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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

首を触るとザラザラ。よく見ると小さなできものがたくさん!

こんにちは。肌爪先生こと、神楽坂肌と爪のクリニックの院長、野田弘二郎です。爪と肌の専門家として、皆さまのお役に立つ、質の高い情報を発信しております。YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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動画ではなく、ブログで読みたい方は以下をどうぞ
タイトルを見てドキっとした方も多いのではないでしょうか。そうです。本日の話題は首を触るとザラザラする、アレです。鏡に寄ってよく見てみると小さなつぶつぶがたくさんできていて、襟元の開いたシャツを着たときに目立ちます。また、こすれて痒みの原因になったりして嫌なものですよね。本日の動画ではこの首のザラザラ、イボの治療や予防について説明していきたいと思います。

【目次】

1.首のザラザラってなに?

2.どうしてできるの?予防法はないの?

3.どうやって治療するの?

4.治療費は?

5.おわりに…皆さんに知ってほしいこと


1.首のザラザラってなに?

30歳以上の人の首まわりにできる1ミリ位の小さな柔らかいできもの。皮膚と同じ色のことが多いですが、先端が茶色や黒っぽく色が付いている場合もあります。

このような皮膚の小さな飛び出しを一般に「イボ」と言いますが、首ではいくつもまとまってできることが多いので、触ったときにザラザラとした感触があります。この首のザラザラはどれも同じように見えても、顕微鏡で構造を観察すると、軟性線維腫か脂漏性角化症という二種類に分かれており、それらが混在していることが多くあります。

黄:軟性線維腫、青:脂漏性角化症、赤:ホクロ(ホクロについては今回のブログでは触れません)

どちらも皮膚の表面近くにできる良性病変で、治療方針は同じですので区別する必要はありません。

■軟性線維腫

アクロコルドンとも呼ばれ、肌色で、付け根が細く小さく飛び出したものが多いですが、大きくなって先端が重さで垂れ下がったものもあります。また、首以外にも脇の下や背中太ももの内側に等にできることがあり、中には先端が1cm以上になるものもあります。

■脂漏性角化症

付け根が広く平らに盛り上がり、茶色ないしは黒色のことが多いです。表面に細かい凸凹があることが多いです。加齢によるお顔のシミは平らで見た目は異なりますが実はこの脂漏性角化症の一形態なのです。脂漏性角化症が盛り上がったものは老人性イボと呼ばれます。

どちらも基本的には無症状ですが、患者さんは「見た目が気になる」「こすれることで小さなキズができて、痒い」などの理由から来院されるケースが多いです。

当院に来院される患者さんのなかには、当院受診前に近所の皮膚科に相談したところ「老化だから、病気じゃないから放っておきなさい」と言われている方も多いです。たしかに首では邪魔になるほど大きくなることはなく、悪性化もないと考えていただいて結構です。見た目が気にならない方であれば、放っておいてもいいですし、痒みに関してもステロイド軟膏で簡単に改善します。しかし、首という目立つ場所なので、患者さんが見た目を気にされる、治療できるならキレイにしたいとお考えになるのも当然です。お気軽にご相談ください。

2.どうしてできるの?予防法はないの?

老化、紫外線、摩擦等が原因となります。首のイボが多く見られるのは、家族にイボの方が多い人、よく日焼けをする人、ワイシャツを着ることが多い人、日常的にネックレスをつける人、そして太った人です。

予防としてはなるべく紫外線を避ける、襟つきの洋服を避ける、ネックレスやマフラーなどでこすれないようにする、ダイエットをするなどが考えられます。とはいえ治療自体は簡単なので、予防する!と構えるのではなく、イボができたら治療すると考えるほうがシンプルです。

3.どうやって治療するの?

イボは飛び出した部分だけが病変であり、付け根より深い部分は正常皮膚です。つまり飛び出した部分を取り除くだけで治療できます。ただ、いくら治療が簡単だからとって、自ら対処は絶対にしないでください。自分で取ろうとして、ピンセットでつまんで引っ張ると、痛い上にイボの部分が伸びて余計に目立ってしまうこともあります。はさみで切ろうとすると深く切りすぎて血が止まらなくなったり、切り足りなくて付け根が残ってしまったりすることもあります。キレイに、そして安全に治療をするには、やはり病院で相談する必要があるということです。病院での治療には『冷凍凝固』『切除』『焼灼』の三つがあります。

冷凍凝固以外は基本的に麻酔が必要です。切除の場合、慣れた患者さんだと2,3個くらいなら麻酔なしで受けたいという方もいますが、イボが大きい場合は多少出血して高周波メスで止血が必要なこともありますし、レーザー焼灼は動くと危ないのでやはり麻酔は必要です。また、麻酔を使う場合『フィルム麻酔』『麻酔クリーム』『麻酔注射』があります。フィルムとクリームは注射と違って痛みが無い代わりに、効果がでるのに一時間くらいお待ちいただきます。

麻酔フィルムと注射の組み合わせ。注射の痛みはない。組み合わせて使うこともあります。

■施術時間について

冷凍凝固は1箇所10秒くらい、切除と焼灼は2~3秒です。皮膚の浅い部分の病変なので、どの方法でもキズはほとんど残りません。ダウンタイムは治療法によって3日~14日ほど。切除で最も短く、冷凍凝固で最も長くかかります。

冷凍凝固は数日でカサブタのようになりそれが2週間以内に取れて治ります。施術時間とダウンタイムが長いのが欠点ですが、液体窒素による冷凍凝固はほとんどの皮膚科で行われています。

切除は治りが速く、仕上がりも一番良いのですが、切りすぎて出血したり、切り残しがあったり、医師のスキルを要求します。ホームページなどで病院を選ぶ際は、美容皮膚科ではなく、形成外科や美容外科で受けましょう。また医師の手術実績などをチェックするようにしましょう。

ハサミによる切除

焼灼に関しては医師のスキルは出にくいですが、やり過ぎて跡になることもありえます。また炭酸ガスレーザーなど治療機械は持っていない病院も少なくないので、どこでも受けられる施術ではありません。

炭酸ガスレーザーによる焼灼
高周波メスによる焼灼

どの治療法もリスクの小さい治療ですが、非常に稀に内出血、ケロイドが起こりえます。ちゃんとした病院を選べば心配いりません。

4.治療費は?

冷凍凝固と切除では健康保険が適用されます。ただし、首のザラザラの場合、多くの方が見た目の悪さの改善を希望されますが、こうなると美容目的となり健康保険での治療を断られるケースも少なくありません。保険で冷凍凝固する場合、3個までなら3割負担で700円ほどです。しかし、ザラザラするほどたくさんあるのに、3個だけとっても十分とは言えません。このような理由から、首のイボは自費で治療されることも多いと思います。

料金設定はクリニックによってさまざま。ネット調査によれば、イボ1個で600円~5,000円位とかなり幅があります。仮に30個取るとすれば1万8,000円~15万円と非常に大きな差になります。

肌と爪のクリニックの場合は、1個1,000円で切除または焼灼で除去します。下の写真は1〜2ミリのイボを43個取ったケースで、施術料は43,000円でした。
なお、5ミリを超えるような大きなものは健康保険で切除しますので、自己負担は5,000円ほどです。

青:脂漏性角化症、黄色;軟性線維腫、赤:ホクロ、オレンジ:血管腫 このケースの場合、ホクロと血管腫を除く、イボ(青と黄)43個全て除去して施術料は43,000円

■イボ治療に仕上がりの差はほとんどありません!

これは患者さんから伺った話ですが、とあるクリニックで30個ほどのイボをレーザーで除去したところ、20万円を超える高額請求をされたそうです。1個7,000円にもなります。イボの治療について独自の方法をアピールするクリニックもありますが、仕上がりの差はほとんどありません。もちろん、安いところが良いとも言えませんが、料金については必ず複数のクリニックを比較して選ぶようにしてください。これは、ぜひご自身だけでなく、周りの家族や友人にも教えてあげてください。

5.おわりに…皆さんに知ってほしいこと

本日は首のイボについてお話しさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。治療のところで「ヨクイニン」と呼ばれるハトムギエキスの飲み薬やクリームの話をしなかったことに「おや?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。実際、首のイボにそうした薬を試したことがある方はたくさんいらっしゃいます。実は首のザラザラしたイボにヨクイニンはまったく効果がありません。そのことは新聞にも取り上げられました。

ヨクイニンの効果が見られるのはウイルス性のイボに限られるからです。そして、ウイルス性イボは首に多発することはありません。

ところがSNSを中心にこれらのイボを意識的に混同した広告手法で、ハトムギクリームが「首のザラザラに効く」と謳い、ネット上で販売している業者がたくさんいます。ハトムギエキスが首のザラザラには効果がないことは、たくさんの医師がネットに書いて警鐘を鳴らしているにも関わらず、残念なことに多くの方がだまされてしまっているのが現状です。

ただ、そうしたクリームは効果がないだけで、健康被害を起こすことがないのが唯一の幸い。

「安いし、病院に行く前に試しに買ってみよう」という消費者心理につけ込んでいるのです。消費者をあざむくような商品を安いからと試しに購入してはいけません。その消費行動が同じように欺される人を増やし続けるからです。
<このブログをご覧になった皆さんは、だまされないで下さい!>


【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

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