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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ
カテゴリ:ほくろ、おでき、シミ、レーザー

治療後の経過に関する誤解。症例写真はいつ撮影?【ほくろ除去の誤解シリーズ4】

  • 2025.10.07

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。

YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

ホクロ除去の誤解シリーズ第4回、今回取り上げるのは、ほくろ除去後キズの完成にいたる迄の

経過に関する誤解です。

これからホクロを取ろうと考えている方で、

いつからメイクできるのか、
症例写真みたいにキレイになるのはいつか?
どの季節に治療するのが最適か?
結婚式などのイベントの何ヶ月前に治療を受ければ良いか?

これらについて正しくイメージできていますか?

治療前に是非知っておくべきことばかりですが、

」実はここには思い込みや誤解が大変多いのです。

「こんなはずじゃ無かった」と後悔しないように本記事を是非最後までご覧いただき、
ご家族やお友達とも共有していただければ嬉しく思います。

1.ホクロ除去後には必ずキズが残る

2.術後いつからメイクできる?

3.症例写真の真実

4.瘢痕の成熟過程

5.キズ跡にテープを貼るべきか?

6.ほくろ除去に最適な季節はいつか?

7.ホクロ除去はイベントのどのくらい前に受けるべきか?

8.まとめと大切なメッセージ


1.ホクロ除去後には必ずキズが残る

まず向き合っていただきたいのは、

ホクロ除去後には「必ずキズが残る」という事実です。


「レーザーのような先進的な機器を使えば、ホクロをとっても傷跡が残らないのではないか?」
「美容外科で10万円も払えば跡は残らないのではないか?」

これは非常にありがちな思い込みです。

ホクロ除去後のキズを楽観的に考え、過小評価すれば後悔することになるでしょう。

我々医師にできるのは、

ホクロを手品のように消し去ることではありません。
出来るだけ目立たないキズ跡に置き換えると言うことです。
そしてそのキズ跡は、長い時間をかけて徐々に目立たなくなっていく物なのです。

もちろん最終的な結果は術式や医師のスキルによって大きく異なりますが、
完成までの経過は同じように辿ります。

手術後のキズの赤みやデコボコを目の当たりにして不安に陥る患者さんは少なくありません。
私たちは、その不安に向き合い、誤解を解きつつ正しい情報を提供できるよう努力しています。
今回の記事・巻末に埋め込んだ動画は、その取り組みの一環として制作しました。

2.術後いつからメイクできる?/h2>

まず、「ダウンタイム」という言葉について、改めてお話しさせてください。


ダウンタイムとは
「治療後の赤みや腫れ、かさぶたなどが目立ち、社会生活に支障が出る期間」
のことです。

その期間は治療法によって異なり、
メスによる手術で1週間前後、レーザーではその2、3倍というお話を前回の動画でさせていただきました。まだの方はこちらの動画も是非ご覧下さい。


この時期を過ぎればキズに軟膏を塗ったり、バンドエイドで覆う必要は無く、
医師の許可があればキズの上に直接メイクもできるようになります。

しかしまだ完全に治ったというわけではありません。


この時期は傷跡はまだ赤みが目立ち、デコボコやしこりを触れることがあります。

皆さんにとって気になるのは、それらがキレイに無くなってキズが完成するまでの期間、
言い換えればノーメイクでも傷跡が目立たなくなるのはいつか?と言うことではないでしょうか?

つまり皆さんにとってのダウンタイムは
医師の考えるダウンタイムよりずっと長いと考えるべきなのです。
皆さんは治療前にその期間を知っておくべきですし、我々医師はそこまで配慮した上でしっかりと説明すべきだと思うのです。

3.症例写真の真実

医療機関のホームページ等には、
術後のイメージを分かりやすく伝えるために多くの症例写真が掲載されています。

Ai生成イメージです

悪質なクリニックを除けば、症例写真には切り取り以外の加工や修正はされません。
キレイに仕上がった多くの症例写真があればクリニックを選択する上での安心材料になるでしょう。

皆さんはそれらをご覧になって、術後の状態を想像されることと思います。
しかし治療後直ぐに、症例写真のようになると誤解してしまうと「こんなはずじゃなかった」と落胆することになります。

あの症例写真というものはいつ撮影されるものかご存じでしょうか?

誤解されている方も多いのですが、治療後すぐに症例写真のようになるわけではないのです。
実は、ほくろに限らず、皮膚の術後写真というものは通常「手術の1年後」撮影されます。
学会報告や医学雑誌など医師同士の情報交換や、専門医の資格審査でも6ヶ月から1年の写真を示すのが標準です。

なぜならキズの完成には丸一年かかるからです。

キズ跡は通常3ヶ月をピークに赤みと硬さが目立ち、1年かけて周りの皮膚と馴染んでいきます。
赤みだけでなく手術によってできた「ドッグイヤー変形」と呼ばれる傷口の端の盛り上がりも、
多くの場合時間とともに目立たなくなるので、キズを短くするために部位によっては敢えてドッグイヤー変型を残すこともあります。

言い換えれば一年以内はキズ跡が良くなる余地があり、
1年を過ぎてしまうと固定化され、その後の改善はほとんど期待できないということです。]

つまり症例写真を見る時は、ホクロ除去一年後の状態としてイメージする必要があるのです。
決して一週間後ではないことに留意して下さい。

また症例写真はあくまでイメージです。

決してそうなることが保証されている訳ではありません。

実際には、ホクロの位置、大きさ、術式、医師のスキル、患者さんの肌質などによって結果が大きく異なることもしばしばです。
かといって経過の思わしくない写真ばかり提示すれば患者さんは混乱することでしょう。

症例写真は旅行会社のパンフレットにある「イメージ写真」位の気持ちで見ると良かもしれません。




これは裏話ですが、
術後1年後の写真を撮影させていただくのは実は簡単ではありません。

お忙しい中、問題なく仕上がった結果をわざわざ見せに来ていただける奇特な方はいらっしゃらないからです。当院の術後症例写真は、どれも別のホクロを取りに来院されたリピーターの方達です。
結果を気に入っていただいてリピートしていただけるわけですから、症例写真に結果の良いものばかり集まるのはある意味当然かも知れません。

4.瘢痕の成熟過程/h2>

キズは直ぐ治っても、キズ跡として完成する迄には一年もの長い期間がかかるわけですが、その間、身体の中では何が起きているのでしょう?

治癒からキズ跡の完成までは次の四つの段階に分けられます。


止血期(数分~数時間):ホクロ除去後、最初の数時間で血小板が集まって止血され修復準備が始まります。

  • 炎症期(数日)数日で炎症細胞が集まりキズの修復が進みます。毛細血管が拡張して必要な材料が血液を介して運び込まれます。この時期は腫れや痛みがありますが、炎症が過剰にならないようロキソニンなど消炎鎮痛剤でコントロールします。

増殖期(1~3週間)線維芽細胞がコラーゲンを生成して肉芽組織を作り欠損を埋めます。酸素と栄養を供給するために新しい毛細血管が作られます。周辺からは上皮細胞が伸びてキズが覆われます。ここまで約1〜3週間です。

成熟期(数か月~1年)数ヶ月かけて肉芽が成熟し、コラーゲンに置き換えられます。傷口が引き締まるためしこりとして触れます。この状態は未成熟瘢痕と呼ばれ、修復途中のため豊富な血流により赤みも強くなります。半年以降、瘢痕の成熟が進むとコラーゲンがキレイに並び替えられ、柔らかくなっていきます。役目を終えた毛細血管が本来の密度と太さに戻るので傷跡の赤みが薄くなっていきます。このように約1年かけて完成したキズ跡は成熟瘢痕と呼ばれます。

このような経過が滞りなく進むことでキズ跡は徐々に目立たなくなっていきます。

適切な方法でホクロを取り除き、創傷治癒の正しい見識に基づいて理想的な環境を整え、創傷治癒の邪魔をしないように自然治癒に導くのが医師のとるべき姿勢だと考えています。

経過中に行うことで結果を左右するほどの治療機器や特別な塗り薬は存在しません。
本当に必要なのは職人的スキルと長い経験、そして時間の経過といった地味なものばかりです。
ホクロ除去を受けたら、あとは紫外線の悪影響を避けながら、焦ること無く瘢痕の成熟を待つことで、1年後には得られるべき最良の結果となるでしょう。

5.キズ跡にテープを貼るべきか?

患者さんから、ホクロ治療後にテープを貼った方が良いか?というご質問を良くいただきます。

キズ跡をキレイにするためにテープを貼ることを勧める医師が大変多いからです。
いや、むしろそれが普通と言っても良いでしょう。


テープを貼るのはキズの緊張を緩めたり、紫外線を避けるのが目的です。

実は、私はホクロ除去後にテープを貼る必要はないと考えています。


四肢で使うことがありますが、顔には使いません。
顔にテープを貼るのは見た目が良くないですし、快適性に欠けるので1年間も続けるのは簡単ではないと思います。
なによりテーピングで本当に緊張が取れるのか疑問に思っています。
また糊によるかぶれや色素沈着を起こすリスクもあります。

私の考えではキズの緊張を緩めるのは、
手術の時点で医師の手によりしっかり行われるべきなのです。

患者さんはキズ跡に過度の緊張がかからないよう数ヶ月の間安静を心がければ良いのです。
日焼け対策はもちろん必要ですが、日焼け止めを塗るほうが簡単かつ快適で続けやすいと思います。

私はキズがキレイになるかどうかは、術後のテープ云々ではなく、治療法の選択と医師のスキルで決まると考えています。

つまりは実は皆さんがクリニックを選んだ段階で結果は既に決まっているのです。

ですから、治療後にあれこれ心配しても無意味かもしれません。

そんなことよりも良いクリニック選びに注力する方が、余程大切かつ現実的と言えるのではないでしょうか?

6.ほくろ除去に最適な季節はいつか?

誤解が多いのですが、


夏場で気温が高いとバイ菌が増えるからキズが化膿しやすいというのは全く間違いです。
実は感染のリスクに季節による差異はありません。

正しく管理されていれば、どの季節であっても化膿はしません。

これもネットに書かれているのか、季節による紫外線の強さを気にされる患者さんも多いです。
実際にはこれも結果に差はありません。
紫外線はキズの赤みを長引かせ、色素沈着のリスクを高めますので対策が必要です。
そしてその期間は瘢痕が成熟するまでの「治療後1年間」なのです。つまりいつ治療するにしても季節は一周するのですから日焼け対策が必要なことに変わりありません。

これらのことからホクロ除去に最適な季節というものはなく、いつ治療を受けても差はないということがお分かり戴けるかと思います。

7.ホクロ除去はイベントのどのくらい前に受けるべきか?

結婚式などの大切なイベントが控えている場合、その何ヶ月前に治療を受ければ良いでしょうか?


これまでの説明でお分かりかと思いますが、イベントの1年以上前ということになります。
しかし、それでは間に合わないという方も多いでしょう。


実際はキズ跡の赤み程度ならコンシーラーで簡単に隠すことができます。

飛び出した大きなホクロはさすがに隠せませんのでイベントの2~3ヶ月位前までに除去すれば良いでしょう。もちろんそれには良い治療を受ければ、という前提があることは言うまでもありません。

酷い凹みや歪みが残ってしまった場合、メイクでも隠すことができず、場合によっては再手術が必要となることもあるからです。

なお結婚写真の前撮り等、撮影の場合は、傷跡やホクロがあっても加工修正できるので安心して下
さい。


繰り返しになりますが、治療後1年というのはノーメイクでもキズが目立たなくなるまでの
期間なのです。

8.まとめと大切なメッセージ

今回の記事では、ほくろ除去後の経過について、ありがちな誤解を解きながら解説しました。

ポイントは次の2点です。


1.焦らないこと
:術後すぐにキズ跡がキレイになるわけではありません。完成は1年後であるこ
とを忘れないで下さい。途中経過が予想と異なっていることに慌ててしまい、別の医療機関に修正
を依頼したりすれば状況が複雑化してしまい、決して良い結果には結びつきません。じっくり結果
を待つ心構えで治療を計画して下さい。

2.信頼できるクリニック選び:傷跡が目立つかどうかを決めるのは、ここが全てです。キズの説
明をごまかしたり、ぼやかしたりする医師は避けて下さい。是非時間をかけて複数候補から慎重に
選びましょう。ネット上の問合せではなく、必ず執刀医から直接話しを聞いてから判断して下さい。
最初にカウンセラーや大学病院派遣のバイト医が説明をするクリニックを選ぶ際はよほど慎重にな
って下さい。説明と治療結果の責任は執刀医自身が負うべきだからです。

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電話なら当日予約可能。突然の痛みや手術希望にも可能な限り対応いたします。

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【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

術後ケアの誤解で後悔しないで!【ほくろ除去の誤解シリーズ3】

  • 2025.09.22

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。

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ホクロ除去の誤解シリーズ第3回の今回は、

ホクロ除去後のケアに関する誤解について深掘りしていきます。

皆さんはホクロ除去を考える時、治療法やクリニック選びについて

時間をかけて慎重に検討されることでしょう。

しかし、理想的な治癒や美しい傷跡に仕上げるには、
「適切な術後ケア」も同じくらい大切なのです。

ところが術後のケアには誤解や思い込みが多く存在し、
それによって期待した結果が得られないケースも少なくありません。

そこで今回は、術後のキズの手当てにまつわるありがちな誤解を解き、
短いダウンタイムでより美しく治癒させるための方法を解説します。

この内容は、手術後だけでなく日常のケガの手当にも役立ちます。
ぜひ最後までご覧いただき、ご家族やご友人とも共有していただければ幸いです。

1.キズのケアに関する典型的な誤解

2.ホクロ除去法によるキズの治り方の違い

3.ホクロ除去後ケアの3大原則

4.終わりに


1.キズのケアに関する典型的な誤解

これらはいずれも、一般の方にとっては“常識”とされてきた傷の手当て法です。

しかし実は、すべて誤解であり正しい知識ではありません。

中には、いまだにこうした考え方を持つ医師も少なくないのが現状です。

しかし、この30数年で「傷の治り方」、すなわち創傷治癒の概念は大きく変化しました。

これから、最新の知見に基づいた理想的なホクロ除去後のケアについて解説していきます。

ところで皆さんは、ホクロ除去後にキズがどのように治っていくのか
正しくイメージできていますか?

適切な術後ケアのためにも、まず知っていただきたいのが、
治療法による術直後のキズの状態とその治り方の違いです。

ホクロ除去には主に「レーザーによる除去」と「メスによる除去」の2つがあります。

<レーザー除去>

数百度もの高熱でホクロを瞬時に気化させる方法で、これを「蒸散」と呼びます。
レーザーでは避けられない熱ダメージ(=火傷)が周囲の皮膚に加わります。
さらに、焦げ付いたカスをガーゼでこすり取って除去する必要があります。

<メスによる手術>

鋭い刃物でホクロを直接切り取る方法です。
熱を使わないため、周辺組織へのダメージがありません。

<レーザーの場合(二次治癒)>

除去で生じたホクロと同サイズで、ミリ単位の皮膚欠損が肉芽組織で少しずつ埋まり、
周囲から伸びてくる上皮で覆われて治癒します。これを「瘢痕治癒」と呼びます。

欠損部分をぴったりと縫い合わせて閉じる「直接縫縮」によって治癒します。
縫合部に生じるミクロン単位の隙間は肉芽で埋められ、自然に治っていきます。

<レーザーの場合>
欠損を埋めるのは瘢痕組織のため、テカテカした質感になったり、
欠損が大きい場合は凹んだり、治癒に時間がかかることで逆に盛り上がることもあります。
これを「肥厚性瘢痕」と呼びます。

<手術の場合>
正常な皮膚を縫い寄せることで欠損を閉じるため、
質感は自然で凹みも残りにくいのが特徴です。


これはあくまで私個人の考えですが、

手術の方がレーザーより傷跡がきれいに仕上がりやすいのは、
治癒の過程で生じる瘢痕の量が圧倒的に少ないことに根拠があります。

レーザーは二次治癒であり、さらに熱ダメージが加わるためダウンタイムが長くなります。大きさにもよりますが、顔では通常7〜21日程度かかります。


一方、手術は5~7日後の抜糸翌日からメイクも可能で、ダウンタイムは半分程度です。

医師でも誤解している人が多いのですが

「手術は傷が深いのでダウンタイムが長くなる」
}というのはまったくの間違いです。
レーザーと違い、キズを一次治癒させる手術では、
欠損の深さとダウンタイムはまったくの無関係だからです。

ホクロ除去には、レーザーやメス以外にも
電気メスやトレパン(円形の刃物でくり抜く方法)があります。

治り方はどちらもレーザーと同じ二次治癒(実はトレパンでは一次治癒も可能ですが、多くの医師は2次治癒させる方、つまり糸で縫わずに瘢痕治癒を待つを選択します)なので、傷跡は瘢痕組織で埋められダウンタイムが長めです。

トレパンの場合は、刃物なので熱ダメージが加わらない分、有利です。

しかし欠損はホクロの大きさではなく、
パンチの規格直径によって決まるので欠損がホクロより常に一回り大きくなり、その分ダウンタイムも長くなります。

このように、メスによる切除と、それ以外(レーザー、電気メス、トレパン)ではキズの状態、治癒の仕方が異なります。

治療法に応じた最適な術後ケアを行うことで、最良の結果が得られます。

3.ホクロ除去後ケアの3大原則

ここからが、いよいよ本題です。

速やかに美しく治癒させるには、どんなケアをすれば良いのでしょうか?

もちろん、治療を担当した主治医の指示が最優先です。

しかし大切な基本原則はどのようなキズであっても同じ、

それは

「清潔・湿潤そして安静」

です。詳しく説明していきます。

1. 清潔にする

誤解している方が非常に多いのですが、消毒液ではキズは清潔にはなりません。

むしろ細胞を傷つけてしまい、治りを遅らせたり、かぶれの原因になることがあります。

キズをきれいに治したいなら、固定観念は捨てて消毒はやめましょう。
繰り返しますが、消毒液ではキズは清潔にはならないのです。

清潔を保つうえで一番大切なのは「水(ぬるま湯)で洗うこと」です。

心理的に抵抗を感じる方も少なくありませんが、これが最も確実な方法です。
「お湯の中にバイ菌がいる」と思われがちですが、それは誤解です。バイ菌はいません。

一方で、私たちの肌には常在菌と呼ばれる細菌が常に存在しています。
化膿菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌もいるのです。
特にキズの周辺ではそれらの菌が増えている状態です。
この“増えすぎた菌”を物理的に洗い流すことこそ、最も確実に清潔に保つ方法なのです。

具体的に説明します。

手術当日または翌日からは、
石鹸と温かいお湯でキズをやさしく洗うのが最も良い方法です。

まず、温かいシャワーでキズを軽くすすぎます。
このとき、こすらないよう注意してください。

手術当日は少ししみることがありますが、
2日目以降はほとんど感じなくなります。

また、先ほどもご説明した通り、ホクロを手術で取った場合、
縫い寄せた部分にはミクロン単位のごく小さな隙間が存在します。

手術後にはわずかな出血があり、その血が縫合部の小さな隙間に入り込むと、
その分だけ瘢痕組織が増えてしまうことがあります。

しかし、手術当日からキズを洗えば血の塊を洗い流すことができます。
代わりに隙間が組織液で満たされることで、よりきれいな治癒につながるのです。

軽くすすいだ後は、泡立てた石鹸で傷口をやさしく包み込みます。

これによって、こびり付いた血の塊や古い軟膏が緩み、浮き上がってきます。

石鹸はご自宅にある普通のボディソープで十分です。

薬用石鹸を使う必要はまったくありません。

最後に、再び温かいお湯でやさしく洗い流しましょう。

ただし、説明を受けても「大事にしすぎて洗えない」方が多く、
結果として血の塊や軟膏が固まり、不潔な状態になってしまうケースをよく見かけます。
毎日きちんと洗って、清潔を保つことが大切です。

なお余談ですが、化膿のリスクと季節は関係ありません。

夏は気温が高く、バイ菌が増えるからホクロ除去は化膿しやすい。このように思っている方が多いのですが、これは全くの誤解です。驚くことに、実際にそう説明している医師もいるほどです。

しかし、私はこれまでにあらゆる季節で何万例もの手術を行ってきましたが、
感染のリスクに季節による差は一切ないと断言できます。

2. 湿潤環境を保つ

傷を乾燥させると早く治るというのも誤解です。

早くキレイに治すためには適度な潤いを保つ「湿潤療法」が非常に重要です。

なぜかというと、瘢痕組織が欠損を埋めたり、
そこに速やかに上皮が伸びて覆っていくためには「湿潤環境」が必要だからです。

キズを乾燥させてしまうと、細胞の移動が妨げられ、治りが著しく遅くなります。
その結果、傷跡も汚くなってしまいます。

特にレーザー治療後の傷は、移動しなければならない細胞の量も距離も大きいため、
湿潤環境を保つことがより重要になります。

湿潤環境を保つため、ホクロ除去直後にキズには軟膏が塗られ、
術後に自宅で使用する軟膏も処方されます。

レーザーでの除去の場合は、熱による火傷状態になっているため、
ステロイド系の軟膏が使われることが多いです。

一方、手術での除去では、ゲンタマイシンなど抗生物質入りの軟膏がよく用いられます。

しかし実際には、抗生物質はオマケであり、
湿潤環境を保つ役割は基剤のワセリンが主体となります。

軟膏の代わりにキズパワーパッドなどの
ハイドロコロイド被覆材で傷口を覆うことも湿潤環境の維持に役立ちます。

ホクロ除去は清潔な環境で行われるため、
手術直後に覆ってしまえば、ダウンタイム中も良好な治癒環境を保つことができます。

ただし、手術のように縫合糸でキズが閉じられている場合は、被覆材を使ってはいけません。
ハイドロコロイドなどの被覆材は縫合糸に絡みつき、
剥がすときに糸ごと引きはがしてしまうことがあります。

その結果、ムカデの足のように不自然な傷跡が残ってしまいます。

縫合した創には、キズパワーパッドなどの被覆材を絶対に貼らないと覚えておきましょう。

3. 安静にする

キズをキレイに速く治癒させるためには安静も大切です。

安静とは、じっとして動かないという事ではなく、
キズに負担を掛けないということです。

私のクリニックでは、ホクロ除去後3日間は
運動・飲酒・熱いお風呂を控えていただいています。
これらを行うと血圧が上がり、痛みや出血の原因になるためです。

ホクロ除去では、多少の出血を伴うことがあります。
特に、メスで切り取る手術の場合、術後48時間は再出血のリスクがあります。

目のまわりや口周りなど、皮膚がよく動く部位では再出血のリスクが高まります。
手術中にしっかり止血を行うため、大きなトラブルになることはありません。

しかし、術後に再出血すると数日間、皮膚が紫色や黄色に変色することがあります。
また、わずかではありますが、皮下血腫が瘢痕化する可能性もあるため、

できるだけ再出血は避けたいものです。

ホクロ除去後にロキソニンなど消炎鎮痛剤が処方されることがあります。
主に痛み対策としてですが、それと共に過剰な浮腫、即ちむくみを抑える効果があります。

手術では縫合糸でキズを縫い合わせますが、
鎮痛剤が腫れをコントロールして、糸のくい込みを防いでキレイに治るのを助けます。
そのため痛みがなかったとしても、鎮痛剤の服用をお勧めします。

また、手術の場合、キズをこすると縫合糸が緩んだり外れたりすることがあります。
そのため、キズには触れすぎないよう注意してください。

レーザーの場合、傷にカサブタができることがあります。
カサブタの下では新しい皮膚が伸びてきて、キズが完全に覆われると自然に剥がれます。
無理に剥がすと治癒が遅れ、傷跡が盛り上がったり、色素沈着のリスクが高まるため、
カサブタは自然に取れるまで大切に保護してください。

また、ホクロ除去後のメイクも避けるべきです。

ダウンタイム中は、キズやその周辺にアルコール入り化粧水、
スクラブ、ファンデーション、マスカラなどを使用しないでください。

薬剤や摩擦の刺激が治りを妨げ、化粧品の顔料がキズに入り込むと、
タトゥーのように残る可能性があります。

さらに、治療部位近くのマッサージも控えましょう。
血腫の発生リスクが高まるほか、キズに過剰な負担がかかるためです。

4.終わりに

今回は、ホクロ除去後のケアについて解説しました。

この記事を参考に、正しいケアを行うことで、美しい傷跡に仕上げることができます。

なお、本記事では一般的なホクロ除去を前提に説明しています。

実際のケアについては、必ず担当医師の指示に従ってください。

次回以降もほくろの誤解除去の誤解をシリーズで取り上げていきますので、
どうぞ次回の更新を楽しみにお待ちください。

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【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

ほくろ除去で危ない部位はココ!【ほくろ除去よくある誤解シリーズ1】

  • 2025.07.17

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。

YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

さて、今回のテーマは皆さんにも身近なほくろです。

当院では、ほくろのご相談が非常に多く、
ほくろの手術をしない日はほとんどありません。

そうした日常診療で感じるのは、患者さんのほぼ全員が

「ほくろ除去に関してなんらかの誤解をされている」

ということです。たとえば


「ほくろは消せる」
「レーザーは痛みもなく、跡も残らない」
「悪性のほくろは盛り上がる」

といった誤解です。

私たちは治療の前に、こうした誤解が解けるまで時間をかけて
丁寧に説明するように心がけています。

しかし、そうした誤解は非常に種類が多く、内容も多岐に渡ります。

そこで「ほくろ除去に関するよくある誤解と注意すべき点」を
シリーズでお伝えしていくことにしました。

今回は、第1回として、ほくろ除去で気をつけたい「部位」についてお話しします。

ほくろは体のどこにでもできますが「どの場所でも同じ」と考えていませんか?

じつはこれが最初の誤解です。

ほくろには、リスクが高く慎重に考えなければならない場所、
傷跡を残しやすい場所そして決して除去してはいけない場所があるんです。

これを知らずに手術を受けると、本当に後悔してしまうかもしれません。


ぜひ最後までご覧いただき、お友達やご家族とも共有していただけると嬉しく思います。

首から上のほくろの特徴

顔のほくろ除去で注意すべきポイント

ほくろ除去:鎖骨から下の部位(肩から恥骨部まで)

ほくろ除去:鎖骨から下の部位(腰から足裏まで)

まとめ


首から上のほくろの特徴

じつはほくろは首から上と下とでは、その特徴や除去の注意点が大きく異なります。

まず、首から上、主に顔のほくろについて説明します。

顔は衣服で覆われないため、紫外線の影響を受けやすく、ほくろができやすい部位です。
人目につきやすく、ほくろが気になりやすい場所でもありますよね。
そのため、当院で除去を希望されるほくろの90%以上が、顔に集中しています。

傷跡も目立ちやすいので、
当然「キレイに取ってほしい」という患者さんの要求レベルも高い部位です。

しかしじつは「顔のほくろは傷跡が目立ちやすい」というのも、ある種の誤解なんです。

顔は血流が非常に良い場所なので、適切に除去すれば傷跡はかなり目立たなくなります。
顔は、ほくろ除去の満足度が最も高い部位でもあるんです。

顔のほくろ除去で注意すべきポイント

顔には、まぶたや鼻などパーツごとに異なる特性があり、
それぞれ注意すべきポイントも変わってきます。

知識や経験が不十分なまま施術を行うと、傷跡が目立つだけでなく、
神経損傷や機能障害などの悲惨な合併症を起こすリスクもあるのです。

つまり、顔のほくろ除去は、施術する医師の技術や経験によって、
仕上がりに大きな差が出やすい部位だと言えます。

だからこそ、信頼できるクリニック選びがとても大切です。

では次に、よくご相談をいただく顔の部位ごとに、

ほくろ除去の注意点やリスクについて詳しく見ていきましょう。

【唇】

唇は狭い領域ですが、大きなほくろができることがよくあります。

専門的な話になりますが顔はまぶた、鼻などの各パーツは
「エステティックユニット」という領域に区分されます。

エステティックユニット ※青線で区切られたユニット(赤で囲った部分が口唇)

きれいに仕上げるためには、「エステティックユニット」と呼ばれる
顔の自然な区切りをまたがないように傷をつけることがとても大切です。

唇は皮膚の伸びがよく、縫合には適していますが、ほくろ自体が大きいケースも多く、
どうしても傷がエステティックユニットを越えてしまいやすい部位です。

さらに、唇は顔の中でも特に目立つ場所なので、できるだけ傷を短く、
目立たなく仕上げる工夫が欠かせません。

実際、唇の大きなほくろはきれいに除去するのが特に難しく、
他のクリニックで治療を断られた方が、当院に相談に来られるケースも少なくありません。

手術前
手術1週間後
手術前
手術1年後

またまた専門的な話になりますが、当院では固定された鼻翼(びよく)や、
唇の赤い部との境にあるホワイトロールという皮膚の盛り上がりを利用することで
小さなキズで仕上げています。

唇は、術後に傷の端が盛り上がる「ドッグイヤー変形」と呼ばれる状態が残ったとしても、
時間とともに自然になじみ、あまり目立たなくなることが多い部位です。

ただし、唇ならではの注意点として、会話や食事などで大きく口を開けるたびに
傷に引っ張る力(緊張)がかかりやすい、という特徴があります。
このため、術後のケアや過ごし方にも少し工夫が必要です。

手術前
術後1年(広がった傷跡)

緊張により術後に徐々に傷の幅が広がってしまう可能性があるので、
皮下の処理をしっかりすることと、
術後1年くらいは大きな口を開けないようにすることが重要です。

【鼻】

鼻とその周辺のほくろもしばしば大きくなり、
レーザー後に目立つキズになってしまい相談に見える方もいます。

治療前
治療前
他院レーザー後キズ

鼻のエステティックユニットは、小鼻や鼻先と小さなユニットになるので、
そこに大きなほくろがある場合、手術の難易度は非常に高くなります。

手術前
手術後1週間
手術前
手術後1年

鼻の皮膚は硬くてあまり伸びず、しかもデリケートなため、
大きなほくろを取る際には注意が必要です。


ほくろが大きすぎると、傷を無理に縫い合わせることが難しくなります。
無理に縫合してしまうと、小鼻が片方だけ引き上がったり、
鼻先が不自然に上を向いてしまうといった、見た目の変化が起こる可能性もあるのです。

くりぬき法手術前
くりぬき法後1年

そのため鼻の手術は特に難しく、ほくろが大きすぎる場合は、無理に縫い合わせず、
傷を自然にふさがせる『くりぬき法』が選ばれることもあります。

【額と顎】

額と顎もまた大きくなるほくろが多いです。

手術前
手術後1年
手術前
手術後1週間

どちらも広いエリアで皮膚にも余裕があるため高いスキルは要求されず、
キズがキレイになりやすい部位です。丁寧に治療すれば良い結果が得られるでしょう。

【頬】

頬は半球面のような形をしているため、
ほくろを切除し縫い縮める際に、傷が長くなりがちです。

手術前
手術後1年
手術前
手術後1年

ここは手術のデザインの工夫でうまくカバーする必要があります。

【鼻の下】

鼻の下は、糸の跡が残りやすかったり
傷跡が盛り上がったりすることがあるデリケートな領域です。

丁寧な手術をすることでこのトラブルをかなり避けることが可能です。

【まぶた】

まぶたのほくろの相談は多くはありませんが、
ご本人にとっても他人にとっても目立ちやすい場所です。

機能的には、ほくろが大きくなると視野を遮ることがありますし、

視野にかかるほくろ
重瞼線のほくろ
眼球に触れるほくろ

まつげの生え際や、まぶたの内側にほくろができることもあり、
二重のラインが乱れてしまう場合もあります。

感覚がとても繊細なため、除去後に引きつれを感じることがあります。

傷跡が目立ちやすく、わずかな左右差でも気になるでしょう。

まぶたの皮膚は非常に薄く、伸びやすい反面、あまり縮まないのも特徴です。

手術前
術後一週間 瞼の腫れと内出血

そのため、まぶたは腫れやすく、内出血や術後のデコボコも目立ちやすい部位です。

皮膚にはある程度の余裕がありますが、大きなほくろを無理に取ると、
最悪の場合、まぶたが閉じなくなることもあります。

特に下まぶたでは、「あかんべー」のようにめくれた状態になり、
後から修正手術が必要になることもあります。

一方で、まぶたは血流が非常に良く、傷の治りも早いため、
合併症を防ぐためにダウンタイムは長くなりますが、
くりぬき法の方が仕上がりがきれいになるケースもあります。

【眉】

眉とその周辺は、ほくろが大きく盛り上がりやすい部位です。
いわゆる“寅さんぼくろ”ですね。

眉の中にあるほくろを除去する際は、
毛根を傷つけて一部の眉毛が抜けてしまうことがあります。

特にレーザーによる除去では、
眉毛の脱毛は避けられないと考えておいたほうがよいでしょう。

手術前
手術後に眉の脱毛
手術前
手術後のわずかな脱毛

手術の場合は毛根を傷つけないよう注意深く行いますが、
それでも多少脱毛することがあります。

【こめかみ】

こめかみは、顔面神経の枝が皮膚の浅い場所を通っているため、
深いほくろを除去する際に神経を傷つけるリスクがあります。

青線が顔面神経側頭枝

もし神経が傷ついてしまうと、眉の高さに左右差が出てしまいます。
この場合、時間がたっても自然に元に戻ることは期待できません。
そのため、顔面神経の損傷は絶対に避けなければならない重大な合併症です。

【頭皮】

頭皮はのほくろは髪の毛に覆われることが多く目立ちませんが、
指に触れることが気になる方もいます。

頭皮は硬くて伸びが悪いうえに、真皮が薄く、皮下縫合が難しい部位です。
そのため、大きなほくろを取る際には特に注意が必要です。
さらに、太い血管が多く通っているため出血量が多くなりがちで、
髪の毛の中での手術は細かい操作・忍耐力が求められます。

頭皮もまた、難易度の高い部位と言えるでしょう。

ほくろ除去:鎖骨から下の部位(肩から恥骨部まで)

次に、鎖骨から下の部位についてお話ししましょう。

顔に比べると、このエリアにできるほくろは少なく、
多くは衣服に隠れるため、除去手術全体の1割以下にとどまります。
それでも、肘や膝から先は服から露出しやすく、
「見た目が気になって服選びに悩む」という方も少なくありません。

襟元や袖口、下着のライン、アクセサリーがこすれて、不快に感じることもあります。

スポーツや特定の動作の際に、ほくろが邪魔になったり、不快感や痛みを感じるケースも。特に足の裏のほくろについては、「癌ではないか」と不安に思う方も多いです。

鎖骨より下の部位は外から見えにくいため、
「ほくろ除去の傷跡は気にならない」と思われがちです。

しかしこれは誤解で、顔ほど血流が良くないため、
傷が思ったほどきれいに治らないことが多いのです。

むしろ、傷跡のほうが気になったり、
衣服とこすれて不快に感じることもあります。

鎖骨から下の領域は治療満足度が低い傾向があるため、
美容目的での除去は慎重に検討する必要があります。

ここからは、部位ごとに詳しくご説明します。

【肩】

肩のほくろ除去では傷跡にブラジャーの紐や
肩掛けカバンのストラップが当たって痛みを感じることがあります。

また肩の外側にあたる三角筋部や肩甲骨部では、ケロイドが生じやすい傾向があります。

<ケロイドとは?>――――――――――――――――――――――――――

ここでケロイドについて簡単に説明します。

ケロイドは傷跡が赤く盛り上がった状態です。

肩のほくろ切除ケロイド
他院ほくろ除去後ケロイド

元のほくろより見た目が悪く、しばしばほくろより大きくなることがあります。
痛みやかゆみに悩まされ、簡単には治らず、長期間の治療が必要です。

そのため、たとえケロイドが普段は人目に触れない場所でも、
精神的なストレスは非常に大きく、ほくろ除去を後悔するケースも少なくありません。

病気の治療、例えば皮膚の悪性腫瘍の場合は理解されやすいですが、
美容目的の手術後にケロイドができるのは絶対に避けたいトラブルです。

体質的にケロイドができやすい人もいますが、
そうでない方でもケロイドができやすい部位があります。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

ケロイドになりやすいその他の部位

肩以外にも、ケロイドになりやすい部位として以下の場所があります。

【胸骨部(きょうこつぶ)】

胸骨は、両方の鎖骨の間からみぞおちにかけて胸の中央にあるネクタイ状の骨です。
この部分の皮膚に傷をつけるとケロイドになりやすいので、美容目的のほくろ除去は避けるべきです。

【へその下、恥骨部】

ほくろはあまりできない場所ですが、ケロイドになりやすい場所なので要注意です。

ほくろ除去:鎖骨から下の部位(腰から足裏まで)

【腰(腸骨部)】

腰(腸骨部)では、腰骨の出っ張り部分のほくろを取ると、
傷跡に下着やズボンが当たって不快感が出ることがあります。

【背中】

背中のほくろは皮膚から盛り上がることが多いです。
あまり人目に触れる部位ではありませんが、結婚式の直前に来院されて、
背中の大きく開いたドレスを着たいから除去したいという方がいらっしゃいます。

背中に多い盛り上がったほくろ

このように美容的な意味合いも大きい部位ですが、血流が良くないうえ、
思った以上に緊張がかかるため、
顔ほど傷がきれいに治らない点に注意が必要です。

また、先ほど述べたように、背中の肩や肩甲骨周辺でもケロイドが発生することがあります。

【四肢(手足)】

関節部のほくろ

四肢もまた血流が良くないため、傷が期待したほどキレイにならないことがよくあります。
特に関節部分は、曲げ伸ばしによって皮膚が引っ張られたり、縮められたりする場所なので、拘縮(こうしゅく)といって、関節に引きつれが起こることがあります。

傷が肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)* やケロイドになりやすいことがあります。

関節部分でなくても、皮膚の短い方向に余裕がないため、
大きなほくろを除去するのが難しい場合があります。

手術前
1回目手術直後
2回目手術直後

*肥厚性瘢痕:傷跡が赤く盛り上がり、通常の傷よりも厚く硬くなる状態のことです。

【足裏】

ここも非常に誤解の多い部位です。

それは「足裏のほくろは悪性黒色腫であることが多い」という誤解です。

踝に生じた良性のほくろ

確かに、日本人の悪性黒色腫は統計的に足裏にできる割合が高いのは事実です。
しかし、「足裏のほくろが悪性黒色腫になりやすい」という意味ではまったく異なります。

そもそも日本人の悪性黒色腫は希少がんの一つで、
その発症頻度は大腸がんの約100分の1にすぎません。

荷重のかからない土踏まずのほくろ 手術前
手術後半年


私も医師として30年以上、多くの患者さんの足裏のほくろを除去してきましたが、
それが悪性黒色腫だった例は、一度もありません。

一方、足裏、特にかかとなどの荷重部位では、
ほくろ除去後に傷跡が魚の目のようになり、痛みが出る合併症のリスクがあります。

ダーモスコピー検査

悪性黒色腫が心配な場合は、安易に除去せず、
拡大鏡を使ったダーモスコピー検査で詳しく観察することをおすすめします。

まとめ

今回は、場所によるほくろ除去の誤解と注意点についてお話ししました。

ほくろ除去に関する誤解は、今回取り上げた部位による違いだけでなく、
レーザーや手術などの除去法、傷跡の経過、良性・悪性の違い、など、多岐にわたります。

次回以降もほくろの誤解除去の誤解をシリーズで取り上げていきますので、
どうぞ次回の更新を楽しみにお待ちください。

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【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

『頭皮のイボ』をシェービングでキレイに取る方法

  • 2025.05.12

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

本日は『頭皮のイボ』を取り上げようと思います。

突然ですが、頭皮のイボ、気になりますよね?

指先にデコボコが触れるだけじゃなく、
クシで髪をとかす時に引っかかってしまったり
床屋さんや美容室で気をつかったりと
顔のイボと違って、他人からは見えにくいのですが、
できた人にしか分からない困りごとがあるものです。

今日はそんな、いや~な頭皮のイボの治療についてのお話。

数分で読める内容です。

ぜひ、最後までご覧いただき、
ご家族やお友達とも共有していただけると嬉しく思います。

【目次】

1.頭皮のイボとは

2.良性?悪性?

3.イボ除去の方法

4.シェービングの実際を解説

5.おわりに


1.頭皮のイボとは

頭皮から盛り上がり、触れるとガサガサしている“おでき”です。
痛みはありません。頭皮にできるイボのほとんどは老人性イボで、
その名のとおり老化現象の一つと考えられています

顔にできることの多い老人性イボですが、
頭皮のイボは高齢の方に多いのが特徴で、
大きく盛り上がる傾向があります。

これは頭皮のイボが髪の毛に隠れて見えにくいため
大きくなるまで気がつかなかったり
人目につかないために治療が先延ばしにされやすいためだと考えています。

そして高齢になるまでにイボは時間をかけて成長し、
逆に髪は薄くなってイボ見えるようになり、皆さん気になりはじめます。

結果、医療機関を受診する頃には大きく盛り上がっているというわけです。

また、今回は取り上げませんが、頭皮のイボ状に盛り上がる病変として、
『ウイルス性イボ』や『黒子』、『血管腫』、『粉瘤』などがあります。

これらの病変は比較的小さいことが多く、治療法も異なります。
診断は専門医でなければ分かりませんので、気になる病変があれば
まずはお近くの皮膚科や形成外科で相談することをおすすめします。

2.良性?悪性?

頭皮のイボはデコボコして不気味な見た目ですが、
悪性の可能性はないのでしょうか?

先ほど説明したとおり、幸いほとんどは良性病変である老人性イボです。

ほくろ

ウイルス性イボや黒子等のこともありますが、いずれも良性ですので安心して下さい。

皮膚癌 ボーエン病
皮膚癌 基底細胞癌

ただし、数は非常に少ないですが、基底細胞癌、ボーエン病、扁平上皮癌といった悪性、
つまり皮膚癌のこともありますので要注意です。

皮膚癌 ボーエン病

イボやその周辺に赤みがあったり、
糜爛(びらん)といって表面にキズができていることがあります。
その場合は早めにお近くの医療機関で相談していただき、
病理検査を受けることをおすすめします。

病理検査とは病変の一部または全部を切り取って
病理専門医に細胞をチェックしてもらう方法です。

これにより、診断が確定し、良性か悪性かなどが判断されます。

もちろん悪性でなかったとしても

●指先にデコボコ触れて気になる

●髪を梳かす時に櫛に引っかかる

●見た目が気になる、床屋さん・美容室で気を遣う

先ほど挙げたような支障が気になる場合は
皮膚科や形成外科で除去してもらうことができます。

3.イボ除去の方法

イボの除去法として以下のようなものがあります。

冷凍凝固について

これは、超低温のマイナス196度の液体窒素を患部に押し当て、
組織を凍傷させて取り除く方法です。
安全で高度な技術を必要としないため、
多くの医療機関で受けられる、最も一般的な治療法です。
ただし、頭皮にできるような分厚いイボの場合は、
処置に手間がかかり、治療回数が多くなる傾向があります。
また、この方法では病理検査を行うことはできません。

■高周波メスによる電気凝固・レーザーによる焼灼について

このふたつはいずれも高温でイボを破壊する、似たような治療法です。
比較的簡単な手技ですが、頭皮に多い分厚いイボでは処置が難しくなることがあります。
無理に1回で取り除こうとして焼きすぎると、深いやけどを起こし、

脱毛のリスクが生じる可能性があります。

■紡錘形切除縫縮について

これは、イボを切除し、頭皮にできた欠損部を縫い縮めて閉じる方法です。
分厚い病変でも一度で取り除くことができますが、頭皮は伸びにくい組織のため、
幅が1センチを超えるような広い病変では、縫合が難しくなる場合があります。

5センチを超える大きなイボ。紡錘形切除縫縮はできない

無理に縫い縮めると血流が悪くなり、毛が抜けてしまう可能性があります。
また、縫合した部分自体にも脱毛が起こることがあり、これも一つの問題です。
さらに、頭皮は出血が非常に多く、髪の毛の中で傷口を糸で縫い合わせる作業は、
技術的にも手間がかかります。

こうした理由から、頭皮における紡錘形切除・縫縮術は、
比較的小さな病変に適した方法と言えるでしょう。

■シェービングについて

イボのような表皮病変、つまり浅い病変をメスでそぎ取る治療法です。
分厚いイボや広い範囲の病変も、一度で問題なく除去することができます。
切除と異なり、太い血管を傷つけることがないため出血が少なく、
コントロールもしやすいのが特徴です。

処置後は浅い擦り傷のようになり、
数日で自然に治癒するため、縫合や抜糸の必要もありません。
高温を用いないためダウンタイムが短く、
毛根を傷つけることもないため、脱毛の心配もありません。

このようにメリットが多いことから
私たち、肌と爪のクリニックでは頭皮のイボにはシェービングを採用しています

ひとつ問題点があるとすれば、
黒子や血管腫など皮膚全層病変、
つまり深い病変の治療には使えないことです。

皮膚全層病変には先ほどの紡錘形切除縫縮をおこないます。

4.シェービングの実際を解説

シェービング方法については以下の動画も合わせてご覧ください。

※手術動画は5:31~あたりからご覧いただけます。

処置前に、イボから生えている毛をハサミでカットし、注射による局所麻酔を行います。
麻酔がしっかり効いているため、痛みはまったくありません。
まずは、メスを使って飛び出したイボの部分を浅く、薄くそぎ取ります。
この際、毛根や血管を傷つけないよう、深く削りすぎないように注意を払います。
使用する麻酔薬には止血剤が含まれているため、
頭皮であっても出血はわずかににじむ程度です。

動画で紹介している症例では、
頭皮に多く見られる分厚いイボだったため、
最初にそぎ取ったあと、残った部分をさらに丁寧に削り取ります。
こちらも同様に、毛根や血管を損傷しないよう、浅く慎重に行います。
処置中に出血がありますが、キズが浅いため止血は容易で、すぐに落ち着きます。
浅い擦り傷のような状態に仕上がるため、縫合の必要はありません。

シェービング後

キズより深いところに健全な毛根が見えています。
ここから元通り毛が生えてきます。
病変の広さや厚みに関係無く、1回の手術で治療を完了することができます。
時間にして1~2分。翌日から洗髪することができます。

レーザーや電気凝固と違って高温にならないので
キズは1週間ほどで治ってしまいます。

一週間後に来院していただき、キズの治りを確認させていただき、
病理検査をした場合は、そこで結果を説明します。

5.おわりに

さて頭皮イボ治療の解説はいかがでしたでしょうか?
シェービングのメリットがご理解いただけたかと思います。

シェービングは古くから行われている古典的な術式で、
当院では年間数百件、ごく日常的に行っています。

YouTubeで顔イボ治療としてシェービングを取り上げてから気がついたのですが、
私たちにとってはごくあたりまえのテクニックである「シェービング」ですが

シェービング前
シェービング後

実は世の中ではあまり知られていないようです。
というのも、当院を受診された患者さんの中には、
他院でシェービングについて相談したところ、
「そんな方法はやっていない」
「聞いたこともない」

と言われた方が、たくさんいらっしゃるのです。
そのことに、むしろ私たちが驚いているほどです。

繰り返し説明しましたが顔や頭皮のイボには大変優れた方法です。

もし、シェービングをする医療機関が見つからないという方がいらっしゃいましたら
当院までお問い合わせ下さい。
ご連絡お待ちしております。

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医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

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  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

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目の周りのホクロ

  • 2024.08.31

目の下のほくろの手術の方の経過です。
この方は術後数年して、他の部位の治療のために来院されました。キズは目立たなくなり喜んでいただけました。

術前
術後1週間目の抜糸時
術後2年

目の周りの皮膚はとても薄いので術後数日は皮下出血が出ることがあります。皮下出血は10日程度で消えていき、傷の仕上がりに影響はありませんが、大事なご予定がないときの手術をおすすめしています。また術当日は自宅に戻られてからガーゼの上から冷やして頂くこともあります。ご相談ください。

黒子の手術後1年

  • 2024.02.13

こんにちは😃

黒子の手術の方の治療経過です。

術後の抜糸は1週間で済みますが、傷が落ち着くのは半年から1年ほどかかります。

この方は手術から1年たち、他の治療のため久しぶり来院されました。当院を信頼していただき次の手術も任せて頂けることはとても嬉しく思います🐻ホクロ自体をしっかり切除することはもちろんですが、傷の向きを目立ちづらい方向にすること、傷の長さを極力短くすること、皮膚の表面だけでなく真皮の縫合を確実に行うこと、術後の患者さん自身に行っていただくケアについての説明などを特に気をつけて診療にあたっております。

#n神楽坂肌と爪のクリニック#ほくろ手術#粉瘤#脂肪腫#手術#形成外科#神楽坂#日本形成外科学会専門医#皮膚腫瘍外科指導専門医

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シミのレーザー治療をされた方の経過

  • 2024.01.18

こんにちは

シミのレーザー治療をされた方の経過をお伝えします。

レーザー照射前


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ほくろ切除後 術後3ヶ月

  • 2024.01.18

以前ご紹介させていただいた、鼻の横にあるほくろの方の治療経過です。

手術の後のキズ跡は、お化粧や洗顔時の摩擦を避けることや、日焼けをしないようご説明いたします。

。必要に応じ、目立ちづらいテープを傷の上に数ヶ月貼って過ごしていただきます。

先日、術後3ヶ月の経過観察に来てくださいました。

順に、術前、術後7日目、術後3ヶ月です。

皮膚腫瘍の治療・・・皮膚皮下腫瘍摘出術 【手術】局所麻酔の下、手術を行います。腫瘍を切除し止血確認後に皮膚を縫合します。【リスク】皮下出血、感染、瘢痕、ケロイド【手術費用】良性のホクロは原則自費となります。

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業界騒然!「ホクロ除去。手術VSレーザーどっちがイイ?」ホントのこと、言っちゃいます。

  • 2023.12.15

肌爪先生こと『神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTube『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』、おかげ様で、チャンネル登録される方が増えてきました。ありがとうございます。
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

今回は「ホクロ除去」についてです。
方法としては『手術』と『レーザー』がありますが、はたして本当にイイのはどちらなのか?をテーマに、私の形成外科医としての考えを“同業医師への忖度抜き×完全患者さん目線”で、本当のところを包み隠さずお話ししていきたいと思います。

というと同業の先生方に怒られてしまいそうですが、ここはひとつ勇気を持ってお話しさせていただきますので、どうか最後までご覧ください。そして、私の考えに共感していただけましたら、是非ご家族やお友達にも教えてあげていただけると幸いです。

【目次】

1.ホクロの動画をたくさん見て感じたこと

2.ホクロ除去で必ず傷痕を残すのはなぜか?

3.手術とレーザーの傷痕の違い

4.手術の傷痕を目立たなくする工夫

5.手術VSレーザー、仕上がり以外のメリット・デメリットとは?

6.おわりに


1.ホクロの動画をたくさん見て感じたこと

昨今、YouTubeには医師が解説するホクロ切除動画が多数上がっています。
レーザーと手術のどちらが良いのかについても、たくさんの専門家による解説があり、私もいくつか視聴させていただいたのですが、そこでひとつ気づいたことがありました。

あくまで私が見た限りなのですが、動画で情報発信をされている方は、主にホクロ除去をレーザー治療で行っている美容系の先生がほとんど、ということです。

そして、それらの動画のほとんどが同じ結論に至っています。
それは「手術も良いのだけれど、やっぱりレーザーのほうがキレイになる」という結論です。一般の皆さんであれば「専門家が言うのだから、そうなのか」と納得されるのかもしれませんが、私は同じ医師として、また形成外科の専門医として、その結論にかなり違和感を覚えてしまうのです。

「いやいや、そうじゃないでしょ!」と…。黙っていられなくなり、この記事を書こうと思いました。

2.ホクロ除去で必ず傷痕を残すのはなぜか?

これを聞いて「えっ?」と思った方もいるでしょう。レーザーでホクロを取れば傷痕は残らないと思っていらっしゃいませんか?わかります。ただ、それは非常によくある、大きな誤解なのです。ご相談の多い皮膚病変の深さを、以下のイメージ図で比較してみましょう。

シミやイボは皮膚の浅い部分にある表皮病変。治療で取り除いても、そこに生じた欠損は正常の皮膚で覆われるので傷痕を残さずに治癒します。
一方で「ホクロ」というのは皮膚の真皮という深いところまであるので、手術かレーザーかに関わらず、取り除いた後は正常皮膚ではなく、瘢痕組織という傷痕の組織で埋められて治癒するという特徴があります。

レーザーでホクロを取るとⅢ度熱傷(皮膚の深い層にまで及ぶ重度の熱傷)に匹敵するキズになるのです。

瘢痕組織は少し、テカテカしていて正常皮膚とは質感が異なります。皆さんがキズと呼んでいるものそのものです。

3.手術とレーザーの傷痕の違い

ホクロをレーザーで除去すると、その大きさでやや凹んだキズ跡になる。これは多くの動画で説明されています。例えば直径1cmのホクロを除去すると、レーザーでは直径1cmの傷痕になります。

手術では除去後に1本の線状の傷痕になるよう糸で縫い縮めます。レーザーのように凹みこそしませんが、逆にキズの両端が盛り上がります。縫い縮める時に中央と端に近い部分では、皮膚の移動距離に差があるためで、犬の耳のように見えることからドッグイヤー変形と呼ばれています。

盛り上がる部分をあらかじめ切り取ることで、変更を目立たないように修正することはできますが、そうするとキズの長さは直径の3~4倍にする必要があります。つまり1cmのホクロ除去の場合、傷痕の長さは3~4cmの線になるということです。多くの動画で「手術ではキズが長くなる」と解説しているのはこのことを言っているのです。

4.手術の傷痕を目立たなくする工夫

傷痕が3倍になると聞くと、ひどく目立ってしまいそうですが、本当にそうなのでしょうか。実は手術ではキズ跡を目立たなくするテクニックがいくつかあるのでご紹介します。

術前(デザイン)
術後

ひとつは当たり前のようですが、丁寧に手術をすること。
長い傷痕もかなり目立たなくできます。写真のケースは若い女性の顎のホクロ。
私が手術で除去しました。左の手術デザインでは、傷痕がホクロ直径の3倍くらいになってしまうことがわかると思います。でも、右の術後1年の写真をご覧ください。いかがですか?長いキズ跡は目立っていませんよね。

術前
術後

こちらのケースも同じです。太い毛が生えていたので同時に処理してあります。術後の傷痕は見えますが、キズの長さは気にならないと思います。このようにキズが目立たないのは、手術ではキズ跡が細かい線になるので、レーザーと比べれば皮膚の表面から見える瘢痕組織の量が圧倒的に少ないからです。

術前
術後

一般的な考え方ではないのですが、ホクロ除去後の傷痕を目立たなくするために最も重要なのは、この「瘢痕組織をいかに少なくするか」ということだと私は考えています。

術前(他院でレーザー治療後)
デザイン
術後

また、別のテクニックとしてキズの長さ自体を短くすることもできます。写真のケースは上唇の盛り上がったホクロですが、慎重にキズを合わせることで、長さをホクロの3~4倍ではなく、2倍程度に抑えられました。
皮膚の伸展性や周辺筋肉の動きからドッグイヤー変形になりにくい場所だからです。じつはこの患者さんは、ほかのクリニックでレーザー治療を受けて、ホクロがまったく取れていないということで私のクリニックに来院されました。

そのクリニックの医師から「ホクロ表面にレーザーによるクレーター状の傷痕がみられます。最初にホクロを手術で取るとキズが3~4倍にもなるのでやめた方が良い」と説明されたそうです。論理的にはその通りですが、写真を見てわかるようにテクニックでカバーできることがお分かりいただけると思います。また、傷の治りの良い鼻やまぶたでは「くりぬき法」といって、ホクロ除去後に欠損を縫わずに自然と治るのを待つテクニックもあります。

術前(鼻尖部くりぬき)
術後

この場合、傷痕の長さはレーザーと同じです。このケースは鼻の大きなホクロで、欠損を縫い縮めてしまうと鼻の形が変形する心配があります。

「くりぬき法」を行うと欠損はレーザーと同じで瘢痕組織により埋められ、ホクロの大きさのやや凹んだキズとなりますが、レーザーの熱が加わらない分、治りが早くキレイに仕上がります。

術前(デザイン)
術後1回目
術後2回目

傷痕を長くしないテクニックは他にもあります。それが「連続縫縮術」という方法。写真は太ももにある500円玉を超える大きさのホクロ。普通に手術すれば傷痕の長さは8~10cmくらいになってしまう。かといって、レーザーで除去して500円玉大の傷痕を残せばこれも目立ちます。
このケースでは手術を2回に分けて行うことで、ホクロの長さより少しだけ長く、細いキズに抑えることができました。

術前
術後

このように手術の欠点とされるキズの長さも、経験とテクニックがあれば、ほとんどカバーできるのです。私は「どのようなホクロであっても、レーザーよりも手術のほうがキレイに仕上げられる」と考えています。

5.手術VSレーザー、仕上がり以外のメリット・デメリットは?

ここまで、ホクロ除去は手術のほうがレーザーよりキレイに仕上げられると説明させていただきました。しかし、それはあくまで私自身の経験から得た見解。そもそも誰がメスを握るのかによって手術の仕上がりも異なるので、単純に比較することはできません。
そこで、仕上がり以外の部分で、手術とレーザーにどのような違いがあるのか、以下の表にまとめてみました。表ではメリットは青、デメリットを赤で示しています。

まず健康保険による治療ですが、手術は美容目的でなければ可能です。但し、その判断はここの保険医に委ねられており、当院ではホクロは原則自費で承っております。

炭酸ガスレーザーによるホクロ除去に健康保険を使うことは、どのような理由があってもできません。費用はクリニックにより大きく異なり、5mm程度で一個あたり1~3万円くらいでしょうか。

手術では治療回数1回で取り残しがないかを病理検査で確認できますが、レーザーでは熱の影響がどこまで及んでいるのか判断しにくく、病理検査による切除範囲の確認もできないので、時々取り残しが起きます。多くのクリニックではその際の費用は無料のようです。

他院でレーザー治療を
受けたのち再発(鼻)
他院でレーザー治療を
受けたのち再発(手首)

写真の2つのケースは、他のクリニックでレーザーを受けたが再発してしまい、私のクリニックにいらしたケースです。鼻のホクロは毛穴部分で再発していますので、そこだけ追加でレーザー照射をしました。

手首のケースはテカテカしたキズの中央にホクロが再発しています。再発は仕方ないですが、レーザーの傷痕がタバコを押し当てた跡、いわゆる“根性焼き”のように見えてしまうのは問題です。こちらは傷痕ごと切除しましたが、今度はその跡が“リストカット”に見えてしまう心配もあったので斜めのキズに仕上げました。
こうしたケースでは最初から治療後の傷痕をイメージ(どう見えるのか?など)して治療にあたらなくてはいけません。

術前
抜糸前
術後

最後に抜糸です。手術では5~10日後に抜糸が必要となりますが、抜糸の翌日からキズ部分へのメイクが可能。レーザーでは、抜糸こそ不要ですがキズが自然になるのを待つため、メイクができるようになるまで10~21日と、手術の倍の日数がかかってしまいます。

いかがでしょうか。このように、ホクロ除去は仕上がり以外の部分でも、レーザーよりも手術のほうが有利なことが多いということが、おわかりいただけたのではないでしょうか。

6.おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。
ホクロ除去に関する動画のほとんどはレーザーのメリットは説明しても、手術のメリットはあまり語られていませんでした。
今回の記事と以下の動画で、手術には患者さんにとって好ましい点がとても多いことがお分かりいただけたと思います。ついつい熱が入ってしまい、ボリューミーな内容になってしまいました(猛省)。

キレイに仕上げるにはスキルとセンスが要求される方法なので、ご興味をお持ちの方はお近くの形成科専門医に相談されることをお勧めします。
神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の場合は、こちらからご予約を承っております。
ご連絡お待ちしております。


【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

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顔のイボシェービング。レーザーよりもキレイに!50代以降必見「顔のイボをシェービングでキレイに取る」

  • 2023.11.10

肌爪先生こと『神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。最近好評いただいているYouTube『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

さて今回ですが、顔の大きなイボを、レーザーよりもキレイに取る方法、シェービングについてご説明いたします。
シェービングは昔から行われている方法であるものの、レーザーのようにネットで積極的に推奨する医師がいないためか、一般にはあまり知られていないのが現状。じつは患者さんにとってのメリットがとても多い方法なので、是非最後までご覧いただき、ご家族やお友達にも教えて上げてもらえたら幸いです。

【目次】

1.顔のイボってなに?

2.どうしてできるの?予防法は?

3.どうやって治療するの?

4.治療費は?

5.おわりに


1.顔のイボってなに?

40代以降の方の頬やこめかみに多い、こげ茶色のデコボコ盛り上がったイボです。正式には『脂漏性角化症』または『老人性イボ』と言います。そう、実は前回の動画で取り上げた首のザラザラとおなじものです。老人性イボなんて少々残念な名前ではありますが、60代以降の方ならだれにでもあるごく一般的なデキモノです。

※前回記事も併せてご覧ください。

黒っぽくデコボコした不気味な見た目から悪性ではないかと心配される方も多いのですが「良性病変」です。特にこのケース、イボの上の部分から出血しています。こうした変化を潰瘍と言い悪性化を懸念するサインです。

顔や首以外にも、髪の毛の中や背中などにもできることがあり、デコボコが広がって10円玉以上の大きさになることがあります。

自覚症状こそありませんが、見た目が悪く、お顔のイメージを大きく損ねてしまいますので治療を希望される方も多いです。

2.どうしてできるの?予防法は?

老化や紫外線の影響と考えられていますが、遺伝的な要因もあり「できやすい人」「できにくい人」の差が大きいのが特徴です。特殊なケースとして、胃癌など内臓の癌によって老人性イボができることがあります。数ヶ月間という短い期間に何十個も多発することがあり、レーザートレラ兆候(またはLeser-Trélat徴候)と呼ばれています。この場合、ただちに内臓の精密検査が必要です。             

予防法としては日焼け止めを塗ったり、日傘さしたり帽子をかぶるなどの紫外線対策が有効ですが、背中など、もともとあまり日の当たらない部分にもできますのでそれだけで予防できるとは言い切れないのが現状です。

3.どうやって治療するの?

まず、はじめに申し上げますが、最近SNSで多く見かける「冷蔵庫にあるアレ」や、ハトムギ美容液で老人性イボが取れることは絶対にありません。くれぐれも騙されないよう、注意しましょう。イボを取りたくなったら医療機関、皮膚科や形成外科で相談しましょう。

治療法は主に冷凍凝固、手術、レーザー、電気凝固の4つ。手術には切除・縫縮と今回ご紹介するシェービングがあります。それぞれに特徴があり、表では他と比べて特に大きなメリットは青、デメリットを赤で示しています。どの治療法にするかは患者さんの希望もありますが、最終的には担当医の判断で決定されます。各治療法について説明していきましょう。

冷凍凝固

冷凍凝固は-196度の液体窒素を数秒間イボに押し当てる治療です。

低温で破壊されたイボはカサブタになって2週間ほどで剥がれ落ちて治癒します。麻酔は不要ですが、イボの厚みに応じて数回繰り返すのが普通です。広く普及していますので、お近くの皮膚科で治療を受けていただけると思います。当院で扱っていません。

■手術「切除・縫縮」

切除・縫縮とはイボの範囲で皮膚を切り取り、できたキズを糸で縫い縮める方法です。

最大のメリットは取り残しがない確実さ。精密な病理検査が可能なので、皮膚ガンの可能性がある場合に有効な方法です。写真の症例ではイボ周辺に赤みがあり、悪性の懸念もあったため切除・縫縮で治療し病理検査をおこないました。結果、悪性細胞は見つからず、病変は取り残しなく完全に切除されていることも確認出来ました。綺麗に仕上げるにはスキルとセンスが要求される方法なので、熟練した形成外科医に依頼することをおすすめします。

■手術「シェービング・レーザー・電気凝固

シェービング、レーザー、電気凝固に関しては方法が異なりますが治療イメージが似ていますので、比較しながら説明します。イボは皮膚の浅い部分だけにある表皮病変なので、深い部分は傷つけずに浅い病変だけを取り除けば良い、というのが二つの共通した考えです。

3つの違いですが、シェービングはメスを使ってイボを薄くそぎ取ります。レーザーは熱で破壊して、焦げカスをガーゼでこそぎ落とします。電気凝固は熱で溶かして拭き取ります。

どれも仕上がりに大きな差があるわけではないのですが、シェービングが「深さが均一でシャープ」なのに比べて、レーザーは「処理する深さにランダムなムラ」ができます。また、レーザーと電気凝固では火傷が加わるのでダウンタイムが多少長くなります。

シェービング術
シェービング術後シェービングは深さを均一にコントロールしやすく、ダウンタイムも短いので仕上がりでは一番優れている印象があります。

<<文章では伝わりにくい部分もあるので、それぞれの方法を動画で説明します!>>

シェービングでは幅20ミリ程のメスで、飛び出したイボだけを浅く、薄く一気にそぎ取ります。わずかに出血するので高周波メスで簡単に止血して終了です。

レーザーは炭酸ガスレーザーという種類のものですが、光の当たる範囲が1ミリ程と狭いのでこのようにまんべんなく照射していきます。照射後、見た目はあまり変わりませんが熱でブヨブヨに破壊されているのでガーゼで簡単にこそぎ落とす事が出来ます。ほどんと出血しないので止血は不要です。

電気凝固は高周波メスという機械を使用します。器具が当たっている部分でイボが溶けるように破壊され、出血もありません。レーザーと電気凝固は機器を持っていない病院では施術できませんが、さほど高いスキルが要求されるものではないので、担当医師による仕上がりの差が出にくいというメリットがあります。

シェービング術前
シェービング術後です。病理検査で良性であることを確認しました。シェービングは特殊な器具は不要ですが、正確な深さでイボをそぎ取るためには比較的高いスキルが求められます。

選べる治療法は医療機関の設備や医師の技量や好みによって変わってきます。できれば複数の治療法に対応できる医療機関を探すようにしましょう。また、説明や費用に納得できなければ、その場で決めずに別の医師に相談してみることを強くおすすめします。イボ治療はどの方法でもリスクは比較的小さいですが、取り残しや必要以上に深く皮膚を傷つけてしまうとケロイドが起こることがあります。医師の経歴や印象から、経験不足が懸念される場合やケロイドになりやすい体質の方は十分注意してください。

4.治療費は?

レーザー以外の方法は健康保険で受けることができます。ただし、これは毎回申し上げていることなのですが、美容目的の場合はどの方法でも保険は使うことができません。たとえば沢山イボがあって見た目のイメージ改善を目的にイボを取る時には保険は使えません。明らかに美容目的だからです。なお、当院では老人性イボの除去は自費で承っております。

◎具体的な治療費について

自費診療のレーザーはクリニックにより大きく異なり、イボが1~2センチの場合は一個あたり3〜10万円くらいではないでしょうか。その他にも診察料やお薬代に数千円、同時に病理検査を希望する場合、これも自費扱いとなり1万円位が加算されると思います。

美容目的ない場合で保険で行う切除、シェービングと電気凝固ですが、自己負担3割の場合、顔で2cm以下なら手術料5000円ほど、他に診察料やお薬代が1000円位、病理検査は3000円位。

シェービング術前
シェービング術後

神楽坂肌と爪のクリニックは老人性イボ治療は原則自費で承っております。なにより仕上がりを重視しておりますので、シェービングを選択することが多いですが、レーザーや高周波メスもございますので患者さんのご希望や病変によって最適な方法を使い分けて治療を行っています。

5.おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。

「シェービング」は聞き慣れない言葉だったと思いますが、患者さんにとってメリットの非常に多い方法であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。決してどの医療機関でも受けられるわけではありませんが、ご興味をお持ちの方は、お近くの形成科専門医に相談されることをおすすめします

当院・神楽坂肌と爪のクリニックで治療をご希望の場合は、こちらよりご予約を承っております。

老人性イボは自然に治ることはありませんし、放置

すると大きくことも多いので、気になるようなら早めに医療機関で相談しましょう。最後に、繰り返しになりますがヨクイニン美容液やクリームなどでは絶対に治りませんので、くれぐれも注意して下さい!


【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

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