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神楽坂 肌と爪のクリニック

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神楽坂「肌爪日記」クリニックブログ

『頭皮のイボ』をシェービングでキレイに取る方法

神楽坂肌と爪のクリニック』の院長、野田弘二郎です。
YouTubeにて『神楽坂肌と爪のクリニック公式チャンネル』も開設しておりますので、
登録がまだという方はぜひチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

本日は『頭皮のイボ』を取り上げようと思います。

突然ですが、頭皮のイボ、気になりますよね?

指先にデコボコが触れるだけじゃなく、
クシで髪をとかす時に引っかかってしまったり
床屋さんや美容室で気をつかったりと
顔のイボと違って、他人からは見えにくいのですが、
できた人にしか分からない困りごとがあるものです。

今日はそんな、いや~な頭皮のイボの治療についてのお話。

数分で読める内容です。

ぜひ、最後までご覧いただき、
ご家族やお友達とも共有していただけると嬉しく思います。

【目次】

1.頭皮のイボとは

2.良性?悪性?

3.イボ除去の方法

4.シェービングの実際を解説

5.おわりに


1.頭皮のイボとは

頭皮から盛り上がり、触れるとガサガサしている“おでき”です。
痛みはありません。頭皮にできるイボのほとんどは老人性イボで、
その名のとおり老化現象の一つと考えられています

顔にできることの多い老人性イボですが、
頭皮のイボは高齢の方に多いのが特徴で、
大きく盛り上がる傾向があります。

これは頭皮のイボが髪の毛に隠れて見えにくいため
大きくなるまで気がつかなかったり
人目につかないために治療が先延ばしにされやすいためだと考えています。

そして高齢になるまでにイボは時間をかけて成長し、
逆に髪は薄くなってイボ見えるようになり、皆さん気になりはじめます。

結果、医療機関を受診する頃には大きく盛り上がっているというわけです。

また、今回は取り上げませんが、頭皮のイボ状に盛り上がる病変として、
『ウイルス性イボ』や『黒子』、『血管腫』、『粉瘤』などがあります。

これらの病変は比較的小さいことが多く、治療法も異なります。
診断は専門医でなければ分かりませんので、気になる病変があれば
まずはお近くの皮膚科や形成外科で相談することをおすすめします。

2.良性?悪性?

頭皮のイボはデコボコして不気味な見た目ですが、
悪性の可能性はないのでしょうか?

先ほど説明したとおり、幸いほとんどは良性病変である老人性イボです。

ほくろ

ウイルス性イボや黒子等のこともありますが、いずれも良性ですので安心して下さい。

皮膚癌 ボーエン病
皮膚癌 基底細胞癌

ただし、数は非常に少ないですが、基底細胞癌、ボーエン病、扁平上皮癌といった悪性、
つまり皮膚癌のこともありますので要注意です。

皮膚癌 ボーエン病

イボやその周辺に赤みがあったり、
糜爛(びらん)といって表面にキズができていることがあります。
その場合は早めにお近くの医療機関で相談していただき、
病理検査を受けることをおすすめします。

病理検査とは病変の一部または全部を切り取って
病理専門医に細胞をチェックしてもらう方法です。

これにより、診断が確定し、良性か悪性かなどが判断されます。

もちろん悪性でなかったとしても

●指先にデコボコ触れて気になる

●髪を梳かす時に櫛に引っかかる

●見た目が気になる、床屋さん・美容室で気を遣う

先ほど挙げたような支障が気になる場合は
皮膚科や形成外科で除去してもらうことができます。

3.イボ除去の方法

イボの除去法として以下のようなものがあります。

冷凍凝固について

これは、超低温のマイナス196度の液体窒素を患部に押し当て、
組織を凍傷させて取り除く方法です。
安全で高度な技術を必要としないため、
多くの医療機関で受けられる、最も一般的な治療法です。
ただし、頭皮にできるような分厚いイボの場合は、
処置に手間がかかり、治療回数が多くなる傾向があります。
また、この方法では病理検査を行うことはできません。

■高周波メスによる電気凝固・レーザーによる焼灼について

このふたつはいずれも高温でイボを破壊する、似たような治療法です。
比較的簡単な手技ですが、頭皮に多い分厚いイボでは処置が難しくなることがあります。
無理に1回で取り除こうとして焼きすぎると、深いやけどを起こし、

脱毛のリスクが生じる可能性があります。
また、レーザー治療は健康保険が適用されない点も大きな課題です。

■紡錘形切除縫縮について

これは、イボを切除し、頭皮にできた欠損部を縫い縮めて閉じる方法です。
分厚い病変でも一度で取り除くことができますが、頭皮は伸びにくい組織のため、
幅が1センチを超えるような広い病変では、縫合が難しくなる場合があります。

5センチを超える大きなイボ。紡錘形切除縫縮はできない

無理に縫い縮めると血流が悪くなり、毛が抜けてしまう可能性があります。
また、縫合した部分自体にも脱毛が起こることがあり、これも一つの問題です。
さらに、頭皮は出血が非常に多く、髪の毛の中で傷口を糸で縫い合わせる作業は、
技術的にも手間がかかります。

こうした理由から、頭皮における紡錘形切除・縫縮術は、
比較的小さな病変に適した方法と言えるでしょう。

■シェービングについて

イボのような表皮病変、つまり浅い病変をメスでそぎ取る治療法です。
分厚いイボや広い範囲の病変も、一度で問題なく除去することができます。
切除と異なり、太い血管を傷つけることがないため出血が少なく、
コントロールもしやすいのが特徴です。

処置後は浅い擦り傷のようになり、
数日で自然に治癒するため、縫合や抜糸の必要もありません。
高温を用いないためダウンタイムが短く、
毛根を傷つけることもないため、脱毛の心配もありません。

このようにメリットが多いことから
私たち、肌と爪のクリニックでは頭皮のイボにはシェービングを採用しています

ひとつ問題点があるとすれば、
黒子や血管腫など皮膚全層病変、
つまり深い病変の治療には使えないことです。

皮膚全層病変には先ほどの紡錘形切除縫縮をおこないます。

4.シェービングの実際を解説

シェービング方法については以下の動画も合わせてご覧ください。

※手術動画は5:31~あたりからご覧いただけます。

処置前に、イボから生えている毛をハサミでカットし、注射による局所麻酔を行います。
麻酔がしっかり効いているため、痛みはまったくありません。
まずは、メスを使って飛び出したイボの部分を浅く、薄くそぎ取ります。
この際、毛根や血管を傷つけないよう、深く削りすぎないように注意を払います。
使用する麻酔薬には止血剤が含まれているため、
頭皮であっても出血はわずかににじむ程度です。

動画で紹介している症例では、
頭皮に多く見られる分厚いイボだったため、
最初にそぎ取ったあと、残った部分をさらに丁寧に削り取ります。
こちらも同様に、毛根や血管を損傷しないよう、浅く慎重に行います。
処置中に出血がありますが、キズが浅いため止血は容易で、すぐに落ち着きます。
浅い擦り傷のような状態に仕上がるため、縫合の必要はありません。

シェービング後

キズより深いところに健全な毛根が見えています。
ここから元通り毛が生えてきます。
病変の広さや厚みに関係無く、1回の手術で治療を完了することができます。
時間にして1~2分。翌日から洗髪することができます。

レーザーや電気凝固と違って高温にならないので
キズは1週間ほどで治ってしまいます。

一週間後に来院していただき、キズの治りを確認させていただき、
病理検査をした場合は、そこで結果を説明します。

5.おわりに

さて頭皮イボ治療の解説はいかがでしたでしょうか?
シェービングのメリットがご理解いただけたかと思います。

シェービングは古くから行われている古典的な術式で、
当院では年間数百件、ごく日常的に行っています。

YouTubeで顔イボ治療としてシェービングを取り上げてから気がついたのですが、
私たちにとってはごくあたりまえのテクニックである「シェービング」ですが

シェービング前
シェービング後

実は世の中ではあまり知られていないようです。
というのも、当院を受診された患者さんの中には、
他院でシェービングについて相談したところ、
「そんな方法はやっていない」
「聞いたこともない」

と言われた方が、たくさんいらっしゃるのです。
そのことに、むしろ私たちが驚いているほどです。

繰り返し説明しましたが顔や頭皮のイボには大変優れた方法です。

もし、シェービングをする医療機関が見つからないという方がいらっしゃいましたら
当院までお問い合わせ下さい。
ご連絡お待ちしております。

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【記事監修・執筆】

医師 医学博士 院長 野田 弘二郎

  • 日本形成外科学会専門医
  • 皮膚腫瘍外科指導専門医
  • プロネイリスト
  • ミラドライ公式認定医
  • オールアバウト公認 肌と爪の健康ガイド
  • パリ第7大学ドゥニ・ディドロ微少外科手術ディプロマ取得
  • 日本形成外科学会、国際形成外科学会、日本美容外科学会、日本皮膚外科学会、日本美容医療協会会員

<詳しいプロフィールはこちら>

神楽坂肌と爪のクリニック 形成外科|腫瘍皮膚科|美容皮膚科
院長 野田 弘二郎(日本形成外科学会専門医)
副院長 野田 真喜(女性・日本形成外科学会専門医)
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