数が増えていますが炎症をおこしている訳ではないので痛くもなんとも無いんです。ちょっと臭いけど(^_^; 緑膿菌ってピオ臭という独特に臭いがあるんですよね。傷の手当てで現場経験のある医師や看護師ならご存じのはず。そう、あの臭い。因みにピオはpyo、つまり「膿」のことですが、医療現場ではピオと言えば特に緑膿菌のことを指します。この俗称は緑膿菌自体の発見がガーゼについた「膿」がきっかけだったことに由来します。医療業界に多い隠語の一つです。因みに緑膿菌の学名はPseudomonas aeruginosa。私は医者に成り立ての頃、どうして緑膿菌ってシュードモナス・エルギノーサなのに「ピオ」っていうんだろ?と悩んだことがありました。30年以上も前の話です。
次は3。グリーンネイルは他の指にもうつりやすい?ここまで読まれた方はもうおわかりですね。答えはウソ!グリーンネイルはうつりません。繰り返しになりますが、ジェルが爪から浮いてできた小さな隙間に水が入り込んで狭くでジメジメした環境ができます。そうした環境でそこにもともとそこに住んでいた緑膿菌が増えたのです。2本の指にグリーンネイルになった時、どちらからうつったと考える人が多いですが違います、うつりませんから。2本の指に同時に緑膿菌が増えやすい条件が揃って、もともとそこに住んでいた緑膿菌が増えたに過ぎないのです。もうわかりましたね?グリーンネイルはうつる病気ではないのです。私は爪の専門医として毎日グリーンネイルの患者さんの爪に触れていてますが、私自身は決してグリーンネイルにはなりません。
長くなりましたので4と5はこちらでお読み下さい。
お願い!!当院に受診を検討されてらっしゃる方へ。
当院の医師はグリーンネイルになっている指はもちろん、なっていない指も含めて全ての指の状態を診察しますので全ての指のジェルをオフしてからご予約(完全予約制)をお願いします。クリアジェルやオイルを含めて、一切何ものせずに、自爪で来院をお願いします!!また当院ではジェルやマニキュアのオフはいたしません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
院長NHKに出演いたします
おはようございます
本日NHKの「あさイチ」に院長が出演いたします
正しい足の爪の切り方などについて解説しております。
9時過ぎからの予定です。
よろしければご覧ください!
謎の奇病?親指の爪の真ん中がボコボコ その2
前回爪をいじる癖による変形について説明しました。
今回は爪変形とストレスとの関係、さらにはハビットティックの治療法について説明していきます。
爪がボコボコとストレスの関係
爪がボコボコになっている方で多いのが、過去に爪をかんでいたことがある方や普段からストレスにさらされるお仕事の方。
そうした方はお仕事の忙しい時期のしばらく後に爪の症状も悪化したりします。
それはストレスを感じた時に気を紛らわせるために爪をいじるからで、自分自身の身体へ向かう行為が習慣化してしまうです。
こうした癖を神経性習癖と言います。他にも爪を噛んだり、サカムケをむしったり、髪の毛をいじったりなど。
ストレスの矛先が「爪」に向かいやすいのは爪が心と深い繋がりがあるためだと考えられます。女性はネイルをすると不思議と気分がアガるとよく言いますよね?爪と心は不思議な関係にあります。
もう一つ、重要なのは爪が指先の目立つ場所にあるため社会的意義においても重要だと言うこと。
太古の昔から人間は爪に色を塗って装飾としていました。
女性は特に年齢に限らず、ネイルをしたり手元をきれいに見せたいという方がほとんどではないでしょうか。
つまり、爪は人目をひきやすいということです。
そして人目を引きやすいのは美しく手入れされた爪だけでなく、変形した爪も同様なのです。
冒頭に書きましたが名刺を出す時、お釣りにやりとりで人目が気になる。
相手の目が指先で一瞬止まる気がする・・・
資料を差し出しても爪ばかり見られる気がする。思わず手を握り爪を隠してしまう。
職業によってはより深刻な事もあります。たとえば、スシ職人やソムリエ。爪がボコボコな状態だったら客の立場からどう思われます?
実際ハビットティックが原因で失業しかけたという患者さんもいらっしゃいました。
爪がボコボコしているストレスから更にいじってしまうという悪循環。痛みがあるわけではないのですが、患者さんの悩みはとても深いのです。
それだけに治療が上手くいくと大変喜ばれるのです。実際その失業しかけたとおっしゃる方も数ヶ月で健康な爪を取り戻され本来のポジション(板前さんでした)に復帰されました。
爪のボコボコは治療できます
さて、この爪のボコボコはきれいに治ります。それも立った5-6ヶ月で。それこそ魔法みたいに。
その治療法は、飲み薬でもつけ薬でもなく、爪を保護することだけ。
爪の上にアクリル樹脂を乗せて爪全体を保護します。そして患者さんには爪変形の理由を説明して、爪だけでなくサカムケもいじらないよう頑張っていただくことです。
え?それだけ?
ウソみたいですが、本当です。治療経過をご覧いただけばおわかりいただけるはずです。
【ビフォーの画像】
【アフターの画像】
【治療後(半年後)の画像】
保護しながら爪が入れ替わるのを待ちます。手の親指だと5-6ヶ月でキレイに生え替わります。そんなに待たなくても治療開始直後から一見キレイな正常の爪になりますから、長年悩んでいた患者さんにはこれだけでとても喜んでいただけます。またそれが治った状態をシミュレーションすることになり治療へのモチベーションが上がります。
治療後の写真をみると爪の変形とともに周辺の赤み、つまりサカムケを剥いた跡もなくなっています。キレイになっていく爪を見ながら患者さん自身爪を大切にすることで悩みから解放されることを実感するため、爪をキレイに保つことが快適な生活に直結するからです。少なくとも爪変形を見られるストレスからは解放されるのですから。
ただし、せっかくきれいな爪にもどっても数年後にまた爪をいじってしまい爪がボコボコになってしまう方もいます。仕事の忙しさ、ストレスの大きさと関係していることが多いようです。しかしこの治療、決してワンチャンスということではなくて、再発してしまったら何度でも繰り返すことが出来ます。そうした気楽さからむしろ気楽に過ごせていじらなくなったと仰る患者さんもいます。爪変形をあきらめてしまっている方はドンドンいじってしまい変形が進む傾向があるのです。
因みに先ほどの治療は全て自費診療となります。医者も役人も知らない病気なのですから健康保険が効かないのも仕方がありません。因みに費用は当院では指1本で3500円、両方の親指の場合は5500円で、概ね月に1回の取り替えが必要です。また初診時には初診料3000円をいただいております。治療期間は半年程度ですから、指1本2万円程度で治せる計算です。治療が終わった後、またいじってしまう不安のある患者さんの場合は自信がつくまで続けることももちろん可能です。
中には健康保険で治して欲しいと仰る患者さんもいらっしゃいますが、その場合は精神科へいったりカウンセリングを受けたりお薬を処方してもらうことになるでしょう。私はハビットティックがカウンセリングやのみ薬が必要とは思っていません。沢山の患者さんと接してきて言えるのは、ハビットティックが精神的な病気で起きるのではなく、ちょっとした癖によって起きるに過ぎないからです。
また、強い意志があれば爪いじるのを我慢して自力で治すことができそうですが、実際にはそれは無理というものです。患者さんの中にはそうした癖を恥ずかしく思ったり、爪に悪いと知っているのにやめられないという方も多いのです。実際自分の意志で頑張りますと仰った患者さんが1年ほどして余計に変形してやはり治療をお願いしますと戻ってらっしゃったこともあります。
もし、爪のボコボコで悩んでいる方がいたら、当院へご相談ください。
http://www.hadatotsume.com
親指爪のボコボコは謎の奇病?いいえ治せます!洗濯板状爪 その1
親指の爪が波打つようにデコボコしていて長年悩んでいる方がいらっしゃいます。
名刺を渡す時にギョッとされる
資料を手渡す時に見られるのがイヤで指先を隠す不自然な動作になる
コンビニのお釣りのやりとりで店員の目が気になってしまう
食事中に相手の目が指先で一瞬止まる
・・・これは母指爪のデコボコ変形で来院された方々から伺った実際のお悩みです。
こんな悩み、あなたまもありませんか?
まずはググって調べますよね?で、ネット情報にはビタミン不足、亜鉛不足、ビオチンが効く・・・など治療したことも無いくせにもっともらしいことを書いている皮膚科医が多くて驚きます。育爪サロンで売っている何千円もするケアオイルなんてのもあります。試したという方も多いですが効果はありません。だって全部根拠のない話し、率直に言ってウソですから!
色々試してもだめ。患者さんは変形に悩んだ末に病院で相談してもそこでも医者は首を捻るばかり。
「わからない」「水虫かな」「内蔵の病気かも」いろんなことを言われ、検査を繰り返しても異常はみつからず・・・しまいには「爪は専門外」「珍しい謎の奇病」だから大きい病院へ行きなさいと。
ところが大学病院、国立病院、爪の専門家、10軒以上回っても偉い先生達も言うことは同じ。
「様子を見なさい」「保湿しなさい」中には「死ぬことは無い」なんてドクハラ(ドクターハラスメント)発言まで!悲しいことにどれも私が患者さんが当院来院前に体験された実話です。
こうした深刻な悩みを持つ患者さんが私のクリニックには月に5−6人はいらっしゃいます。
実は珍しくもないし、奇病でもないのです。
こうした患者さんに共通する爪の状態とは・・・
1.親指の爪中央に、根本から先端まで一定の間隔で刻まれる横筋がある
2.爪半月が異様に大きい、甘皮が無い、爪の付け根の皮膚が腫れている
3.爪周辺にサカムケがたくさんあり、皮が剥けて赤くなっている
さて、なぜこのような事が起きるのでしょうか?原因は意外にもアレなんです。
意外な理由?爪がボコボコになる原因とは
実はこの爪のデコボコは「ハビットティック(habit tic)」といって、自ら爪をいじってしまう癖が原因で爪が変形してしまっている状態なのです。
ハビットティックの方の特徴
- 人差し指や反対の親指で爪の付け根を繰り返しいじってしまう
- 甘皮やサカムケもむしる癖がある、皮膚が乾燥しやすいと感じている
- 子供の頃に指しゃぶりや爪を噛む癖があった
【爪噛み癖についての記事を読む】
- ストレスが多い仕事、環境にある、緊張がかかると、あるいは解けるとつい爪をいじってしまう。
経験のある医師なら特徴的な爪変形から簡単に診断できます。検査も必要ありません。
受診した先の医師が知っているか知らないか、その経験と知識が全てなのです。
患者さんに変形の理由を説明すると、「そうか!確かにいじる癖があります!」「自分では内心そう思ってました」とすぐにご納得いただくことも多いのです。
でも、実は説明が難しいことも少なくないんです。
癖というデリケートな問題を含み、患者さん自身そうした癖を恥ずかしいと思ってらっしゃる場合も多いので、医師が無遠慮にそのことを指摘したり、伝え方を誤ると患者さんを不快にしてしまったり怒らせてしまうこともあるからです。
丁寧に説明し、そういうことも可能性としてあるといった言い方でお伝えしないと、「そんな癖はない!」「サカムケは乾燥が原因ですから!」「水虫に間違いないんだもう一回検査をして下さい!」とお叱りを受けることもしばしばです。
これではいかに正確に診断できても治癒に導くことはできません。ハビットティックの爪変形治療には患者さんの協力と理解が必須だからです。
でも私のクリニックにはそうした患者さんでも納得していただける秘策があります。
それは他の病院には無い、何百例ものハビットティックの治療前・後の症例写真。もちろん我々自身が治療したケースの写真です。ご自身とそっくりの爪の変形が、そして今までどの医師も診断も治療もできず、治らないと半分あきらめて長年悩んできた爪が、まるで魔法のように治っている様子をご自身の目で確認していただくのです。
今まで保湿やマッサージなどの治療法を提案はしても症例写真を見せてくれた医師はいないのですから遙かに説得力があるはずです。
更に今ではYoutube動画やこのブログを読んだ患者さんが治療への理解を深められた上で来院されますので、私にとっても患者さんにとっても最短で治癒に結びつく良い環境になりました。
水虫に違いないと思い込んでいた患者さん達もそうした情報で治療に納得し、信頼していただける。そして少しづつご自身の事を話していただけるようになることもあります。
「実は少しだけいじる癖があるんです・・・。」「でも爪は硬いから癖で変形するなんて信じられなくて・・・」と・・そりゃそうです。
あんな硬い爪がちょっとイジるくらいで変形するなんて普通の方は思いません。
でも指先ではカチカチに硬い爪も、付け根でまだ生まれたばかりの時はすごく柔らかいのです。
患者さんの中には「やっと希望が持てました!!」と、治療が始まる前から喜びの涙を流される患者さんもいらっしゃいます。
今まで医師に見捨てられたようでとても辛かったんだろうなぁと我々も同情していまいます。
そう、ハビットティックでの最大の問題は、これを知らないお医者さんが非常多いこと。日本の教科書には載ってません(2016年から一部の本に載るようになりました)からしょうがないのかもしれません。そういう私も、海外の医学雑誌や文献を探してようやく見つけたのです。試しに「habit tic」でググってみてください。外国の写真がヒットしますが国内の医師が撮影した写真はありません(2023年5月現在)
さて、次回のブログではハビットティックとストレスの関係について、そしていよいよその治療法についても解説していきます。
「抜糸(ばっし)」についての良くある質問 神楽坂 肌と爪のクリニック 院長野田弘二郎
神楽坂肌と爪のクリニックhttp://hadatotsume.com
海外で受けられた美容外科手術後の
抜糸は当院では行いません
紹介状のない方の抜糸ご依頼も承りかねます。
ご理解いただきますようお願いいたします。
当院の患者さんよく聞かれる質問に「ばっし」についてがあります。今回はこのばっしについてお話しします。
「ばっし」とは、同じ発音で全く違う意味を持つ用語があります。
ひとつは歯科用語で、智歯(親知らず)やう歯(虫歯)などの歯を抜くことを指す「抜歯(ばっし)」。
もうひとつは傷口を縫った後、数日経ってから糸を抜きとることを意味する「抜糸(ばっし)」があります。
※歯科用語では、同じ発音のため混同しないように「抜糸」のことをあえて「ばついと」と言いますが、抜歯を滅多にしない(実は医師でも顎の手術で抜歯することがあるんです)お医者さんにはなじみの無い言い方です。
今回は「抜歯(ばっし)」ではなく、患者さんから聞かれる「抜糸(ばっし)」に関しての質問についてお話したいと思います。
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抜糸(ばっし)って痛いですか?
抜糸(ばっし)は痛いのか?
答えは、抜糸は痛くありません。
正確に言えば、昔は痛かったけど、今は痛くありませんということになります。それには理由があります。
私が医師になった20年以上前、当時研修したお腹の外科手術などで皮膚を閉じる時に縫合糸として使われていたのが天然繊維である絹糸を何本も撚り合わせた糸でした。
「シルクスーチャー」、あるいは単に「シルク」と呼んでいました。また太さも0.2~0.3ミリほどと太い物でした。
このような天然繊維の太い撚り糸は繊維の間に組織の一部や浸出液や血液が固まったかさぶたが入り込み、糸と皮膚が癒着(くっついて)しまいます。
そのため、抜糸(ばっし)のとき癒着が無理にはがされて痛みが起きていたんですね。
最近では傷口を縫う糸の素材としてナイロンを使っているので、昔とはまず糸の材質に違いがあります。
ナイロン糸はストッキングにも使う表面がつるつるした材質で、撚り糸ではなく1本の繊維でできた糸で皮膚と癒着(ゆちゃく)することもないため抜糸の時も「スルッ」と抵抗なく抜けるため痛みが無いんです。
また、また当院のような顔の縫合を多く行うところでは糸の太さも0.05~0.06と髪の毛よりも細い糸を使っています。
更に、糸の跡を残さないように糸をユルく結んだり、抜糸の時も糸をできるだけ引っ張らないなどキズを優しく扱えば抜糸は本当に痛くないのです。
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抜糸(ばっし)をするときに麻酔をしますか?
手術をするときは、もちろん麻酔をしますが「抜糸でも麻酔をするんですか?」と患者さんから聞かれます。
答えは、抜糸(ばっし)をするときに麻酔をすることはありません。
なぜなら、手術は麻酔をしないと当然痛みを伴いますが、抜糸(ばっし)は痛くないので麻酔をする必要がありませんよね?
抜糸そのものが痛みがないのに、わざわざ麻酔の注射で患者さんに痛い思いをさせたいと考える医師はいません。
また、稀に「どうしても麻酔をしてほしい」と言われることもありますが、麻酔液を注入する圧力で、傷口が開いてしまう可能性があるので実際に麻酔をしたことはありません。
抜糸(ばっし)は、痛くないので麻酔の必要もありませんので、ご安心ください。
因みに生後3ヶ月くらいの乳児で顔の精密な手術後に抜糸をする際、非常に希ではありますが全身麻酔をすることがあります。リスクを考えると必ずしも薦められませんし、いずれにしても非常に希です。
どのくらいで抜糸(ばっし)するんですか?
抜糸(ばっし)までの期間は、傷のくっつきやすさや体の部位にもよって違いがあり、5日から2週間の間で抜糸(ばっし)します。
「そんなに早く抜糸(ばっし)していいの?」
「傷はちゃんとくっついているの?」
この抜糸(ばっし)までの期間を早いと感じたり、不安な気持ちになる患者さんもいらっしゃいますが、実はキズは抜糸(ばっし)する糸と皮膚の中に埋め込んだ中縫いの二重になっているため開くことはありません。そしてこの中縫いは抜糸しません。
キズがナイロン糸で縫われた状態
抜糸後、半年ほど経った状態。キズはほとんど見えません。
顔のように血流がよく、傷が早くくっつく部位などは、5~10日の早めに抜糸(ばっし)をするんですね。
抜糸(ばっし)が早い方が糸の跡を残しにくいというメリットがあるんです。
抜糸(ばっし)を必要以上に遅らせるとムカデの足のような糸の跡を残すことがあります。
実際にはムカデの足のような跡は傷の縫い方、結び方、糸の材質なども関係するので抜糸の時期だけの問題ではありませんが・・。
逆に血のめぐりが良くない手足や、力のかかる関節部、真皮が薄くて傷がくっつきにくい頭皮や足の裏などは、逆に遅らせて2週間待って抜糸(ばっし)をします。
ただ、あまり抜糸(ばっし)が遅すぎると、糸が埋もれて取れなくなってしまったり、めり込んでしまい糸が見えなくなってしまうことがあるため危険なので何カ月も抜糸(ばっし)せずに放置するなんてことはしないでください。
結論としては、抜糸(ばっし)は適切な時期に抜くことが理想的なのです。そしてその時期は施術をした医師が決定します。
溶ける糸で縫わないんですか?
これも良く聞かれます。
吸収糸といって抜糸(ばっし)が必要なく、時間が経つとボロボロと自然と脱落する糸があります。皮膚や口の中を縫う時は溶ける糸といっても溶けてなくなるわけではないんです。
この糸はナイロン糸とくらべて糸の跡が残りやすいという決定的なデメリットがあります。キズと癒着しやすい(組織反応が強い)ことと自然に脱落するまで1ヶ月以上かかるためです。
また皮膚では感染のリスクを高める欠点あるため、通常は皮膚の縫合には使われず、もっぱら粘膜や皮下組織の縫合に使われます。
つまり溶ける糸はデメリットが多すぎるため皮膚の縫合には使わないのです。
ついでに言えば生体接着糊で「くっつけてしまう」方法もあります。キズがくっついた後、糊は剥がれ落ちるので抜糸(ばっし)も不要です。
ただしこの方法はキズ同志を正確に合わせることが出来ず、場合によっては段ができたり、傷口に食い込んでキズ跡が目立ってしまったりすることがあります。そのためキズを仕上がりを重要視する手術、つまり形成外科や美容外科手術では普通使いません。
今回は抜糸(ばっし)についてよくあるご質問にお答えしました。ご質問があればお寄せ下さい。
抜糸って誰でもできますか?
自分で抜糸ができませんか?近所の病院で抜糸してもらっても良いですか?どこで抜糸しても一緒ですよね?時々いただくご質問です。
当院は全国から耳垂裂や巻き爪手術を希望される患者さんにおいでいただきますが、遠方にお住まいの患者さんでは抜糸のために再度ご来院いただくことが難しいことがあります。その場合は紹介状を作成し、ご自宅近くの医療機関で抜糸処置を受けていただくことも可能です。
ただし、医療機関ならどこでも良いというわけではありません。特に耳や顔の手術のように非常にデリケートな手術の場合は糸が非常に細く、糸の掛け幅も極小で縫合されているため抜糸には特別な器具が必要になりますし、技術的にも難しいものになります。
そうした器具、技術のない医師が抜糸をした場合、そもそも抜糸が出来ない、出来ても糸を皮膚の中に残してしまったり、最悪キズ跡を傷めて出血し、仕上がりにまで影響が出てしまうことがあります。患者さんは期待通りに仕上がりにならないことにもなりかねませんし、せっかく丹精込めて綺麗に縫合した我々術者もガッカリです。
では、だれに頼めば綺麗に抜糸してもらえるでしょうか?確実なのは「形成外科専門医」資格を持っている医師です。いろいろある専門医としてはレアな資格になりますが、少し大きな町であれば一人二人捜せるはずです。美容外科という手もあるのですが、医師によるレベルの差が激しいですし、そもそも保険診療をやっていなかったりすると通常数百円ほどの抜糸処置に数千円支払うことになります。
因みに当院院長と副院長は形成外科専門医の資格を持っており、他の病院で縫合された患者さんの抜糸も承りまわっております。但し、美容外科手術、脂肪吸引手術などの抜糸は当院では承っておりませんのでご理解のほどお願いいたします。海外での美容手術は術後のトラブルが特に多く、そのトラブルの対応は出来かねるからです。
手術をした医師としてはやはり手術にやりっぱなしは責任を果たせていないようで嫌なものです。そのため当院では、関東圏の患者様にはなるべく抜糸のために再診していただくようお願いしております。
こうした抜糸ですから自分でやるのは現実的ではありません。また抜糸せずに糸放置すれば糸の跡がくっきり残りますのでこれもやめた方が良いでしょう。
院長 フジテレビ『ノンストップ』 生出演
本日 肌と爪のクリニック院長が、
朝の情報番組『ノンストップ』に
またまた出演の依頼を頂き行ってまいりました!!
しかも生出演させていただいております!
個人的には 設楽さんから、ボケコメントを頂いた辺りの掛け合いが面白かったです笑
内容ですが
乾燥の季節に健康的な爪を保つ方法や、
内臓疾患が推測出来る爪の変化などです。
↓院長の顔がちょっとコワイですかね
出演に伴い、院長診察が休診となっておりました時間帯には
大変ご迷惑をおかけ致しました。
ご協力ありがとうございました
神楽坂 肌と爪のクリニック
http://www.hadatotsume.com/treatment/treatment.html
NHK おはよう日本!
おはようございます
NHK の朝の情報番組 《おはよう日本》から取材のご依頼を頂きまして、
院長が本日11月8日放送分に出演予定です
巻き爪の治療、予防についてお話しさせていただいておりますので、
よろしければご覧ください
メディア掲載情報を更新いたしました✨
お知らせです.
8月10日に発売されました
PHP研究所「PHPのびのび子育て」9月号
足トラブル解決&フットケア これで安心(94~97ページ)
外反母趾、ウオノメ、タコ、巻き爪などの原因・治療、日頃行えるフットケアなどについて院長が詳しく解説しております。
よろしければご覧ください
。
また半年ぶりに
当クリニックのメディア掲載情報も更新しておりますので、合わせてご覧いただけますと幸いです。
皆様毎日暑い日が続きますが、熱中症などどうぞお気をつけください
。
神楽坂 肌と爪のクリニック
https://www.hadatotsume.com/media/
朝日新聞朝刊
今朝の朝日新聞医療面で、
院長が読者の皆様の爪に関するご質問にお答えさせていただきました
http://www.asahi.com/apital/articles/SDI201606088646.html?iref=com_api_hea_hatenatop
割れ爪に関してです。よろしければご覧ください
当クリニックでは、医師の診察の上、経験豊富な医療ネイリストが施術を行っております。
初診時爪の先端が割れてずっと治らず、洗髪や着替えなどの日常生活が不便なために来院されました。
⬇️施術後ジェルやアクリル樹脂を用いて、割れた部分を塞ぐように固定をします。施術直後から、とても快適に過ごしていただけます。
爪に関するご相談はこちらまでお願いいたします。
神楽坂 肌と爪のクリニックhttp://www.hadatotsume.com/treatment/wire/wire.html
フジテレビ ノンストップ 院長出演させていただきました
フジテレビ午前の情報番組ノンストップさんから、全身の80%に大やけどを負った方の記事をうけて取材依頼をいただき、本日放送されましたm(_ _)m.
院長が重症熱傷についてご説明させていただいております
神楽坂 肌と爪のクリニックhttp://www.hadatotsume.com