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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

「抜糸(ばっし)」についての良くある質問

当院の患者さんよく聞かれる質問に「ばっし」についてがあります。今回はこのばっしについてお話しします。

「ばっし」とは、同じ発音で全く違う意味を持つ用語があります。

ひとつは歯科用語で、智歯(親知らず)やう歯(虫歯)などの歯を抜くことを指す「抜歯(ばっし)」。

もうひとつは傷口を縫った後、数日経ってから糸を抜きとることを意味する「抜糸(ばっし)」があります。

※歯科用語では、同じ発音のため混同しないように「抜糸」のことをあえて「ばついと」と言いますが、抜歯を滅多にしない(実は医師でも顎の手術で抜歯することがあるんです)お医者さんにはなじみの無い言い方です。

今回は「抜歯(ばっし)」ではなく、患者さんから聞かれる「抜糸(ばっし)」に関しての質問についてお話したいと思います。

抜糸(ばっし)って痛いですか?

抜糸(ばっし)は痛いのか?
答えは、抜糸は痛くありません。

正確に言えば、昔は痛かったけど、今は痛くありませんということになります。それには理由があります。

私が医師になった20年以上前、当時研修したお腹の外科手術などで皮膚を閉じる時に縫合糸として使われていたのが天然繊維である絹糸を何本も撚り合わせた糸でした。

「シルクスーチャー」、あるいは単に「シルク」と呼んでいました。また太さも0.2~0.3ミリほどと太い物でした。

このような天然繊維の太い撚り糸は繊維の間に組織の一部や浸出液や血液が固まったかさぶたが入り込み、糸と皮膚が癒着(くっついて)しまいます。

そのため、抜糸(ばっし)のとき癒着が無理にはがされて痛みが起きていたんですね。

最近では傷口を縫う糸の素材としてナイロンを使っているので、昔とはまず糸の材質に違いがあります。

ナイロン糸はストッキングにも使う表面がつるつるした材質で、撚り糸ではなく1本の繊維でできた糸で皮膚と癒着(ゆちゃく)することもないため抜糸の時も「スルッ」と抵抗なく抜けるため痛みが無いんです。

また、また当院のような顔の縫合を多く行うところでは糸の太さも0.05~0.06と髪の毛よりも細い糸を使っています。

更に、糸の跡を残さないように糸をユルく結んだり、抜糸の時も引っ張らないなどキズを優しく扱いますので抜糸は本当に痛くないのです。

抜糸(ばっし)をするときに麻酔をしますか?

手術をするときは、もちろん麻酔をしますが「抜糸でも麻酔をするんですか?」と患者さんから聞かれます。

答えは、抜糸(ばっし)をするときに麻酔をすることはありません。

なぜなら、手術は麻酔をしないと当然痛みを伴いますが、抜糸(ばっし)が痛くないのに麻酔をする必要がありませんよね?

抜糸そのものが痛みがないのに、麻酔の注射の方が痛いなんて、わざわざ痛い事をするという見合っていない理由からです。

また、稀に「どうしても麻酔をしてほしい」と言われることもありますが、麻酔液を注入する圧力で、傷口が開いてしまう可能性があるので実際に麻酔をしたことはありません。

抜糸(ばっし)は、痛くないので麻酔の必要もありませんので、ご安心ください。

どのくらいで抜糸(ばっし)するんですか?

抜糸(ばっし)までの期間は、傷のくっつきやすさや体の部位にもよって違いがあり、5日から2週間の間で抜糸(ばっし)します。

「そんなに早く抜糸(ばっし)していいの?」
「傷はちゃんとくっついているの?」

この抜糸(ばっし)までの期間を早いと感じたり、不安な気持ちになる患者さんもいらっしゃいますが、実はキズは抜糸(ばっし)する糸と皮膚の中に埋め込んだ中縫いの二重になっているため開くことはありません。この中縫いは抜糸しません。

腫瘍切除後の縫合

キズがナイロン糸で縫われた状態

ほくろ

抜糸後、半年ほど経った状態。キズはほとんど見えません。

顔のように血流がよく、傷が早くくっつく部位などは、5~10日の早めに抜糸(ばっし)をするんですね。

抜糸(ばっし)が早い方が糸の跡を残しにくいというメリットがあるんです。

抜糸(ばっし)を必要以上に遅らせるとムカデの足のような糸の跡を残すことがあります。

実際にはムカデの足のような跡は傷の縫い方、結び方、糸の材質なども関係するので抜糸の時期だけの問題ではありませんが・・。

逆に血のめぐりが良くない手足や、力のかかる関節部、皮膚が薄くて傷がくっつきにくい頭皮や足の裏などは、逆に遅らせて2週間待って抜糸(ばっし)をします。

ただ、あまり抜糸(ばっし)が遅すぎると、糸が埋もれて取れなくなってしまったり、めり込んでしまい糸が見えなくなってしまうことがあるため危険なので何カ月も抜糸(ばっし)せずに放置しないでください。

結論としては、抜糸(ばっし)は適切な時期に抜くことが理想的なのです。

溶ける糸で縫わないんですか?

これも良く聞かれます。

吸収糸といって抜糸(ばっし)が必要なく、時間が経つとボロボロと自然と脱落する糸があります。皮膚や口の中を縫う時は溶ける糸といっても溶けてなくなるわけではないんです。

この糸はナイロン糸とくらべて糸の跡が残りやすいデメリットがあります。キズと癒着しやすいことと自然に脱落するまで1ヶ月以上かかるためです。

また皮膚では感染のリスクを高める欠点あるため、通常は皮膚の縫合には使われず、もっぱら粘膜や皮下組織の縫合に使われます。

つまり溶ける糸はデメリットが多すぎるため皮膚の縫合には使わないのです。

ついでに言えば生体接着糊で「くっつけてしまう」方法もあります。キズがくっついた後、糊は剥がれ落ちるので抜糸(ばっし)も不要です。

ただしこの方法はキズ同志を正確に合わせることが出来ず、場合によっては段ができたり、傷口に食い込んでキズ跡が目立ってしまったりすることがあるので使いません。

今回は抜糸(ばっし)についてよくあるご質問にお答えしました。ご質問があればお寄せ下さい。

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※2017年7月28日より副院長外来(火、木、土の午前の部)を当面休診とさせていただきます。その間は院長の代診となります。
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